2010年2月20日土曜日

研究集会「桜の季節に計量ファイナンス2010」

私も一応研究分担者になっているプロジェクトの研究集会の案内です

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研究集会「桜の季節に計量ファイナンス2010」
日時:2010年3月29日(月)~31日(水)
場所:東京大学経済学部小島ホール2F
オーガナイザー:川崎能典・国友直人

開催趣旨と参加要領:

この研究集会は科学研究費プロジェクト「ファイナンス計量分析の新展開と日本の金融市場」(代表:国友直人)に基づき開催するもので、日本統計学会「計量経済・計量ファイナンス分科会」および統計数理研究所リスク解析戦略研究センター(金融・保険リスク研究グループ)との共催事業です。

プロジェクト研究分担者・講演者以外の参加も歓迎致しますが、準備の都合上、参加を希望される場合には事前にオーガナイザーにメール( kuni2@e.u-tokyo.ac.jp ) でご連絡くださいますようお願い申し上げます。特に3月30日夕刻に開催を予定しております懇親会への参加お申し込みは、3月23日(火)12時を締切とさせていただきます。

1日目:2010年3月29日(月曜) 連続講義
講師:西山陽一(統計数理研究所)
時間:10:30-12:00, 13:30-15:00
テーマ:点過程による統計分析の基礎


2日目:2010年3月30日(火曜) コンファレンス
<統計的リスク管理>
10:30-11:10 塚原英敦
「歪みリスク尺度の応用」
11:20-12:00 加藤賢悟
「Weighted Nadaraya-Watson estimation of conditional expected shortfall」
<信用リスクの計量>
13:20-14:00 吉規寿郎・中川秀敏
「t分布2ファクターモデルを用いた中小企業CLOのデフォルト依存関係の分析」
14:10-14:50 三崎広海(院)
「粒子フィルタリングと社債・信用リスク分析」
15:00-15:40 山中卓(院)・杉原正顯・中川秀敏
「Self-exciting性をもつイベント発生強度モデルによる社債ポートフォリオのリスク解析」
<マイクロ市場の計量-I>
15:50-16:30 太田亘
「株式市場における終値形成について」
16:40-17:20 林高樹
「高頻度データ分析:取引時間と価格の相互依存性について」
<レセプション>18:00-19:30 予定


3日目:2010年3月31日(水曜) コンファレンス
<マイクロ市場の計量-II>
10:10-10:50 国友直人・佐藤整尚
「高頻度金融データの分離情報最尤推定の頑健性」
11:00-11:40 川崎能典
「高頻度データの日内季節性調整について」
11:50-12:30 大屋幸輔
「バイアス補正実現分散推定量の構築」


2010年2月17日水曜日

研究覚え書き

あれよあれよという間に2月半ばになった。冬季五輪もそれなりに盛り上がっているなか、研究の覚え書き。

  • Project-GP:プロジェクト自体は収斂の方向らしい。
  • Project-JH:ここで挙げたままでよいものか…
  • Project-K:近く再打ち合わせの方向
  • Project-MNP(新?):一瞬盛り上がってそのまんま。一応簡単なことは分かったので、余裕ができたら一応連絡してみるか…
  • Project-N:英語報告は、最終的なまとめの方向を意識して、これまでと少し趣きを変えて行った。発表自体は punctual であることだけには成功…。最後、3月上旬に話して短くまとめて年度内に投稿を目指す。投稿した日本語版についての review 結果はまだ来ない。
  • Project-O:3月に共著者が南アで話すことになっているが…3月末に、また Paris で会えるのか?
  • project-SG:継続した。サンプル範囲を広げたり、個別以外のデータも新たに取り入れたり、データ値を月次で基準化したりなどして分析をする予定。もう少しで追加データが送られてくるようなので、その後データ整備して分析して、3月上旬に報告予定
  • Project-Ya:年度内に公式には3回、非公式を含めると4回(うち2回は英語発表)、共著者にがんばってもらいます…
  • Project-Yo:校正終了。あとは発刊を待つばかり。
  • Project-Yu:定義を変更して計算したメモを送ったあと音信不通。「コレカラ3週間クライ、ワタシ忙シイ」と一言メールに添えたので、連絡を遠慮してくれているのか?4月に共同研究者と頑張って接点をもつかどうかを検討中。

