なお、解答例の問2の(2)は答えは正しいですが、同じ区間が出てくるところがあります。
(コピペ部分を直し忘れていました。すみません。修正版をアップしました)
2ページ目の下から5行目と3行目の式において、
3項目の[1/2,3/4) は [3/4,7/8) が正しく、
5項目の[7/8,15/16) は [15/16,31/32) が正しいです。
問1のポイントは、与えられた関数φが[0,2π]上で負の値(-1)もとるために、有限個の値しかとらないにもかかわらず、この授業で定義した「単関数」にはならないことに注意することです。
よって、うるさいことを言うと積分は φ = φ^+ - φ^- という風に正部分と負部分(といっても実際には非負値をとるように定義します)に分けて、φ^+, φ^- それぞれを「単関数」と見なして積分するということです。
(なお、こちらに正誤表がありますが、テキストの76ページは∫φdm =∫ φ^+dm -∫ φ^-dm が正しく、
∫φdm =∫ φ^+dm +∫ φ^-dm は誤りです)
三角関数部分の処理はできている人が多かったですが、積分の計算についてはきちんと出来ている人は半分くらいでした。また、|φ| の積分と勘違いしている人もいました。
また、積分の線形性に注目した解法をとっていた人がいました。
それも悪くはないのですが、φの可積分性を先に認めたうえで議論することになるので、この段階での解の方針としては少し注意しないといけません。
問2については (2) は比較的正解者が多かったです。(3)はΣが残ったままの人も多かったですが、解答例のようにうまくΣを処理して正解できた人も私の予想よりは多かったです。
一方、(1)についてはきちんと過不足なく説明できていると思える人はあまり多くありませんでした。
特に、レポートの記述から判断するとf_n(x) の意味を勘違い(x ∈ A_k のときには、f_n(x) = (n-k+1)/n であるが、f_n(x) = Σ(n-k+1)/n のように k までの和をとったもの?だと思っているフシのあるもの)しているような人や、「有限個の非負値をとる」というところが押さえられていないように読み取れる人が多かったです。
((2)以降では適切にとらえられていたので、本質的な勘違いはなさそうですが…)
問3までチャレンジしていた人は半数くらいでした。
実は、準テキストにも載っている、広義積分は存在するが、Lebesgue可積分でない関数の例(88ページの例4.35)を少し表現を変えて出題しています。
(1)定義にしたがって可測性を示そうとしていた人が多く、解答例もその方針で書いてあります。
ただ、その方針で完全に答えられている人はほとんどいませんでした。
また、(可測であることがすぐに分かる)定義関数の定数倍や高々可算個の線形結合になっているので可測という説明の人もいました。
(2) は正解できていた人も数名いました。
これも f = f^+ - f^- と分けて考える方針で、そこまでは思い至った人でもいたのですが、その後の議論が不十分な人が目立ちました。 f^+, f^- は f の定義式からすぐに分かると思ったのですが、 f^+, f^- を見つけあぐねている感じの解答がありました。
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