2010年12月22日水曜日

研究覚え書き

* Project-O:採択の連絡。これから手直しなどの作業が発生するが、一区切り。

2010年12月20日月曜日

研究覚え書き

研究メモはしばらく空いてしまった。
依頼講演や原稿のこともあって新たな研究の方向性を模索中。

  * Project-AM:とりあえずこれまでのプロジェクトは終了。新しいプロジェクトに移行。まずはデータをよく眺めてみて、比例ハザードモデルの推定でもしてみるか。
  * Project-CVA?: 依頼原稿もあるので、文献をいろいろと漁る。デリバティブ市場のことをよく知らないと、このテーマに乗っかっても迫力が出ないと思われる。ただ、きちんとcatch-upしておかないといけないテーマでもあるし。
  * Project-O:採択まであと一歩という感じ。
  * Project-Ya:投稿論文のreviewはまだ返ってきていない。
  * Project-Yu:共著者が投稿してくれた。まだ査読者を探している状況のようだ。新プロジェクトについては未定。

あと、いくつかテーマについて考え中。

2010年12月17日金曜日

第10回レポートの講評

第10回目の課題レポートを1次チェックしての講評です。

前回と同様に、計算問題は答えがあっていて、その前に計算式が書かれていれば○としてあります。
全体的に良くできている人が半数くらいで、残りの人は冬休みに要復習という感じです。

問1 (1) は皆できていました。
(2) は少し計算ミスの人がいました。
(3)は何を計算すべきか分からなかったと思われる人が少なからずいました。
Ωの世界で言えば、 X(ω) ∈ [-10,3.5] となるような ωだけを考えればよく、結果的に集合 {1,5,6} 上で(2)と同様の計算をすればよいということです。
授業で紹介した∫ 記号を使った一般的な積分の関係式に囚われすぎている人もいましたが、演習でやるのは高々分数の加減乗除で計算できる期待値です。
どういう集合の上で「確率変数の値×その値をとる確率」を考えて和をとればよいかというように素朴に考えてほしいところです。
(4) は計算ミスも見られましたが、大半の人はできていました。

問2 (1) は数名を除いてできていました。
(2)  1_{1,2,3,4,5}(ω) + ω1_{6,7,8,9,10}(ω) という解答もあり、X(ω) の表現としては間違いではないのですが、単関数ということを明確にして、Xという変数によってΩが{1,2,3,4,5},{6},{7},{8},{9},{10} と分割されることを意識するためには、面倒であっても解答例のような表現で考える方が無難に思います。
(3) (a) E[X|F_X] = E[X] と解答してしまった人がいましたが、X は F_X 可測なので、答えは X そのものになります。
(b)(c)(e)(f) は何かしら計算を必要としますが、多くの人はきちんと計算できていました。ただ、全滅に近い人もいましたので、Excelの解答例などを見て計算方法を確認しておいてください。

いずれにしても、この演習問題のような形式で条件付き期待値の理解を確認する問題は期末試験に必ず出題します。

「金融数理の基礎」第11回フォロー

今回の配付資料および前回演習問題の解答例イントラネットアップしておきました。

(受領確認)第10回レポート

第10回の課題レポートを提出されたIDを確認のため掲示します。

適宜、この記事は更新していきますので、提出したはずなのに自分のIDが
無いという人は、早めに中川に連絡ください。

12/17 21:30 時点の提出者:

IM10F005, IM10F006, IM10F011, IM10F013, IM10F014, IM10F016
IM10F019, IM10F021, IM10F022, IM10F024, IM10F025, IM10F029,
IM10F030, IM10F031, IM10F033, IM10F034, IM10F037, IM10F039

2010年12月13日月曜日

12/17(金)「金融数理の基礎」第11回:確率論(条件付き期待値、マルチンゲール)

次回は年内最終回。条件付き期待値の残りとマルチンゲールについて触れます。

準教科書の7.4節の7.4.1項の続き~7.4.2項の内容に触れます。
(前回触れられなかった5.4.3項にある条件付き期待値の幾何的イメージにも言及したいと思います。)

* 条件付き期待値の性質(前回の配付資料に載せていたものに言及します)
* 条件付き期待値の幾何的イメージ
* マルチンゲール、優マルチンゲール、劣マルチンゲールの定義、およびそれらの簡単な例

*( 時間があれば) Doob分解、離散時間版確率積分(マルチンゲール変換)

という流れで進めたいと思います。

2010年12月11日土曜日

第9回レポートの講評

第9回目の課題レポートを1次チェックしての講評です。

全体的に計算問題は答えがあっていて、その前に計算式が書かれていれば○としてあります。
(答えが偶然に合うことは考えにくいので、答えが正しければある程度適切な議論ができていると見なしました)

問1 (1) はほとんどの人ができていましたが、出来なかった人は要確認です。
(2) は2^4 = 16個でよいのですが、(3)(4)を解くことを考えると、具体的に16個書きだしてほしいところです。具体的に16個書いていた人は皆きちんとできていました。{1},{2,3},{4},{5,6} の補集合だけを考えて10個の人もいましたが、1},{2,3},{4},{5,6} からできる和集合も要素になることも要請されます。

また、2^4 個の要素をもつ理由を考えて(思い出して)ください。

(3) (4) は結果が正しくても議論が不完全な人が少なからずいましたので、そこは注意をしています。

(3)はF-可測でないという答えなので、論理的には逆像がFに含まれない反例を1つ示せば十分です。
(4) はF-可測であるという答えなので、{0,1,9} の全ての要素について1点集合の逆像がFに含まれることをいう必要があります。
(5)は計算ミスもややありましたが比較的よくできていました。1- P({5,6}) でも求められます。

問2 は独立性を適切に使えるかどうかがポイントです。その意味で出来不出来が分かれました。
授業できちんと説明できませんでしたが、解答例を参考にして復習してください。
結局は、
(2つの集合の「共通部分」の確率) = (それぞれの集合の確率の積)
という形の式を作るということがポイントです。

確率変数の独立性の場合は、確率変数がどの値をとる場合で考えるかで何通りも式ができますが、
本質的には同じ結果になるので、1つのパターンで考えればよいです。

2010年12月10日金曜日

「金融数理の基礎」第10回フォロー

今回の配付資料および前回演習問題の解答例イントラネットアップしておきました。

(受領確認)第9回レポート

第9回の課題レポートを提出されたIDを確認のため掲示します。

適宜、この記事は更新していきますので、提出したはずなのに自分のIDが
無いという人は、早めに中川に連絡ください。

12/10 21:30 時点の提出者:

IM10F005, IM10F006, IM10F011, IM10F013, IM10F014, IM10F016,
IM10F019, IM10F021, IM10F022, IM10F024, IM10F025, IM10F029,
IM10F030, IM10F031, IM10F033, IM10F034, IM10F035, IM10F039

2010年12月7日火曜日

12/10(金)「金融数理の基礎」第10回:確率論(期待値、条件付き期待値)

次回は期待値、そして条件付き期待値について触れます。

準教科書の4.7節の4.7.1〜4.7.3項までと7.4節の7.4.1項までの内容に触れます。
5.4.3項の幾何的イメージにも言及したいと思います。
(予習用資料をイントラネットにおいてあります)

* 確率測度による積分と確率分布による積分
* 期待値
* 条件付き期待値の定義とそのイメージ
* 条件付き期待値の計算

という流れで進めたいと思います。

条件付き期待値を「確率変数」として理解するということがポイントになります。

2010年12月3日金曜日

「金融数理の基礎」第9回フォロー

今回の配付資料および次回以降の予習用資料をイントラネットにアップしておきました。

例題の解説が、だいぶ駆け足になってしまったので、補足しておきます。
(2)については、次のような表をつくって考えると分かりやすいかもしれません。


また、(4)で独立性の条件を使うところでは、
P((X-3)^+ = 1, (Y-2)^+ = 1) = P((X-3)^+ = 1)×P( (Y-2)^+ = 1)
以外にも、
P((X-3)^+ = 1, (Y-2)^+ = 0) = P((X-3)^+ = 1)×P( (Y-2)^+ = 0) ,
P((X-3)^+ = 0, (Y-2)^+ = 1) = P((X-3)^+ = 0)×P( (Y-2)^+ = 1) ,
P((X-3)^+ =0, (Y-2)^+ = 0) = P((X-3)^+ = 0)×P( (Y-2)^+ = 0)
も成立します。

ただ、未知数が2つに対して、本質的に異なる2つの方程式が得られれば十分なので、最初の条件だけを使いました。

確率空間と実数をつなぐ「確率変数X」、確率空間と[0,1]区間をつなぐ「確率測度P」の図の説明が分かりやすかったという声をもらいました。かなりイメージに頼る説明でしたし、いろいろと気をつけなければ点の説明を省いたりもしています。
ただ、実際に我々が観測できるものは、抽象的な空間の「神様のサイコロの目」ではなくて、それが確率変数を通じて実数上に表現されたもの、という基本的なイメージを持っていると測度論に基づく確率論を導入する意味が少しは分かりやすくなると思います。

次回は条件付き期待値ですが、そこでも同様のイメージで説明したいと思います。

2010年12月1日水曜日

12/3(金)授業前の中間試験解説の実施について

12/3(金)の「金融数理の基礎」授業本編は20:00~ですが、1限の沖本先生の授業が休講であり、第3講義室の経営法務の授業も休講のようです。

授業本編で中間試験について触れる時間はほとんどありませんので、
授業前 19:00~19:50 に、第3講義室で「『金融数理の基礎』中間試験の解説」をしたいと思います。
(現時点では、教室が使用できるよう確認中です)

もちろん、希望者だけ参加してください
#解説に出席したからと言って中間試験の点数が上がるわけではありませんが、私の解説と返却された答案を比べて、この部分は加点してもらえるかも…と気づくかもしれません。

19:00 に第3講義室に下りていきます。そこで一名でもいれば、解説を始めます。
(誰もいなければ中止して部屋に戻ります)
どの問題を解説するかは、参加者の希望を聞いて決めます。

また問題や解答例を配付したりはしません。


2010年11月29日月曜日

「金融数理の基礎」中間試験答案の返却について

「金融数理の基礎」中間試験の採点答案とメモを本日返却するよう手配します。
(採点した答案・メモについてはコピーをとってあります)