2010年2月15日月曜日

修士論文作成についてセミナー(updated)

一昨年の9月に思いつきで行ったワークショップと同じような趣旨で修士論文作成についてのセミナーをまたやろうと思っています。もう少し実践的というか、個人的な指導ポリシーを強調しようと思っています。

今回は自分のM1ゼミの延長戦という位置づけでやりますが、現M1の人で関心のある人はどなたでも参加できるようにしたいと思っています。

予定は、2/24(水)の18:30~20:30です。
場所は第3講義室です。

※私の事情で急遽日程変更・中止の可能性もあります。



(1)18:30~19:30 修士論文とは何だろうか?
 
 -「修士論文」では何が求められているのか?
 -「修士論文」を書く上でのお作法は?
 -
  
(2)19:40~20:30 何を研究すればよいのか?
 
 -「修士論文」のためのネタをどのように見つけるか? 
 -仮説の立て方、研究方法の選び方、数式をどこまで理解すべきか?

ざっくり言えば、私がいろんなHow-to 本を読んでまとめた方法論について主観的にお話することが中心になるかと思いますが、簡単なexercise も取り入れていき「ゆるい」進行にしようと考えています。


とりあえず参考文献を紹介しておきます。



2010年2月10日水曜日

2010年度の金融数理の基礎

とりあえず以下のようなスケジュールを考えている。
秋学期の科目になったこともあり、シラバスの詳細を詰める作業は夏休みにして、9月半ばくらいに発表したい。

いずれにしても、過去2年間は分数の四則演算が合否のカギ(?)だったが、新しいシラバスでは集合演算が合否のカギ(?)かもしれない。
ただし、内容に差はあるけれども基礎科目だし、難易度については十分配慮するつもり。
(過去に「金融数理の基礎」で単位取得した人は再履修できないことに注意)

4月に配付する講義要綱に載せる内容のいくつかをとりあえずアップしておく。

【講義日程案】

1. (10/1) Guidance & Introduction : 講義全般のオリエンテーション
2. (10/8) 数学独特の記号、表現、論理
3. (10/15) 集合論(集合、写像)
4. (10/22) 集合論(集合族、濃度)
5. (10/29) 測度論(測度、外測度)
6. (11/12) 測度論・積分論(可測関数、積分)
7. (11/19) 積分論(積分の性質)
8. (11/26) 中間試験
9. (12/3) 確率論(確率空間、確率変数)
10. (12/10) 確率論(期待値、条件付き期待値)
11. (12/17) 離散時間モデル(金融市場モデルの定式化)
12. (1/14) 離散時間モデル(金融市場モデルの定式化)
13. (1/21) 離散時間モデル(ヨーロピアン・デリバティブ評価)
14. (1/28) 離散時間モデル(ヨーロピアン・デリバティブ評価)
15. (2/15) 学期末試験

※11/5(金)は特別研究活動週間のため、1/7(金)は月曜授業実施日となっているため無し。また学期末試験はこの日が指定されている。
また、中川の出張が入った場合には、出張予定週以後の予定を一週ずつ後にずらし、2/4(金)に補講を行う。

【テキスト】

現段階では以下を挙げておく。
  1. M.ツァピンスキ, E.コップ(二宮 祥一, 原 啓介翻訳), 『測度と積分-入門から確率論へ』, 培風館(2008) ※準教科書
  2. 関根 順, 『数理ファイナンス』, 培風館(2007) ※準教科書
  3. 新井 紀子, 『数学は言葉』, 東京図書(2009) ※参考書
  4. 上野 健爾 , 『測る』, 東京図書(2009) ※参考書
1 は3~10回目、2 は9~14回目に重要なトピックについて触れる予定。また、3,4 は導入部で参考にする予定。他にもよいテキスト等があれば随時紹介したい。