1枚目の答案の氏名右のところに赤丸で囲まれた赤い数字が100点満点での今回の点数です。

共同研究室からメールで連絡があると思いますので、8階の共同研究室のドアのところ個人フォルダから受け取ってください。

中間試験の採点結果について質問・異議等があれば、12月10日(金)までに、直接中川に問い合わせてください。

2010年11月27日土曜日

12/3(金)「金融数理の基礎」第9回:確率論(確率空間、確率変数)

第9回から、確率論の話題に入っていきます。

準教科書の2.6節の2.6.2項までと3.5節の3.5.4項までの内容に触れます。
(予習用資料イントラネットおいておきます)

* 確率空間とその例
* 確率変数
* 確率分布
* 独立性について

という流れで進めたいと思います。

2010年11月26日金曜日

「金融数理の基礎」第8回:中間試験採点講評(速報版)

解答例はイントラネットにアップしておきました。

受験者数は23名。ガチンコ採点の段階ですが、
最高得点は98点(100点満点)。90点台がもう1名、80点台が3名、70点台が4名です。
返却前までに再チェックをするので、得点は変動すると思います。

以下、簡単なコメントです。

問題1。A の正体が全くつかめない人はいないようでしたが、Bが適切にとらえられたかどうかで差がついたと思います。
なお、集合を表す際に要素を { } で囲っていない場合は1点減点しました。
また(4)(6) は片方だけ正解の場合は3点与えました。
(5)は結論に対して2点。理由の説明で多少の表現の不備はおまけしていますが、「全射でない」ことの説明をしていない場合や、明らかに変な説明の場合は減点しています。

問題2。間違い一つにつき4点減点です。5つ以上間違いがあると0点になります。B∪C と書くべきところを B+C と書いている人が少なくありませんでした。こういう表記も無いわけではありませんが、私の授業で集合の和を「+」で表したことは無かったはずですので、今回の採点では×にしました。
「ド・モルガン」のところを「分配則」と書いた人がいましたが、問題の誘導からすると分配則の適用にはなっていません。

問題3。(1)(ア)と(2) は正解している人が比較的多かったです。数字はあっているけれど、端点が閉か開かというところが違っているときは3点だけ与えました。
証明は、10点配点で3点ずつの減点法なので、4つ以上間違いだと0点になり、そういう人が多かったです。

問題4。出来不出来がはっきりした問題でした。4割強の人が15点でした。

問題5。多少の説明不足はあっても、正解にたどり着いていれば10点与えました。10点の人は全体の3分の1でした。φを単関数と捉え直すところで計算ミスがある人が多かったですが、絶対値と平方根の処理の正確さや、積分の定義の本質を押さえた式が書けているかどうかを考慮して部分点を与えています。

問題6。(1)はリーマン積分可能な関数なので、ルベーグ積分もその値に一致することを使えばよい問題です。グラフを描けば積分の値は二等辺三角形の面積になることも分かります。前回の授業では、ルベーグ積分をリーマン積分や広義積分で計算する例を紹介してました。
(2) でも、いろいろ書いていた人がいますが、説明が適切でなければ点はあげられません。優収束定理の仮定が満たされていないことに言及していても、f(x)=0 であることを明示して等号不成立の理由に触れていない場合などは減点しています。

2010年11月23日火曜日

11/26(金)「金融数理の基礎」第8回:中間試験

シラバス等で予告はしていますが、第8回目の授業は中間試験となります。
重要な追加事項は、この記事を更新する形で伝えます。
(もちろん授業中に伝えますし、必要があれば学内メーリングリストでお伝えします)


日時:11月26日(金)20:10~21:25(正味75分)
場所:第3講義室(席順はこちらで指定)

遅刻は試験開始30分まで認める(すなわち 20:40まで)。
また、試験開始30分後から試験終了5分前(すなわち 20:40~21:20)の間は、早く終了した者の退室を認める。


【試験範囲およびその他の注意事項】

  • 試験範囲は第7回目までの授業内容および配付資料。特に板書した内容およびレポート課題の問題については復習しておくこと。試験に関するポイントは授業中に口頭で伝える。
  • テキスト、参考書の参照は不可。ただし、第5回目の授業で配付した「中間試験について」の裏側の枠内部分に手書きでメモしたもののみ参照することを許可する。この、手書きメモは試験答案と一緒に提出してもらう(採点答案といっしょに返却する)。
  • 卓上計算機などの使用は不可とする。
なお、中間試験と期末試験はそれぞれ100点満点で採点するが、最終成績評価は
 max{中間試験の点数, 期末試験の点数} × 0.5 + 期末試験の点数 × 0.5
として100点満点に変換する(通称KH先生方式?)。

2010年11月20日土曜日

「金融数理の基礎」第7回フォロー(更新)

今回の配付資料および前回課題の解答例をイントラネットにアップしておきました。

解答例の問2の(2)は答えは正しいですが、同じ区間が出てくるところがあります。(コピペ部分を直し忘れていました。すみません。修正版をアップしました

2ページ目の下から5行目と3行目の式において、
 3項目の[1/2,3/4) は [3/4,7/8) が正しく、
 5項目の[7/8,15/16) は [15/16,31/32) が正しいです。
 
補足コメントは追って書きたいと思います。

なお、中間試験では、log の積分とか三角関数とかは出しません。
積分としては単関数の積分(これは必出)かせいぜい1次関数の積分ができれば
OKです。
扱う関数も、x^n とか√x とか絶対値とか、高校1年くらいで扱うはずのものです。
(Int という関数は使いますが、それについては授業でやりました)

第6回レポートの講評

第6回目の課題レポートを1次チェックしての講評です。

なお、解答例の問2の(2)は答えは正しいですが、同じ区間が出てくるところがあります。
(コピペ部分を直し忘れていました。すみません。修正版をアップしました
2ページ目の下から5行目と3行目の式において、
 3項目の[1/2,3/4) は [3/4,7/8) が正しく、
 5項目の[7/8,15/16) は [15/16,31/32) が正しいです。


問1のポイントは、与えられた関数φが[0,2π]上で負の値(-1)もとるために、有限個の値しかとらないにもかかわらず、この授業で定義した「単関数」にはならないことに注意することです。
よって、うるさいことを言うと積分は φ = φ^+ - φ^- という風に正部分と負部分(といっても実際には非負値をとるように定義します)に分けて、φ^+, φ^- それぞれを「単関数」と見なして積分するということです。
(なお、こちらに正誤表がありますが、テキストの76ページは∫φdm =∫ φ^+dm -∫ φ^-dm が正しく、
∫φdm =∫ φ^+dm +∫ φ^-dm は誤りです)

三角関数部分の処理はできている人が多かったですが、積分の計算についてはきちんと出来ている人は半分くらいでした。また、|φ| の積分と勘違いしている人もいました。

また、積分の線形性に注目した解法をとっていた人がいました。
それも悪くはないのですが、φの可積分性を先に認めたうえで議論することになるので、この段階での解の方針としては少し注意しないといけません。

問2については (2) は比較的正解者が多かったです。(3)はΣが残ったままの人も多かったですが、解答例のようにうまくΣを処理して正解できた人も私の予想よりは多かったです。
一方、(1)についてはきちんと過不足なく説明できていると思える人はあまり多くありませんでした。
特に、レポートの記述から判断するとf_n(x) の意味を勘違い(x ∈ A_k のときには、f_n(x) = (n-k+1)/n であるが、f_n(x) = Σ(n-k+1)/n のように k までの和をとったもの?だと思っているフシのあるもの)しているような人や、「有限個の非負値をとる」というところが押さえられていないように読み取れる人が多かったです。
((2)以降では適切にとらえられていたので、本質的な勘違いはなさそうですが…)

問3までチャレンジしていた人は半数くらいでした。
実は、準テキストにも載っている、広義積分は存在するが、Lebesgue可積分でない関数の例(88ページの例4.35)を少し表現を変えて出題しています。

(1)定義にしたがって可測性を示そうとしていた人が多く、解答例もその方針で書いてあります。
ただ、その方針で完全に答えられている人はほとんどいませんでした。
また、(可測であることがすぐに分かる)定義関数の定数倍や高々可算個の線形結合になっているので可測という説明の人もいました。

(2) は正解できていた人も数名いました。
これも f = f^+ - f^- と分けて考える方針で、そこまでは思い至った人でもいたのですが、その後の議論が不十分な人が目立ちました。 f^+, f^- は f の定義式からすぐに分かると思ったのですが、 f^+, f^- を見つけあぐねている感じの解答がありました。

2010年11月18日木曜日

(受領確認)第6回レポート

第6回の課題レポートを提出されたIDを確認のため掲示します。

適宜、この記事は更新していきますので、提出したはずなのに自分のIDが
無いという人は、早めに中川に連絡ください。

11/18 21:30 時点の提出者:

IM10F005, IM10F006, IM10F010, IM10F011, IM10F013, IM10F014,
IM10F016, IM10F019, IM10F022, IM10F025, IM10F029, IM10F030,
IM10F031, IM10F033, IM10F034, IM10F035, IM10F037, IM10F039,

2010年11月16日火曜日

「金融数理の基礎」の講義日程変更

当初は、14回目の授業を補講期間中の1/28(金)に行おうと考えていましたが、1/28(金)に優先的に補講を行うことになった授業があります。
その関係で、14回目の授業は2/4(金)に回します。

【今後の講義日程案】

7. (11/19) 積分論(積分の性質)
8. (11/26) 中間試験
9. (12/3) 確率論(確率空間、確率変数)
10. (12/10) 確率論(期待値、条件付き期待値)
11. (12/17) 確率論(条件付き期待値、マルチンゲール)
 ※1/7(金)は月曜授業実施日
12. (1/14) 離散時間モデル(金融市場モデルの定式化)
13. (1/21) 離散時間モデル(ヨーロピアン・デリバティブ評価)
 ※1/28(金)は補講期間のため、通常の授業は行わない
14. (2/4) 離散時間モデル(ヨーロピアン・デリバティブ評価)
15. (2/15) 学期末試験

2010年11月15日月曜日

11/19(金)「金融数理の基礎」第7回:積分論(収束定理)