2010年2月9日火曜日

2010年度のファイナンシャル・リスク・マネジメント

とりあえず以下のようなスケジュールを考えている。

技術的には「リスク・ヘッジ」の話題を入れようと考えている(これまで避けていたのは、VaRの話から移るのが自然に思えなかったため。ただし、ヘッジ概念については市場リスク管理の枠組みで触れる必要があると思い直した)。

あとは「金融リスク管理のあり方とは」という回を設けたこと。
これについては着想はあるが、内容を固めていない。

ただし、VaR計測とデフォルト判別の演習(レポート)は過去2年間と同様に行う予定。

1. (4/6) Guidance & Introduction : 講義全般のオリエンテーション
2. (4/13) 金融リスクの基本的概念:リスク計量の基本フレームワーク
3. (4/20) 市場リスク:VaR, ES の計測(1)
4. (4/27) 市場リスク:VaR, ES の計測(2)
5. (5/11) 市場リスク:リスク・ヘッジ
6. (5/18) 市場リスク:リスクの統合、リスク資本配賦、多期間のリスク計測
7. (5/25) 信用リスク:デフォルト判別モデルなどの統計モデル(1)
8. (6/1) 信用リスク:デフォルト判別モデルなどの統計モデル(2)
9. (6/8) 信用リスク:構造型アプローチ(Merton モデル、初到達時刻モデル)
10. (6/15) 信用リスク:誘導型アプローチ(強度モデル)
11. (6/29) 信用リスク:誘導型アプローチによるクレジット・デリバティブの評価
12. (7/6) 信用リスク:信用リスクの依存関係モデル(1)
13. (7/13) 信用リスク:信用リスクの依存関係モデル(2)
14. (7/20:補講) 金融リスク管理のあり方とは
15. (7/27) 学期末試験

※6/22(火)は海外出張の予定。海外出張がキャンセルになった場合は、11~14回を各1週間ずつ繰り上げて行う。

【テキスト】

準教科書として以下を挙げておく。

McNeil, A. J., R. Frey, and P. Embrechts(訳者代表 塚原英敦),『定量的リスク管理-基礎概念と数理技法-』,共立出版(2008)
※原著 Quantitative Risk Management, Princeton(2006)

2010年2月3日水曜日

2009年度M1ゼミ(秋学期)

2009年秋学期に、M1ゼミで取り上げられた論文を以下に挙げておきます。
(並び順に一貫性はありません。あしからず)

大山慎介・杉本卓哉,
「日本におけるクレジット・スプレッドの変動要因」
日本銀行ワーキングペーパー07-J-1(2007)

白須洋子・米澤康博,
「社債流通市場における社債スプレッド変動要因の実証分析」
金融庁金融研究研修センターディスカッションペーパー2007-2 (2007)

稲葉圭一郎,
「3メガ行のクレジット・スプレッドの決定要因-厳密最尤法によるCDSプレミアムの分析-」
日本銀行ワーキングペーパー07-J-10(2007)

Pu, X.,
"Liquidity Commonality Across the Bond and CDS Markets," 
The Journal of Fixed Income, 19(1), 26-39 (2009)

藤原茂章,
「エクスポージャーの変動を考慮した信用リスク評価:コミットメント・ラインへの応用」
日本銀行金融研究所ディスカッションペーパー2007-J-29 (2007)

山下智志・吉羽要直,
「追加融資を考慮した信用リスク:構造モデルによるELとULの解析解」
日本銀行金融研究所ディスカッションペーパー2007-J-17 (2007)

Jiménez, G., J. A. Lopez, and J. Saurina,
"EAD Calibration for Corporate Credit Lines,"
FRB of SAN FRANCISCO WORKING PAPER SERIES2009-02(2009)