中間試験の範囲に関係しますので、第7回目の授業予定についても先に示しておきます。
第7回はLebesgue積分の理論において非常に重要な3つの収束定理について説明し、応用例をいくつか見たいと思います。

準教科書の4.2節および4.4節の内容に触れます。
必要な人は予習用資料に目を通してきてください。

* Fatouの補題
* 単調収束定理
* 優収束定理

という流れで進めたいと思います。

2010年11月12日金曜日

「金融数理の基礎」第6回フォロー

今回の配付資料をイントラネットにアップしておきました。

補足コメントは追って書きたいと思います。

なお、中間試験に関して「逆像の問題が25%くらい」と言いました。それは間違いではないのですが、必ずしもf^{-1}(B') を答えよ、という問題が25%出るということではありません。
逆像を理解していなければ、きちんと解答できないタイプの問題が1/4くらいという意味ですのであしからず。
(今日の単関数の積分の練習問題も逆像を理解していないと、Int を単関数として明示できないわけですね)

授業後に、Th.3の証明中に示した
E = f^{-1}((0,∞)), E_n = f^{-1}([1/n,∞)) とおいたとき、
E = ∪E_n
が成り立つ理由についての質問です。

これも逆像の性質を使う大事なところなので、ここでも解説しておきます。
まず、(0,∞) = ∪[1/n,∞) (☆)が成り立つことに注意してください
(この辺は中間試験に向けてよく復習しておいてください)
そのうえで、
 E = f^{-1}((0,∞)) = f^{-1}([1/n,∞))  ∵ 上の(☆)
   = f^{-1}([1/n,∞))    ∵ 和集合についての逆像の性質
  = E_n         ∵ E_n の定義
となります。







(更新)11/12(金)「金融数理の基礎」第6回:積分論(積分の定義)

第6回目は、Lebesgue積分の定義と性質、可積分関数について説明します。
あと、Riemann積分との関係(4.5節)についても触れたいと思います。

準教科書の4.1節および4.3節の内容に触れます。
必要な人は、イントラネットに予習用資料をアップしておきましたので目を通してきてください。

* Lebesgue積分の定義(単関数の場合、一般の非負可測関数の場合)
* Lebesgue積分の基本的性質
* 可積分関数
* Riemann積分との関係(4.5節)

という流れで進めたいと思います。


なお、第5回(10/29分)の課題レポートの締切は11/5(金)です。11/12(金)の授業時には提出するものはないはずなので注意してください

2010年11月5日金曜日

第5回レポートの講評

前回問題の解答例をイントラネット(第5回目の講義のところ)にアップしておきました。

第5回目の課題レポートを1次チェックしての講評です。

そろそろ自分の記号の使い方が適切かどうかを判断できていてほしい頃です。
授業で導入していなかったり、テキストで使われていないオリジナルな記号の使い方をしている人が、まだ結構います。

問1については、正しく理解出来ている人は省略してもよいですが、この手の議論に不慣れな人は最低でもグラフを描くことでその意味を考えてほしかったです。
また、グラフを描いた上で、f^{-1}((a,∞)) をきちんととらえてほしかったところです。
例えば、f^{-1}((a,∞))=A(ある集合)というような答えを自分なりに出したら、
全ての x ∈ A に対して、f(x) (a,∞) となっているかを確認すれば、少なくとも A という答えがだいだい妥当かどうかは分かるはずだと思います。

しっかり正解できていた人は少数でした。
[1,∞), [0, ∞) とすべきところを(1,∞), (0, ∞)というように左側を「開」にしてしまった人が少しいました。
全体としては、逆像の理解がまだ不完全な人がたくさんいるという印象です。

また、f^{-1}((a,∞))の答えが正しくないことを棚上げしても、f が可測関数になる理由の説明があいまいな人が多かったです。a が何であれ、f^{-1}((a,∞))は区間になることに注意して、区間は可測であるという定理に基づいて答えてほしいところでしたが、とにかく可測であると言って途中をごまかしているものが少なからず見受けられました。当然、テストであれば点数にならないか、大幅減点になるところです。

問2については、正確なグラフが書けないことと、写像のイメージが正確にもてなかったことが原因でしょうが、きちんと答えられている人は少数でした。
f^{-1}((a,∞))が a<1 かa≧1で状況が異なるところまでは見通していた人はそれなりにいましたが、特に a<1 のときの逆像をきちんと表現していた人は少なかったです。

また、f が可測関数になる理由の説明が不十分な人が多かったです。a≧1のときの逆像が零集合になることを説明するのがポイントですが、そこを私が十分と判断できるような形で述べる人はあまりいませんでした。問1と同様に、根拠が正しくなければ、可測だと結論づけても評価されません。

逆像に注目しないでも f が可測関数であることを示すことができます。零集合であるQを除いて、f = 1 a.e. ということは言えます。定数関数で可測だということからfも可測だということも容易に言えます。
そうしたニュアンスの解答もありました。

問3については、根本的に問題を勘違いしている人が少しいました。問1,問2と違って、与えられたB'についてのみ逆像を求めればよいのですが、問1,問2のように場合分けを持ち出している人がいました。また、「B'=1」とかB'>1」といった集合と実数の等式・不等式関係を条件にしている人がたくさんいました。
言いたいことはわかりますが、集合と数字の間で、両者が等しいとかどちらが大きいとかいう表記は意味をもちません。

また、再三述べていますが、逆像 f^{-1}(B')の正体は、実数上の集合になります。外延的にせよ、内包的にせよ、あるいは区間の形やN, R にせよ、「集合」であることが明示的になるように答えてほしいところです。
{ } で囲まないで要素だけを並べたり、{(-1, -0.5],[0.5, 1)}といった表記は気持ちは分かりますが、集合という意識が欠けているという判断になります。また、(-1, -0.5],[0.5, 1)という答え方よりは、区間どうしの和集合として、(-1, -0.5]∪[0.5, 1)と和集合の形で書いてほしいです。

(3)(4)は答えの表現方法として不十分なものは目立ちましたが、考え方はあっている人がそれなりにいました。(2)はこちらの思惑通り、負の範囲の区間を忘れている人が若干いました。あと、意外と(1)の出来がよくありませんでした。

問4は、「引っかからないように」と言っておいたせいかどうか分かりませんが、正解者が多数いました。1往復目はたぶん問題ないのですが、2往復目の往路がポイントですね。


(受領確認)第5回レポート

第5回の課題レポートを提出されたIDを確認のため掲示します。

適宜、この記事は更新していきますので、提出したはずなのに自分のIDが
無いという人は、早めに中川に連絡ください。

11/5 20:30 時点の提出者:

IM10F001,
IM10F004, IM10F005, IM10F006, IM10F011, IM10F012,
IM10F013, IM10F014, IM10F016, IM10F019, IM10F022, IM10F024,
IM10F025, IM10F029, IM10F030, IM10F031, IM10F032, IM10F033,
IM10F034, IM10F035, IM10F037, IM10F038, IM10F039, IM09F008

2010年11月4日木曜日

11/5(金)オフィスアワー

11/5(金)は授業が無い日ですが、20:00~21:30(くらい)をオフィスアワーに設定します(20:00までは博士課程のゼミをしています)。
質問などがあれば、アポ無しで私のオフィス(805号室)に来ていただいてかまいません。

※誰も来なければ,レポートのチェックの仕事をしています。

2010年10月30日土曜日

(参考)中間試験のメモ用紙

googleで「試験 A4 カンニングペーパー」と検索してもらえると、中間試験においてA4指定用紙に書き込んだ自筆メモの参照を許可することに関連したページを見つけられるでしょう

「金融数理の基礎」第5回フォロー

今回の配付資料、前回問題の解答例をイントラネットにアップしておきました。


授業後に質問をいくつか受けました。その中で、3回目の授業に関することで説明が足りなくて誤解させてしまった部分があると思いましたので補足しました。

区間の形で表される集合族の可算個の和集合、共通部分に関する説明で
例を出して説明したときに
∩[ ) = [ ], ∪[ ) = ( )
という形で、) が ] に変わるとか ] が ) という点に注意するようにコメントしましたが、これは常に当てはまる法則というわけではありません。そういうとらえ方をして3回目の問1の問題を考えた人もいるようなので、そこは訂正しておきます。
ただし、「 ∩( ) = ( ), ∪[ ] = [ ](開区間の共通部分が開区間になる、または、閉区間の和集合が閉区間になるとは一般的には限らない」ということは言えます。
ですから、出題者としてはそのあたりをきちんと論証させたくなって問題を作るわけです。
これは、中間試験に向けてのヒントです。


第4回レポートの講評

第3回目の課題レポートを1次チェックしての講評です。

第3回課題の解説のときにも触れましたが、まだ書いてあるものを見る限りにおいて、要素、集合、集合族などの区別があいまいに思える人が見受けられます。
私の方で気づいたところは指摘していますので、指摘を受けた人は良く見直してください。

また、数学においては、解答の根拠として使えるのは授業で触れた内容と配付資料に書かれた内容に限るというのが前提です。
(話は飛びますが、この意味で、大学入試問題を大学レベルの数学の知識を使って解答してきた答案をどのように扱うかは非常に微妙な問題になります)

自分は知っていたけど授業や資料に書かれていない結果を使う場合には詳しく言及することが大事です。
また、授業や資料で触れていないことを持ち出している人の多くは「間違って道具を間違って使って」います(間違いが重なって結果だけはOKになっていたりしますが…数学としては×の扱いになります)


問1の前半は比較的良くできていました。外測度の単調性と劣加法性を使う方法がベストです。
ただし、気になる議論や記号の使い方もあったので、いくつか指摘しておきます。