粕谷宗久・真木和彦,
「物価変動の転換点予測について」
日本銀行ワーキングペーパー01-20(2001)

福田慎一・粕谷宗久・赤司健太郎,
「デフレ下における非上場企業のデフォルト分析」
日本銀行ワーキングペーパー04-J-14(2004)

酒井博司,
「景気転換予測指標の開発と日本経済への適用~統計学的接近~」
三菱総研フィナンシャルレビュー№.46, 90-109 (2006)

Carling, K., T. Jacobson, J. Lindé, and K. Roszbach,
"Corporate Credit Risk: Modelling and the Macroeconomy,"
Workking paper(2004)

Li, J. , Y. Shin, and W. T. Moore,
"Reaction of Japanese markets to changes in credit ratings by global and local agencies,"
Journal of Banking & Finance, 30(3), 1007-1021 (2006)

下田尚人・河合祐子,
「格付格差の現状と背景:依頼格付と非依頼格付、レーティングスプリット」
日本銀行ワーキングペーパー07-J-3(2007)

Livingstone, M., A. Naranjo, and L. Zhou,
"Split bond rating and rating migration,"
Journal of Banking & Finance 32, 1613–1624 (2008)

宮﨑浩一・中原智惠・伊藤隆康・石井昌宏,
「アジア諸国のソブリン格付の検証:回帰モデルからのアプローチ」
新潟大学経済論集第85号,133-148(2008)

Pederzoli, C. and C. Torricelli,
"Capital Requirements and Business Cycle Regimes: Forward-looking modelling of default probabilities,"
Journal of Banking & Finance, 29(12), 3121-3140 (2005)

森平爽一郎・岡崎貫治,
「マクロ経済効果を考慮したデフォルト確率の期間構造推定」
Working paper(2009)

Duffie, D., L. Saita, and K. Wang,
"Multi-period corporate default prediction with stochastic covariates,"
Journal of Financial Economics 83, 635–665 (2007)

Gharghori, P., H. Chan, and R. Faff,
"Investigating the Performance of Alternative Default-Risk Models: Option-Based Versus
Accounting-Based Approaches,"
Australian Journal of Management, 31(2), 207-234 (2006)

Brunnermeier, M. K., S. Nagel, and L. H. Pedersen,
"Carry Trades and Currency Crashes,"
NBER Working Paper Series, Vol. w14473

伊藤隆敏,
「為替レート変動の分析-パズルの解決に向けて」
岩本康志・橘木俊詔・二神孝一・松井彰彦編『現在経済学の潮流2005』東洋経済新報社, 3-45(2005)

Hashimoto, Y., T. Ito, T. Ohnishi, M. Takayasu, H. Takayasu, and T. Watanabe,
"Random Walk or A Run: Market Microstructure Analysis of the Foreign Exchange Rate Movements based on Conditional Probability,"
Research Center for Price Dynamics, Institute of Economic Research, Hitotsubashi University,
Working Paper Series No. 25 (2008)

Chatterjee, A., and D. Woo,
"VECTOR: The Next Generation of Systematic Currency Trading,"
Barclays Capital REPORT (2009)

2010年2月2日火曜日

研究覚え書き

早くも2月になった。研究上、本質的なことがあまり進まずに1ヶ月が経過。

自分の研究プロジェクトについての今時点での覚え書き。
  • Project-GP:進捗はいちおうフォロー
  • Project-JH:完全にお蔵入り
  • Project-K:近く打ち合わせ
  • Project-N:2月にProject-Oの代わりに英語報告することにした。3月に話してから短くまとめて投稿を予定
  • Project-O:課題は様々見つかっているがとりあえず何もしていない。
  • project-SG:継続した。サンプル範囲を広げたり、データ値を月次で
  • 基準化するなどして分析をする予定
  • Project-Ya:今日打ち合わせ
  • Project-Yo:今月半ばまでに校正。
  • Project-Yu:定義を先行研究にあわせて変更してworking paper に着手しましょ、という連絡。とるあえずメモを見直す