  • m*(A ∪ B) = m*(A) +m*(B) -m*(A ∩ B) という式を持ち出していた人がいました。外測度m* に関して、こうした式が一般に成立することは定理などの形で述べられていません( 「測度 m」に関しては成り立つので証明はできます(授業等では直接触れていませんが)。したがって、これを使った解答は正しいと認められません。
  • m*(A) = 0 のとき、零集合A として空集合とか1点集合に限定した議論。零集合の中には、非可算濃度のもの(カントール集合と呼ばれるもの)もありますので、特別な零集合だけについて示しても議論として不十分です。
  • m*(A) = {0} や m*(A) ∪m*(B) などの表記。m*(A)の正体は0以上の実数か正の∞であることを理解していれば、上の2つのような表記は正しくないことに気づくと思います。うっかり書いてしまったと思いますが、読み手が常に好意的に理解してくれるとは限りません。
  • 「『加算』劣加法性」… もちろん『可算』です。まあこれくらいならあえて減点対象にはしませんが、思いこみをしていたら注意してください。
あと、一方の不等号の成立しか示していないのに、等号成立という結論に持ち込んでいる人がいました。ほぼ自明なことをあえて書いてもらうというのが問題の意図ですので、最後まできちんと議論してほしいです。

問1の後半はきちんとできている人はいませんでした。
「∀B(⊂R) に対して m*(A ∪ B) = m*(B)」が成立しているという仮定ですが、「∀B(⊂R) に対して」というところがポイントです。「偽」だと答えた人の多くが、A ⊂ B で m*(A) > 0 の場合が反例になるという議論をしていましたが、これは A を含むような特別な B だけしか見ていないことになります。そもそも A は Bとは関係なく与えられている状況なので、上の議論は、都合のよい B を先に与えて、さらに都合のよい A を選んでいるという議論に見えます。

他に、前半と同様な議論をして m*(A) ≧ 0 という自明の関係式を導出して、m*(A) = 0 とは限らないという議論で「偽」としていた人もいますが、これも「∀B(⊂R) に対して」の部分を適切に解釈できていないことになります。

また、「真」と答えた人も適切な議論になっている人はいませんでした。

「∀***に対して」や「∃*** 」という部分が、どこに修飾されているかを見抜くことは非常に重要です。


問2 についても、前半は問1と似たような指摘になりますので割愛します。
記号の使い方について指摘されている人は注意してください。集合が { } でくくられていない数字の0と「=」で結ばれるのは変だということをきちんと理解してください。

後半の答えは「偽」です。具体的な反例を示すことが大事ですが、「偽」と答えた人の中にも、具体的に反例を示さないで結論が成り立たない可能性がある(ようにできる)、という感じの議論をしているケースが少なからず見られました。
そういう解答については「だったら具体例を示してよ」という反応になります。「できそう」と「できる」は説得力がまるで違ってきます。


問3 は多少の記号ミスに目をつむっても完全正解者は半数以下でした。答えだけでなくきちんと条件を満たすかどうかについても議論している人も数名ですがいました。評価したいと思います。
いずれにしても、σ加法族については中間試験後の「確率論」で改めて解説します。

解答を見ると「そもそも何を質問されているか分からない」状態で解答されているものもありました。σ加法族ということに慣れていないので、答え方が分からないのも今の段階では仕方がないことですが、少なくとも答えとして求められているものは「5つの(異なる)集合族」だということには気づいてほしいです。

対象となる集合Ω={g,c,p}が与えられての集合族を考えるわけなので、
答えとしては { {g}, {c,p}} のようなものが期待されるわけです。{g} とか Ωがだけだと単に「集合」です。集合をもう一回 { } でくくって集合族になります。

今回の解答例とσ加法族の定義を見比べて、解答例がσ-加法族になっていることを確認してみてください。
(できれば、それ以外の集合族はなぜσ-加法族にならないかも検討してみるとよいでしょう)

2010年10月29日金曜日

(受領確認)第4回レポート

第4回の課題レポートを提出されたIDを確認のため掲示します。

適宜、この記事は更新していきますので、提出したはずなのに自分のIDが
無いという人は、早めに中川に連絡ください。

10/29 22:20 時点の提出者:

IM10F001, IM10F006, IM10F010, IM10F011, IM10F013, IM10F014,
IM10F016, IM10F017, IM10F019, IM10F022, IM10F024, IM10F025,
IM10F029, IM10F030, IM10F031, IM10F032, IM10F033, IM10F035,
IM10F037, IM10F038, IM10F039, IM09F008

2010年10月26日火曜日

10/29(金)「金融数理の基礎」第5回:測度論(可測関数)-追記

第5回目は、Lebesgue積分を定義できる関数の性質を中心に見ていきます。

準教科書の3.2~3.4節の内容(あと、4章の定義4.1, 命題4.15も)に触れます。必要な人は、イントラネットに予習用資料をアップしておきましたので目を通してきてください。


* Lebesgue可測関数の定義
* Lebesgue可測関数の族の性質
* 可測関数の単関数近似


という流れで進めたいと思います。
前回の内容も含めて証明について授業でも触れたいと思います。

また、前回の課題レポートを提出する人は、授業前後に私が教室に持参するトレイに提出するか、授業開始前までに共同研究室の指定トレイに提出してください。

2010年10月23日土曜日

第3回レポートの講評

第3回目の課題レポートを1次チェックしての講評です。


3回目のレポート課題の問1のいくつかの解説を、また授業後(21:40~22:00くらい)に行いたいと思います。

問1は、完璧に近い出来の人もいましたし、一部だけという人もいました。
気になった点をいくつか挙げておきます。

  • 空集合(ここでは記号φを代用します)が答えであるところを、{φ} と表している人が目立ちました。φと{φ} は違うもので、試験のときに、この区別が出来ていないと大きな減点にするつもりです。{φ}は「空集合を要素にもつ集合(族)」の意味になります。
  • 答えの表記として (0,0) や(0,0]というものが見られましたが、意味から考えるとどちらも空集合ですから、φと答えるのが望ましいです。
  • 集合の上極限、下極限については解答していない人も多かったですが、答えとして 0 とか 1 といった数字を挙げている人がいました。「上極限、下極限」という呼び方は紹介しましたが、対象はあくまでも集合族の和集合と共通部分の組合せで表されていますので、結果は「集合」になります。
  • n=1,2 と同じように、n=∞ のときのA_∞, B_∞ というものを明示して考えていた人がいましたが、∞というのは自然数ではないので、こういう表記は厳密にはできません。可算個の集合族の和集合(あるいは共通部分)をとるという表記で「n=1から∞まで」と読める記号は使っていますが、それらは「∃ n ∈N」 (あるいは「∀ n ∈N 」)という記号で意味づけられるものです。

上の指摘の1つめと3つめは、要素、集合、集合族(集合を要素とする集合)という3つの区別がきちんとついていないということを示唆しています。
最初は混乱しても仕方ありませんが、「∈」と「⊂」の違い、x と{x}と{{x}}の違いなどを自分で分かっているか振り返ってみてください。


問2の答えは「非可算」になりますが、それとは違う答えを出している人がいました。予習用資料の問題にもなっていましたし、略解も示してありました。無理数の濃度は「実数全体」と同じ非可算だということ自体は知識として持っていてよかったと思います。

解答例は濃度の演算規則をうまく使って解答することを期待していて、その方向で解いていたレポートは多かったですが、|R| = |(R-Q) ∪ Q| = |R-Q| + |Q| ということを言うためには、「(R - Q) ∩Q = 空集合」ということにも触れる必要があります。配付資料でそのことが抜けていて、当日の追加訂正で示しただけだったので、重要視されなかったのかもしれませんが、A=B (有限集合)とすると
|A| = |A∪B| = |A| + |B| となってしまい変です。濃度の和をとるときは、互いに素な集合で和集合を撮る必要があるので注意してください。

あと、濃度演算ではなく、 R-Q と R の間に全単射が存在することを示そうという方針の解答もありました。直接全単射を構成するという方針のものと、両方向の単射の存在を示して、Bernstein の定理に委ねるという方針のものが見られました。これらも非常に良い方針ですが、おそらくこの解答は別の文献を参考にしたものと思います。参考にすること自体は非常によいことですが、レポートの表現だけ見ると自分では理解しきっていない状態なのかな、という印象をもちました。


問3は、内容的に正しいことを言っていても、それぞれの質問(反論)のポイントをふまえて、「ここがおかしい」ということを端的に指摘しないと解答としては成立しません。
1つ目は「示された方法では無限小数には附番できない」こと、2つ目については「対角線部分をずらしたものが有理数とは限らない」ことを指摘することが想定したポイントで、具体例を示せればなお良いでしょう。
その意味で、答えの表現からだとポイントがつかめていないと思えるものが多かったです。自分では「解答例と同じことを指摘したつもり」という人がいるかもしれませんが、そう受け取ってもらえる表現かどうかを自分なりに見直してみてください。


問4は、選択公理の話をしていなかったので解けなくても仕方ない部分もありましたが、単射や全射の定義そのものに関係する部分をブランクにしたつもりでしたので、論理のつながりを注意すれば半分くらいはブランクを埋められると思いましたが、手をつけた人でも出来はそれほどよくありませんでした。
正確にいうと、必ずしも内容としては間違いではないけれども、前後のつながりを考えると、より適切な式や記号を入れるべき、という理由で不正解にしたものもあります。

試験では、重要な命題の証明論理を穴埋め式で考えてもらう出題形式も考えています。



2010年10月22日金曜日

「金融数理の基礎」第4回フォロー

今回の配付資料、前回問題の解答例をイントラネットにアップしておきました。

本の紹介

前回課題の問3の元ネタはこちらです。部分的に3回目までの復習としても読めます。なお、私は10章の後半はきちんと読んでません。

あと、伊藤清先生のエッセイはこちら。この授業が内容的には20世紀初頭のものであることが分かると思います。

(受領確認)第3回レポート

第3回の課題レポートを提出されたIDを確認のため掲示します。

適宜、この記事は更新していきますので、提出したはずなのに自分のIDが
無いという人は、早めに中川に連絡ください。

10/22 22:00 時点の提出者:

IM10F001, IM10F004, IM10F006, IM10F010, IM10F011, IM10F012,
IM10F013, IM10F014, IM10F016, IM10F019, IM10F022, IM10F024,
IM10F025, IM10F029, IM10F030, IM10F031, IM10F032, IM10F033,
IM10F034, IM10F035, IM10F037, IM10F038, IM10F039, IM09F008

2010年10月21日木曜日

補足:第3回出題のレポート課題について(更新)

第3回出題のレポート課題についての補足です。

問1のC_n の定義で、場合によっては a>b に対して閉区間 [a, b] となってしまうところがあります。
私としては、この場合は [b, a] のつもりに読み替えるつもりで出題してしまいましたが、当然それはきちんと補足するか、[min{a,b}, max{a,b}] のような形で与えるべきでした。
問題を解く際に、こういうケースを空集合と思って解いた方もいるかもしれません。お詫びして訂正します。ただし、答えそのものは変わりません。

問1は、具体的に答えを予想して集合として等しいことを示すタイプの問題だと説明しましたが、3種類の集合族すべてについて、共通部分、和集合、上極限、下極限を同じように厳密に説明するのは面倒だと思いますから、同じロジックを繰り返し使う場合には2回目以降の説明は簡略にしてもらってもかまいません。
ただし、レポートに答えだけを書いて、それらが正しかったとしてもあまり意味がないということは繰り返し強調しておきます。

また、問2および問4は、授業中で触れた以外に、配付資料で書かれた部分も読んだうえでないと解答は困難なので注意してください。

2010年10月17日日曜日

10/22(金)「金融数理の基礎」第4回:測度論(外測度,測度)

第4回目から、測度論の話題に移ってきます。

準教科書の2.1~2.4節の以下の内容に触れます。必要な人は、イントラネットに予習用資料をアップしておきましたので目を通してきてください。

* 零集合
* 外測度
* Lebesgue可測集合とLebesgue測度
* Lebesgue測度の性質

という流れで進めたいと思います。
集合論の復習にもなりうる短めの証明は、授業でもできるだけ見ていきたいと思います。

また、前回の課題レポートを提出する人は、授業前後に私が教室に持参するトレイに提出するか、授業開始前までに共同研究室の指定トレイに提出してください。

2010年10月16日土曜日

第2回レポートの講評

第2回目の課題レポートをチェックしての講評です。

出題した時点で予想していましたが、レポートのチェックは苦労しました。
多くの人が、集合や写像の概念や記号法にまだ慣れていない段階ですので、
当たり前のことです。
レポートのコメント(読みにくいとは思いますが…)や解答例を参考に、私がどういう解答を期待しているのかを読み取っていただければと思います。
もちろん、私が示した方法でなくても、数学的に妥当な議論であって、それを理解して書いていることが分かれば、それを評価したいと思います。

ということで、2回目のレポート課題の解説を、次回の授業後(21:40~22:00くらい)に行いたいと思います。もちろん強制ではありません。聞きたい人だけ残ってください。

なお、証明問題については「Good」「O.K.」「だいたいO.K.」というようなコメントがあれば、いちおう合格と考えてください。

問1について。計算用紙やノートからの写し間違いのようなケアレスミスと思われるものもありましたが、それは後チェックで発見してほしいところでした。あと、集合演算の意味をきちんと理解していないと思われる解答も少なくありませんでした。少なくとも、有限集合についての共通部分、和集合、差集合については理解してほしいところです。
中間試験でも、この類の問題は出すつもりです。

問2について。他の2問に比べると出来はよかったのですが、集合で使う∪,∩,\, ∈,⊂,= といった記号と、論理で使う ∨(or),∧(and),¬(not), ⇒, ⇔ といった記号の使い方の混乱が多くの人に見られました。

あと、命題の式を変形していくうえで、定義に基づいた変形以外の理由で変形している部分については根拠(結合則、分配則、ド・モルガン、etc)を簡潔に示すようにしてください。根拠を簡潔に示せないということは、自分でもそういう変形が正当であるかどうかを理解できていない証拠です。

問3について。きちんと証明できていた人もいましたが、写像の記号の使い方や説明の仕方が身についていると読み取れたのはごく少数でした。もちろん、単射や全射の定義だけを聞いて、証明するのは簡単ではないので、今の段階で分からなくても悲観する必要はありません。

また、図を描けば直観的に明らかに見えるので、そのイメージを伝えることで証明にしようという人が少なくありませんでしたが、ここでは図はあくまでも補助的なもので、証明は集合と論理の言葉で積み上げるものと位置づけます。

まずは、3回目の授業を通じて、単射とか全単射が2つの集合の濃度を比べる際に必要不可欠な概念だということを分かってもらえればと思います。

問4について。手つかずの人も多くいました。また、B_n の定義の仕方を理解すれば、直観的に明らかなことを証明せよ、という問題なので、直観的なイメージを伝えようという人がこの問題でも少なくありませんでした。

(1)は、解いている人の多くが、証明のポイントとなる事実をつかんでいるように見えましたが、説明が冗長になりすぎていると感じられる人が目立ちました。

(2)は、数学的帰納法を宣言している人以外は、程度の差こそあれ論理の飛躍が目につきました。「以下同様に」と書かれていても、同様にどういう手続きをすればよいか明示されていないといけません。

なお解答例は、集合演算規則を既知として、集合の等号変形で示す方法をとっています。

「金融数理の基礎」第3回フォロー

今回の配付資料、前回問題の解答例をイントラネットにアップしておきました。

授業中にフォローできなかった、集合族の演算の共通部分についての証明と、de Morgan 法則についての証明についてのファイルをイントラネットにアップしました。
ただし、TeXに強制的に触れてもらうために、pdfにせずに、TeXソースファイルをアップしておきました。

TeX環境がなくても「TeXを使ってみよう」ページにコピペすればpdfが作れて保存もできるはずですので、この機会にTeXを体感してみてください。

授業に関する細かい補足です。
「濃度(あるいは基数)」に対応する英単語を power と言いましたが、一般には
cardinal あるいは cardinality というというご指摘いただきました。
確かに、英和辞典ではそういう説明を見ることができますし、集合Aの濃度を
card(A) と表す文献もあったと思います。
cardinal, cardinality で覚えておいてください。
(メジャーリーグのセントルイス・カージナルスの「カージナル」と同じ単語ですが、こちらは鳥の名前が由来のようです)

あと、開区間 A=(0,1) と閉区間 B=[0,1] の全単射 h:A → Bの例としては、例えば以下のようなものが考えられます。

x=1/2 のとき h(x)=0, x=1/3 のとき (x)=0, x=1/n (n ≧4)のとき h(x) = 1/(n-2), その他の場合 h(x) = x

なお、小学1年の算数の数の教え方についてのネタもとはこちらの本です。
自分が「数学につまずいている」と感じた人は大至急読むとよいでしょう!?

2010年10月15日金曜日

(受領確認)第2回レポート

第2回の課題レポートを提出されたIDを確認のため掲示します。

適宜、この記事は更新していきますので、提出したはずなのに自分のIDが
無いという人は、早めに中川に連絡ください。

10/15 22:00 時点の提出者:

IM10F001, IM10F003, IM10F004, IM10F005, IM10F006, IM10F010,
IM10F011, IM10F012, IM10F013, IM10F014, IM10F016, IM10F019,
IM10F021, IM10F022, IM10F023, IM10F025, IM10F026, IM10F029,
IM10F030, IM10F031, IM10F032, IM10F033, IM10F034, IM10F035,
IM10F037, IM10F039, IM09F008

予習用資料の追加

イントラネットに、第4回~第7回分の予習用資料をファイルでアップしておきました(これらのファイルが不要の方もいますが)。

あと、第2回・第3回の予習用資料の問題略解もアップしておきました。

2010年10月11日月曜日

第1回レポート解答例のおまけ問題について

第1回レポート解答例のおまけ問題についてですが、正解者が現れました。

組合せ数が非常に多いので、手計算では解答は不可能なはずです。したがって、何らかのプログラムを実行
して、組合せを絞り込む必要があります。

誰か解答するとしても、もう少し先の話だと思っていましたが・・・あっぱれです。

2010年10月10日日曜日

10/15(金)「金融数理の基礎」第3回:集合論(集合、写像、集合族、濃度)

第3回目は、前回の「集合・写像」に続いて、集合論における基本的な話題を確認していきます。

イントラネットのこちらにある「集合・写像」に関する基礎的内容の予習用資料では、1-4,1-7,1-8,1-9 について触れます。最低限この4つの項目には目を通してきてください。

* 集合族
* 可算集合族の共通部分、和集合の演算
* 集合の濃度
* 可算無限集合、非可算無限集合
* 濃度の大小、濃度の演算

という流れで進めたいと思います。

また、前回の課題レポートを提出する人は、授業前後に私が教室に持参するトレイに提出するか、授業開始前までに共同研究室の指定トレイに提出してください。
(授業日前日までに出していただけると、レポート確認作業を分散化できて助かります)

2010年10月9日土曜日

第1回レポートの講評

第1回目の課題レポートをチェックしての講評です。

問3に関しては、皆さんポイントを押さえて答えられていました。表を使って分かりやすく説明していたレポートも多かったです。採点でも「Very Good!」としかコメントしなかった人が多かったですが、特に問題ないと判断したものについては、私は必要以上のコメントはしません。
若干、説明文章をもう少し整理した方が良いと感じられた人や、文章化すべき肝心なロジックをあいまいにしている人については、少し注意をしておきました。

問4に関して「1と4」という答えを出していた人は少なくなかったのですが、「Very Good!」に相当した解答は10名程度でした。本質はついているけど、説明が分かりにくかったり、発見的すぎたりしている人が数名、答えは結果として正しいものを含んでいるけれど問題の要求と照らして、推論の仕方として不完全な人が10名程度でした。

「1と4 または 8と9」という2つを答えとした人が、けっこう目立ちました。

「8と9」が答えとして妥当かを少し考えてみましょう。
*****
積は72、和は17になります。
A君は最初の時点で、(8,9) か (6,12) のどちらなのかを断定できないので、
「分からない」と答えることになります。

B君も (8,9), (7,10), (6,11), (5,12), (4,13) の可能性がありますが、(8,9) と (5,12) 以外は、積だけで断定できるので、A君が分からないということは、 (8,9) と (5,12) のどちらかということまでは分かるが、どちらかは断定できないことになります。

A君は (8,9) なら和は17、 (6,12)なら和は18 であることは分かってます。しかし、和が18のとき、 (9,9), (8,10), (7,11), (6,12), (5,13) の可能性のうち、自分が積だけで判断できないのは (6,12)だけであり、和が18であればA君が分からないと答えたらB君には直ちに(6,12)だと分かるはず。B君は分からないと答えたので、和が18の可能性は除外できます。すると積72を達成できるのは(8,9) の方と断定できるので、A君は分かったと答えることになります。

B君はA君が教えられていた積が72であると仮定すれば同じ推論で (8,9) に気づくはずです。
一方で、 (5,12)が正しく積が60であると仮定した場合はどうか?このときは、A君が(5,12) か (6,10)で迷うことになるはずだが、これまでのやりとりだけでは、B君は「A君が(6,10)の可能性を合理的に除外できない」ことに気づく(この部分の詳細説明は割愛します)ことになるので、A君が分かったと答えられたことで、積60すなわち (5,12)の可能性を除外でき、B君は結局(8,9)だと分かった。
*****

どこかおかしな点はあるでしょうか?
「分からない」→「分からない」→「分かった」→「分かった」の
応酬からの推論としてはおかしくないと思います。

ポイントは、(8,9)を導く過程に
「A君が『分からない』と言ったことにうなずける」という内容が、一切使われていないところです。
実は、この発言の一つの役割は、(8,9)の可能性を除外して、答えを(1,4)に特定するための条件と考えられます。
B君の1つ目の発言の後半を単なる冗長部分ととらえてしまうと(8,9)も正解とできますが、そうなると合理的なB君がなぜ無意味な発言をしたのかという話になります。
また、解答例に書きましたが、実際にはB君の1つ目の発言は後半こそが本質であり、「分からない」の方がredundantな部分になっています。

よって発言全体の情報を勘案すると、(1,4)に限定できます。

一方で「A君が『分からない』と言ったことにうなずける」は、解答例のような意味以外の解釈も可能であるという趣旨のコメントをしていた方がいました。
 実はそこも今回の問いの隠れたポイントです。あえて実際の出題時とは違う表現にしています。あまりストレートに表現すると、分かりやすくなると思って、ギリギリこちらの思惑に誘導できる表現を狙ってみました。ただし、ギリギリを狙っていますので、上記の発言内容をこちらの意図とは違うニュアンスでとらえてしまった方がいても不思議ではありません。
 ただし、どのように解釈したかについて分かりやすく表現できた人はほとんど、出題意図にそった解釈をした人です。違うニュアンスでとらえていると読めた人で、どのようにとらえたかを適切に表現できていた人はごくわずかでした。






2010年10月8日金曜日

(受領確認)第1回レポート

第1回の課題レポートを提出されたIDを確認のため掲示します。

適宜、この記事は更新していきますので、提出したはずなのに自分のIDが
無いという人は、早めに中川に連絡ください。

10/8 21:50 時点の提出者:

IM07F009, IM09F008, IM09F010, IM09F023, IM10F001, IM10F003,
IM10F004, IM10F005, IM10F006, IM10F010, IM10F011, IM10F012,
IM10F013, IM10F014, IM10F016, IM10F017, IM10F018, IM10F019,
IM10F021, IM10F022, IM10F023, IM10F025, IM10F026, IM10F029,
IM10F030, IM10F031, IM10F032, IM10F033, IM10F035, IM10F037,
IM10F038, IM10F039, IM10F040,

「金融数理の基礎」第2回フォロー

※授業のスピードについてのアンケートのガジェットを追加しましたので、投票してください(14日(木)の23:59まで投票可能)

今回の配付資料、前回問題の解答例をイントラネットにアップしておきました。

あと、ギリシャ文字、ドイツ文字、アレフ等の文字についてのオマケ資料を次回分のところにアップしておきました。

授業の最後に質問がありましたので補足しておきます。

内包的な集合表記で、{x | P(x), Q(x), R(x)} のように書いた場合は、{x | P(x) かつ Q(x) かつ R(x)} の意味です。「かつ」は面倒になってくると「,」に変わるので今後も注意してください。

あと真偽表について知らなかったという質問がありました。
他力本願ですみませんが、例えばこちらとかこちらなどを見てみてください。

2010年10月4日月曜日

10/8(金)「金融数理の基礎」第2回:数学独特の記号、表現、論理、集合論(集合、写像)

 第2回目は、「集合・写像」について、記号の使い方、言葉の定義、基本的性質について確認していきます。
 繰り返しになりますが、イントラネットのこちらに「集合・写像」に関する基礎的内容の予習用資料に目を通してきてください。次回の授業では、1-1,1-2,1-3,1-6 について触れますので、最低限この4つの項目はきちんと読んで、できれば問題も解いてみてください。

ただし、板書の方は上記資料とは別に行います。予習用資料に書き込もうとせずに、板書用のノートを用意してきてください。

* 授業前半を通じての問題意識について
* 集合に関係する用語、記号
* 集合の基本的演算
* 写像に関係する用語、記号
* 写像と集合についての基本的関係

という流れで進めたいと思います。
(準教科書「測度と積分」でいえば1ページから4ページあたりの内容になります)

また、前回の課題レポートを提出する人は、授業前後に私が教室に持参するトレイに提出するか、授業開始前までに共同研究室の指定トレイに提出してください。

2010年10月1日金曜日

「金融数理の基礎」第1回フォロー

今回の配付資料はイントラネットにアップしておきました。
次回に向けて予習しておいてほしい資料のファイルもおいてあります。

宿題レポートの課題は配付資料の問3(答えだけは明らかにしました)と問4です。
次回の授業の前後に教室で回収します。また、早めに提出できる人は共同研究室のレポート提出トレイに提出してください。
(学籍番号と氏名を忘れないこと)

問3のヒント(?)はこちら

また、TeXを使ってみようのページはこちらです。


★授業中に紹介したテキストなど

今岡光範他『これだけは知っておきたい教員のための数学I 代数・幾何」培風館(2007)
※「解析・統計・コンピュータ編」もある。2冊読み通せば相当勉強になります。

S.E.シュリーヴ(長山いづみ他訳)『ファイナンスのための確率解析 II-連続時間モデル』シュプリンガー・ジャパン(2008)
※この本の1章2章に相当することをやろうとするわけで、これを教科書にすることも考えたが、この本の神髄である連続時間モデルに触れる予定はないため、そりゃないだろうということで教科書採用を見送り。でも1章2章には是非目を通して欲しいです。

あと、授業では紹介を割愛しましたが「金融工学」と「数理ファイナンス」の違いについての HQ vol.26 の中川エッセイへのダイレクトリンクはこちら

その他、すでに過去のブログ記事で紹介したものも再掲する。

  1. M.ツァピンスキ, E.コップ(二宮 祥一, 原 啓介翻訳), 『測度と積分-入門から確率論へ』, 培風館(2008) ※準教科書。原著は、Marek Capinski, Peter E. Kopp, Measure, Integral and Probability. 2nd ed. [Paperback], Springer(2004)
  2. 関根 順, 『数理ファイナンス』, 培風館(2007) ※準教科書
  3. 新井 紀子, 『数学は言葉』, 東京図書(2009) ※参考書
  4. 上野 健爾 , 『測る』, 東京図書(2009) ※参考書
  5. Sean Dineen, Probability Theory in Finance: A Mathematical Guide to the Black-Scholes Formula, American Mathematical Society (2005)

2010年9月25日土曜日

「金融数理の基礎」の準教科書の正誤表

準教科書として挙げている
M.ツァピンスキ, E.コップ(二宮 祥一, 原 啓介翻訳), 『測度と積分-入門から確率論へ』, 培風館(2008)
の正誤表が、以下のURLにあります。

2010年9月22日水曜日

10/1(金)「金融数理の基礎」第1回:Guidance & Introduction

第1回目は、講義内容についてのガイダンスとオリエンテーションが主な内容です。
ただし、現在の高校数学Aで履修することになっている「論理と集合」についての知識確認をexercise込みで行いたいと思います。

* 授業の到達目標の説明
* 準教科書・参考書について
* 授業の進め方、予復習のポイントの説明
* 高校数学A「論理と集合」に関する知識確認

という流れで進めたいと思います。

また、イントラネットのこちらに「集合・写像」に関する基礎的内容の予習用資料をアップしておきました。
(この講義の第1回目のところにもアップしてありますが、履修登録しないと閲覧できないようなので、
一般のDocument/Others カテゴリに今月いっぱい掲載しておこうと思います)

講義でもこの資料について部分的に触れます。受講予定者は事前に目を通しておいてください。

授業スケジュールも、講義要綱およびこちらの記事に掲載したものと若干異なってきます。
ただし、最終的な到達目的および大きな流れに変更はありません。
集合論、測度論、積分論を経て確率論を導入し、その応用として数理ファイナンスの基礎理論であるデリバティブ価格評価法を理解することを目指します。

あと、準教科書として挙げている
 M.ツァピンスキ, E.コップ(二宮 祥一, 原 啓介翻訳), 『測度と積分-入門から確率論へ』, 培風館(2008)
は、入手困難な状況のようですね…

原著はこちらになります。
Marek Capinski, Peter E. Kopp, Measure, Integral and Probability. 2nd ed. [Paperback], Springer(2004)

原著は比較的入手が容易なようですね。


なお、今年度のこの授業は多分に実験的な要素を含んでいます。その点ご留意ください。

2010年9月16日木曜日

「ファイナンシャル・リスク・マネジメント」2010年度春学期の総括

学生の皆さんの授業評価コメントをまとめたものが共同研究室から送られてきました。
今年度も、おおむね好意的に評価していただきました。

以下、皆さんのコメント(お褒めの内容については割愛させていただきます)および、それに対する回答です。
また、コメントは原文そのままではなく、要点が分かるように私が適当に編集したものも含まれています。

-----------------------------------------------------------------------------
「レジュメの内容が少し高度で理解しにくいものもあった。」

(回答)理解しにくい部分の原因の多くは、私自身の資料作成能力および説明能力がまだまだであるということにつきると思います。そこは反省し少しずつでも改善に努めたいと思います。
 内容として高度な部分ももちろんありますが、レジュメの内容を全て理解することを要求するつもりはありません。テーマによっては、もっと深く勉強したくなる人もいると思うので、そういう人向けにガイダンスの用をなせばよいと思い、授業では特に触れなくても幾分アドバンスな内容も資料に盛り込みました。

「期待との差異は、先生の現在取り組んでいる研究内容があまり多くなかったこと。」


(回答)それなりに紹介したつもりでしたが、あまり印象がなかったでしょうか?

「前半のあまり難しくない部分に時間を割き過ぎていた感はある。逆に後半の難しい部分が少し駆け足だった気がする。」
「受講者のレベル差があったとは思うが、もう少し数式の説明があった方が理解し易かった。」
「内容は期待通りであったが、もう少し細かくっこんでも良かった。自分で証明等できないと「理解した」とは思えないので不安になる。」
「もう少し数学的要素が多い事を期待していた。全ての展開を追えなかったので、詳細までの理解はできなかった。やや表面的な部分での理解はできたと思う。」
「期待通りの内容だった。(もう少し数式の展開があると思っていたが。)」
「金融数理の基礎のようにホワイトボードを使用する形式の方が良かった。」

(回 答)いずれも信用リスクでの数理モデルについて、もう少しきちんと数学的に説明してほしいという要望だと理解しました。毎年そういう要望は多いです。
ただし、ブラウン運動とかフィルトレーションの概念を知らない人は、証明を詳しく解説したところで、おそらく全くその議論にはついていけなくなります。

 そこで私なりの折衷案として、ブラウン運動についても時点を決めれば正規分布に従う確率変数と見なせるというところに説明をとどめたり、、それぞれの記号や数式がどうして必要になるのかという「数式表現の心?」を汲んでもらうことを優先しました。

 物足りなさを感じた人もいる一方で、数式説明に十分お腹いっぱいだった人もいたようです。どこに力点を置くかは難しいですね。参加者の顔ぶれを見ながら微妙な舵取りには心がけてはいますが。
 それでもMBAの信用リスク講義としては国内最高レベルの内容を扱っていると自負してます(本当かな?)

 なお、博士向けの講義「金融市場の計量分析」では、たぶんそこまでやらなくてもいいというくらい数学的な説明をしました。

「信用リスクの部分が少なかったと思う」
「市場リスクと信用リスクの両方を十数回でやるのは、先生にとっても大変と思う。ぜひ従前のように2つを分離して欲しい。」
「もう少し信用リスクの部分に時間を割いて欲しかった。」

(回答)「市場リスク」と「信用リスク」のバランスについての言及、あるいは「市場リスク」と「信用リスク」を別の授業でという要望は毎年あります。昨年度の回答コメントと同様になりますが、カリキュラム体系の見直しの中でファカルティで議論したいと思います。
 個人的には、「市場リスク」「信用リスク」という区別よりも「リスクを数値化すること」「数値化したリスクをもとに適切なリスク管理をすること」自体をどのように考えるかが、今後はますます重要になっていくと考えます。そういうことは「ファイナンシャル・リスク・マネージメント」のようなコンセプトの授業でないと消化しきれないという思いもあります。来年度以降も少しずつ、ナイーブな「市場」「信用」という切り分けだけでなく、統合的な視点ということも盛り込んでいきたいと思います。

「宿題が定期的に出されたおかげで、理解度が深まった。1度だけHWの提出のされ方が分かりにくい事があった。(確かイントラにupされた第7回???)」
「授業中に配布されたレポートの評価がほとんどない為、やる気のない人が多かった。」
「レポート・課題も多く負担が重いと感じる学生もいたのでは、と思う。」

(回答)宿題としてのレポートの扱いについてのコメントですね。提示の仕方が毎回統一されていなかったという点では、ご指摘の通りです。反省します。
 ただ、私の場合、事前に課題を用意していても授業で消化するかレポート(宿題扱い or 任意扱い)にするかの判断を授業の流れの中で判断しますし、そのこと自体は意味があることだと思っています。また、授業の中で、こういうことを受講している皆さんに考えてもらうといいのでは?と思いついてアドリブで課題にしてしまうこともあります。ということで、適切に課題指示ができない可能性は今後も残ってしまいますが…改善に努めます。

また、これは専門科目なので、ほどほどの難易度の課題を宿題レポート扱いにして、全員が提出するように促して、それを成績評価に明示的に組み込むということに私自身はそれほど意義を感じていません。
それよりは少し発展的・応用的な課題を提示して、成績にプラスされるかもしれないからという理由ではなく、知的好奇心がモチベーションとなって「意欲ある人」に取り組んでもらうことがよいと考えています。


「成績評価でレポートの配点が高いのが他の講義の評価方法と比較して高く感じた。」
「レポートは2つあったが、できれば提出日を前半と後半に分けてもらいたい。社会人なので時間に余裕がなくどうしてもすべてが後回しになってしまい、結局あまり良い結果に繋がらないと感じた。」

成績評価のためのレポートについてのコメントですね。
レポート評価のウェイトを高くしているのは、この科目は単に知識が豊富というだけでなく、実際にデータを扱って「リスク計測とかリスク管理って結局何?」ということを少しでも自問自答してもらうことが大事だと私が考えているためです。


レポート提出日についても意図的に一緒にしています。課題自体は比較的早い段階で提示しているわけなので、作業をどう進めていくかということも含めて皆さんに考えてほしいと思います。また「社会人だから時間について配慮する」ということはICSではあえて明言しないカルチャーですしね。


「他にオペレーショナルリスク等もやって欲しい。」

(回答)1回分使ってオペリスクを取り上げるべきかという点で悩みます。現場での当事者の方はあいかわらず大変でしょうが、最近は学術的にオペリスクについて、あまり議論が盛り上がっていない感がします…取り上げ方は考えます。

2010年9月3日金曜日

研究覚え書き

早くも9月になった。研究プロジェクトの進捗覚え書き。
確率の哲学的側面についても勉強しようとしつつも中途半端な状態…
自分としてもいろいろ考えているが、何かしら具体的な目標を立てないとな。

  * Project-AM:とりあえず先方の分析読解待ち
  * Project-O:再投稿の結果待ち
  * Project-Ya:進捗報告を受ける。共著者が9月の学会で報告予定。投稿論文のreviewにはもうしばらく時間がかかりそうだ
  * Project-Yu:8月中旬から一気に進行。共著者が来日してくれて 9/2,9/3と研究打ち合わせ。いちおう投稿への道筋がついた。あとは、新しいプロジェクトについての話もした。今度のキーワードは longevity risk ということになりそう。11月の研究集会でこの話を自分としては初めてする予定

2010年8月16日月曜日

高校同窓生の本




先日、高校の同学年が集まっての同窓会があり、参加してきました。
同期の何人かは大学教員をしていることが分かったのですが、そのうちの一人、北見幸一さん(北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院の准教授)が

企業社会関係資本と市場評価—不祥事企業分析アプローチ



という本を書かれていることを知りました。こちらでも紹介されています。

経営財務系の学生さんの中には、この本が修論作成のうえで少なからず参考になるという人もいるかもしれませんので、お薦めしておきます。

私もリスクマネジメントの観点から参考になりそうですので、発注します。

「金融数理の基礎」のテキストに関して

講義要綱およびこちらのブログ記事でも触れていますが、授業の準教科書的位置づけのテキストとして、

 M.ツァピンスキ, E.コップ(二宮 祥一, 原 啓介翻訳), 『測度と積分-入門から確率論へ』, 培風館(2008)

を挙げておきます。
テキストとして挙げた大きな理由は、練習問題が充実しているという点と、数理ファイナンスの基礎概念を理解するのに最低限必要な数学的知識がまとめられていると(主観的ではあるが)思われる点です。

とはいえ、このテキストの内容を理解し、練習問題が解けないと単位はあげません、というのも基礎科目としては酷な話だということは理解しています。
そこで、宿題や中間試験・期末試験の題材としては、上記テキスト以外に

Sean Dineen, Probability Theory in Finance: A Mathematical Guide to the Black-Scholes Formula, American Mathematical Society (2005)

にある、少し易しめの例や練習問題を利用していくつもりです。

9/10(金)「金融数理の基礎」プレ講義

今年度の秋学期の金曜2限には、基礎科目「金融数理の基礎」が予定されています。
講義要綱にも明示していますが、2008,2009年度とは内容を大幅に変更して行う予定です。

授業本編については、またブログや共同研究室からのメールで連絡してもらう予定ですが、私自身もどのような形で授業をすればよいのか思案中です。

そこで、授業を受けようかなと考えている学生の皆さんに、私はこんな感じの授業をしていきたいと思っているということを伝えると同時に、自分自身の授業スタイルをまとめることを意図して、「金融数理の基礎」のプレ講義をしたいと思っています。

他の大学院授業やイベントと今のところ重なっていないということで、

 日時:9/10(金)の19:00~21:00(くらい)
 場所:第3講義室

で行う予定です。

参加を希望する人は、9/3(金)までに、中川に直接「プレ講義参加希望」というsubjectメールを送ってください。
(ドタキャンや当日飛び入りも可能です。ただ事前に参加希望人数を把握して、会場の調整を行う必要があるかどうかを見極めたいので)

特に配付資料は用意する予定はありません。
ただし、参加者の皆さんにはいろいろと作業(計算や和文数訳のような)をしてもらう予定ですので、筆記用具と数枚のレポート用紙を持参してください。

なお、プレ講義で扱う内容は本編の授業とは直接関係ありません。
プレ講義に参加しなくても、授業本編の履修はもちろん可能です。
プレ講義に参加して、授業本編は履修しなくてももちろんかまいません。

また、大学で数学をきちんと勉強した人には退屈な内容かもしれません。ただ、そういう方にはチューター的な役回りで、他の方のサポートしてもらえるとありがたいです。

2010年8月11日水曜日

平成23年度金融戦略・経営財務コース(MBA)入試説明会

詳細はこちらから。

開催概要
日時: 2010年9月8日(水)
【開場(受付開始)】 18:00~
【開演(説明会開始)】 18:30~ (20:15終了予定)
会場: 学術総合センター2階 一橋記念講堂
東京都千代田区一ツ橋2-1-2
内容: 1.金融戦略・経営財務コースの概略
2.講義内容・教員紹介
3.入試情報
4.在校生の声
5.卒業生の声
6.質疑応答
※閉会後:教員、在校生、卒業生との懇談会
(参加者が教員等と直接対話をする機会を設けます。)
参加費: 100円(資料代として)
※当日受付にてお支払いください。
お申込み方法: (1)お名前、(2)ご所属、(3)ご住所(※参加票送り先住所)、及び、件名に「平成23年度入試説明会参加希望」とご記入の上、 下記メールアドレスまでご送信ください。
【申込み先】 ics-fs-opencampus2010@ics.hit-u.ac.jp
【申込期限】 2010年9月5日(日)
会場へのアクセス: 竹橋駅(東京メトロ東西線)、神保町駅(東京メトロ半蔵門線・都営三田線・都営新宿線)各駅から徒歩4分。詳細は下記「交通案内」をご覧ください。
http://www.ics.hit-u.ac.jp/jp/fs/direction.html

※ご注意
1. このメールアドレス(ics-fs-opencampus2010@ics.hit-u.ac.jp)は申込受付専用の為、質問等をご記入されましても回答できかねますのでご了承ください。入学試験等に関するご質問につきましては、ホームページに記載されております所定のお問合せ先へご連絡くださいますよう、お願い申し上げます。
2. お申込みは先着順で受け付け致します。受付完了後、確認メールを随時配信いたします。配信には、数日を要する場合がございますので、予めご了承ください。
3. お申込みが定員(500名)に達した場合は、やむなくお断りの連絡をさせていただく場合がございます。
4. 入試説明会開催の1週間程前に「参加票」をご送付させていただきます。送付先のご住所を必ずご記入ください。また、勤務先等への送付をご希望される場合は、企業名、部署名等も忘れずにご明記くださいますようお願いいたします。

2010年8月5日木曜日

ワインと音楽の夕べ(番外編)

8/2の「ワインと音楽の夕べ」に関して、演奏者の中野さんのブログにも当日の詳細がアップされています。私の携帯カメラでは撮影できなかった演奏中の写真もアップされています。

こちらをご覧ください。

2010年8月4日水曜日

ファイナンシャル・リスク・マネジメントの成績通知

今年度は、課題レポートを提出した方を対象に成績通知を出します。
共同研究室からメールでアナウンスがあると思いますので、確認してください。

成績通知には、最終成績(100点満点)の他に、期末試験変換後得点、レポート2つの評価点および加点・減点のポイント、平常点を明示しています。平常点は、宿題レポートの提出状況や出来具合を考慮して最大3点で評価しました。

成績評価について質問や異議のある人は、8月12日(木)までに、申し出てください。

フィナンシャル・リスク・マネジメント・レポート課題2の講評

フィナンシャル・リスク・マネジメント・レポート課題2の講評です。

最終的に14名の提出がありました。
20点満点部分の平均点は14.00点(論理性:6.79点、構成力:6.29点)です。
※最終的な見直しの際に少し変わるかもしれません。採点は論理性、構成力ともに「可もなく不可もなく」と判断した場合に7点を与えるように採点しています。それを基準に加点・減点を行います。

まず、検証用データの正常/デフォルトの正解は以下の通りです。Nは正常、Dはデフォルトです。年月は元データの最新の決算期)です。
X1:佐藤工業(D, 2001/3)
X2:YKK(N, 2002/3)
X3:ハザマ(N, 2002/3)
X4:寿屋(D, 2001/2)
X5:大正製薬(N, 2002/3)
X6:日本板硝子(N, 2002/3)
X7:東食(D, 1996/10)
X8:大倉商事(D, 1998/3)
X9:フジクラ(N, 2002/3)

選択した指標はそれぞれ違っていましたが、X1,X4,X7,X8 のデフォルトを判別できていた人は多かったです。完全正解の人もいました(ただし、最終的に決定したモデルではなく、次善のモデルでの結論としてでしたが)が、X3をデフォルトと判別していた人が多かったです。決算時期と社名から、ある程度納得できる方も多いかもしれません。

論理性と構成力以外の、プラスαの加点としては、アウトオブサンプルの判定結果が良かった(4つのデフォルトを全てとらえ、かつ微妙なX3だけ誤判別した)人(8名)以外に、私のツールに頼らずに分析していた人、私から見て独創性のある指標定義や補正を提案していた人に加点しました。

以下、全体的なコメントです。
  • 「指標をどのように絞り込んでいったか」という指標決定プロセス、および選択された指標の意味的なバランス、得られた線形判別式の係数の符号の妥当性吟味、を主にチェックしました。指標決定プロセスについては、それなりに皆さんしっかり説明がありましたが、読む側としては少し冗長と感じられる説明も多かったです。読む側としては各ステップで細かい説明がたくさん入るよりは、先に大きな方針・流れを示してもらう方が理解しやすいです。その意味で図表の使い方についても工夫を求めたいものが少なからずありました。この辺は採点者の主観というところもありますが、同じような図表を本文中にたくさん並べられてもうれしくありません。
  • ということで、上記の点について説明不足だったり議論が説得力不足だったりしているものは論理性という点で、わかりにくさの度合いが大きいと判断したものについては構成力という点で、適宜減点しています。特に、係数の符号の妥当性についての議論で減点しているケースが多いです。
  • 加点要素の一つは、インサンプルデータで誤判別した企業名を具体的に表示したうえで、結果の考察やモデルの妥当性に言及している点です。今回は企業名入りのデータを使いましたので、これは非常に重要で意味のあることです。論理性で1~2点の加点をしています。
  • あとCAP曲線やAR値の議論をしている人に論理性で加点しています。
  • また、参考文献を提示している人については、構成力という点で加点しています。
  • さらに、考察やまとめコメントがユニークと判断したものについては、構成力の点で加点しています。

フィナンシャル・リスク・マネジメント・レポート課題1の講評

フィナンシャル・リスク・マネジメント・レポート課題1の講評です。

最終的に14名の提出がありました。
20点満点部分の平均点は12.29点(論理性:6.29点、構成力:5.79点)です。
※最終的な見直しの際に少し変わるかもしれません。

採点は論理性、構成力ともに「可もなく不可もなく」と判断した場合に7点を与えるように採点しています。それを基準に加点・減点を行います。

論理性と構成力以外の、プラスαの加点としては、ポートフォリオ・ラリーで好成績(ただし、今回はトップ3がギリギリ評価できるかな、という感じですので全体のトップ3該当者だけ1点加点しています)だった人の他は、ボラティリティ推定手法やバックテストについての検討で興味深い考察をしているといった場合に与えました。

以下、全体的なコメントです。
  • このレポート課題の主眼はあくまでも「95%VaRと95%ESをどのように事前に設定することが妥当であるかを検討し、それを事後的にどのように振り返ったか」という点です。したがって、そうした情報が不足しているという場合は論理性の点で、こちらが知りたい情報は書いてあるのだけれども、適切にまとめられておらず読み取りにくいと判断した場合は構成力という点で、適宜減点しています。
  • その意味で、ポートフォリオの構築法やパフォーマンスだけの振り返りについては、基本的に採点にはあまり影響していません。ポートフォリオ構築法はVaRやESの設定方法を検討するうえでの必要な情報として記述してもらったというのが本当のところです。例としては、ポートフォリオ構築のときにはリターンが正規分布に従うことを暗黙の前提として平均-分散アプローチをとっていながら、リスク評価のときにはリターンに正規性があるとは言えないと主張する、というような一見不整合なことをどのように考えるかを見たいということです。
  • レポートを見渡すと、ポートフォリオ構築やパフォーマンス振り返りの方にウェイトが置かれているものが少なからずありました。本当に論じて欲しいリスク尺度についての記述と比較してバランスが悪いと判断したものは構成力の点で減点しています。
  • バックテストについての議論が不十分あるいは誤っていると判断したものについては論理性の点で減点しています。また、授業ではVaRのバックテストについてしか触れていませんが、完全ではないまでもESのバックテストについて言及しているものについては論理性で加点しています。
  • 「リスク管理という観点」で考察やまとめコメントがユニークと判断したものについては、構成力の点で加点しています。
  • 誤字脱字はだいたい許容しました。ただ例年以上に「シャープ・レシオ」の「シャープ」の英語表記が誤っている人が多かったという印象です。「目の付け所が…」のシャープor「鋭い」のシャープになっている人がいました。単なるタイポと信じたいです。今後気をつけてください。

2010年8月3日火曜日

ワインと音楽の夕べ2010

8月2日(月)に、ICS-FS恒例の「ワインと音楽の夕べ」が開催されました。
当初は参加者が少ないのでは、と心配していましたが、多数の皆さんにお集まりいただきました。

中野さんと渡邉さんと古澤さんの活動についてはこちらをご覧ください。

今回演奏していただいた曲目をまとめておきます(たぶんあっていると思いますが)。

ほとんどバイオリンとチェロのデュオ用のオリジナル・アレンジのはずなので、同じテイストのものはなかなか他では聞けないはずです。

第1部:ダンス音楽をテーマに
コレルリ「ラ・フォリア」
ピアソラ「タンゴの歴史」

ファリャ「スパニッシュダンス」

第2部:フィギュアスケートで使われていた曲

ショパン「ノクターン」
ハチャトリアン「仮面舞踏会」
ビゼー「カルメン(ハバネラ)」
プロコフィエフ「ロメオとジュリエット(モンタギ
ュー家とキャピュレット家)」
プッチーニ「トゥーランドット(誰も寝てはならぬ)」
サン・サーンス「『サムソンとデリラ』より」


アンコール
ニーノ・ロータ「映画『道』より」

おまけとして、20年ぶりに再会した高校の同級生2ショット…

ファイナンシャル・リスク・マネジメントの期末試験得点の変換について

ファイナンシャル・リスク・マネジメントの期末試験得点(100点満点)は、最終成績では60点満点として扱うことを明示していましたが、変換方式については言及していませんでした。

試験結果およびレポートの初回チェックをふまえて、
「『期末試験が30点の人は変換後に24点となり、期末試験が100点の人は変換後に60点となる』ような線形変換の後に、小数点以下切り上げ」
という変換式にします。

※昨年は一人だけ大きく平均を下回るような人がいたという分布だったのですが、今年は平均あたりが分布の谷となり、二極化していますので、得点が平均以下の人に必要以上に下駄を履かせることは得点が平均以上の人の頑張りから見て公平ではないと判断しました。(とはいえ、だいぶ下駄をはかせることになりますが)

この様な変換によって、60点満点での平均は43.69点になります。要するに試験の平均得点が7割くらいになるように補正したということになります。