2008年4月30日水曜日

「フィナンシャル・リスク・マネジメント」第4回フォロー

第4回目の講義資料・プレゼン資料・支援ツールおよび前回の発展課題の参考資料はイントラネットにアップしておきました。

ちなみに、前回の課題レポートの提出を確認できたのは、以下の17名です。
提出したはずなのに自分の id が載っていないという人は至急連絡ください。

IM05F023, IM07F022, IM07F023, IM07F028, IM07F029, IM07F037,
IM07F044, IM08F007, IM08F017, IM08F020, IM08F023, IM08F024,
IM08F026, IM08F027, IM08F037, IM08F039, IK08F001

※課題回答に関するコメントは改めてアップします。

成績評価の方法(試験とレポートの配点の見直し)について説明しました。
欠席した人は、配付資料の1ページ目を確認してください。こちらも変更しておきました。


授業に関してのフォローです。

「VaRショック」の詳しい内容については、このキーワードでネット検索していただければたくさん情報が得られると思いますので、参考にしてください。

問題3をやり残してしまいました。
答えについては来週の水曜日にでもアップしたいと思いますので、G.W.の自習課題としてチャレンジしてください。

あと宿題(レポート課題の一部)に関しての注意・補足事項です。気づいたり指摘していただいたりしたら随時付け加えていきます!
  • 規定の方法で VaR および ES を計算するときの期待リターンおよび分散共分散行列と、Sharpe's ratio 最適化を目指してポートフォリオのウェイトを求めるときにインプットとして使う期待リターンおよび分散共分散行列とは別で考えてください。あくまでもVaR および ES を計算するときの期待リターンおよび分散共分散行列は、ヒストリカルデータ251日分から得られる推定値を用いてください。ポートフォリオ構築はそれとは独立したモデルに基づいて考えてかまいませんので、推定期間を変えて分散共分散行列を推定してもらってもかまいません。
  • 各業種への投資比率は0以上(ロングのみ)で考えてください。最低5業種くらいには分散させてください。
  • ヒストリカルデータは2列目にTOPIXを入れてあります。混乱する場合には、TOPIXの列を削除して作業してもらってかまいません。
******

連休で多少時間に余裕がある人に、目を通してもらいたい本を紹介しておきます。それはこちらです。
筆者に賛成の立場、反対の立場いろいろあると思いますが、少なくとも自分の仕事や自分の勉強していることは誰の幸せになるのか?ということを深く考えさせられる本かと思います。
(同じような taste の本はたくさんあるでしょうが、比較的新しいデータも織り込まれていたのと、新書でとっつきやすかったので、お奨めしておきます)

2008年4月28日月曜日

4/24(木)「金融市場の計量分析」第3回

Credit risk 研究についての情報交換を行う。

あとは

Fournié, Lasry, Lebuchoux, Lions, Touzi,
"Applications of Malliavin calculus to Monte Carlo methods in finance",
Finance and Stochastics, 3, 391-412 (1999)


の続き。4節のヨーロピアン・デリバティブの場合の Greeks の計算の確認とミスプリの検討

「フィナンシャル・リスク・マネジメント」演習用データ

「フィナンシャル・リスク・マネジメント」の第4回と第5回およびレポート課題で使用するデータをイントラネットの第4回目の class のところに CSV形式でアップしておきました。

TOPIXと東証33業種指数(2004/1/5~2008/4/25の営業日ベースの終値)のデータです。
授業前にダウンロードしておいてもらえれば、授業当日一緒に作業をすることができます。
(ノートPCを持っていなくても、何をやっているかをメモすれば後で作業するのには困らないと思います)

授業のときには、Excel でデータの加工方法を説明する予定ですが、別の統計パッケージで分析をしてもかまいません。

2008年4月25日金曜日

「ファイナンシャル・リスク・マネジメント」第2回課題レポート【返却】

「ファイナンシャル・リスク・マネジメント」第2回課題レポートを返却します。

共同研究室からメールで連絡があると思いますので、8階の共同研究室の
ドアのところ個人フォルダから受け取ってください。

採点内容やコメントについて質問・異議等ありましたら、直接中川まで。

「金融数理の基礎」第2回宿題レポート【返却】

「金融数理の基礎」第2回宿題レポートを返却します。

共同研究室からメールで連絡があると思いますので、8階の共同研究室の
ドアのところ個人フォルダから受け取ってください。

採点内容やコメントについて質問・異議等ありましたら、直接中川まで。

2008年4月24日木曜日

4/30(水)「フィナンシャル・リスク・マネジメント」第4回:市場リスク(1)

第4回目からしばらく市場リスクを題材に話を進めます。ただし、そこで紹介する考え方は他のリスクの場合にも応用可能です。その一方で紹介する方法が市場リスク計測方法としてお奨めの方法ということでもありません。

準テキストでいうと、2.3.1節の内容にあたることをメインに扱いますが、説明の不十分だった VaR や ES のことにも触れます。また練習問題も取り入れていく予定です。

  • 分散共分散法による VaRの計測の概要
  • 分散共分散法による VaRの計算演習
  • 第1回レポート課題およびデータを用いた作業の説明
準テキストが手元にあれば、該当部分にざっと目を通しておいてください。

予習のポイントですが、ポートフォリオ理論をご存知の方は、平均-分散アプローチにおける平均ベクトルや分散共分散行列の取り扱いについて復習しておいてください。(2資産や3資産の場合だけでもよいと思います)

データしては、TOPIX と東証33業種指数の過去4年くらいの日次データを用います。

もしノートPCがあれば用意してきていただくと、宿題に取り掛かりやすくなるかもしれません。
別にノートPCが無くても問題ありません。

「金融数理の基礎」第2回宿題の講評

「金融数理の基礎」第2回宿題の講評コメントです。
(不等号の半角記号をそのまま使うとタグだと認識されてしまうのを忘れていたので、編集に手間取りました。面倒なので不等号は全角を使います。)

レポートは近いうちに返却します。正解とみなしている人は問題番号に赤丸をしてあります。気になるがある部分には赤い字でコメントしてあります。特に問題ないと判断してあれば何もコメントしていません。

成績管理上は、正解問題数をポイントとして記録してあります。
これはそのまま最終成績に加算するものではありませんが、試験の成績が万が一振るわなかった場合の救済措置としてのエビデンスに使用することは考えています。
また、宿題を出さなかったからと言って直接的なペナルティはありませんが、宿題に向き合うことがそのまま試験対策になるようにしているつもりです。

問1はきちんとできている人は少数でした。
間違いの典型としては、以下のことが挙げられます。
  • 株の購入単位Δが正の場合でしか成り立たない議論をしている(Δ=0, Δ<0では様子が変わります)
  • 背理法の適用が正しくない。本質は「d<1+r < u ⇒ No Arbitrage」ということなので、背理法を用いるとすると、結論の「No Arbitrage」を否定したうえで、「d<1+r < u」と「arbitrageが存在する」を仮定して矛盾が生じることを示す必要があります(実は対偶を示すという形になっています)。背理法を用いた人の多くが、テキストとほとんど同じく「No Arbitrage ⇒ d<1+r < u」の説明になっていました。
  • 「d<1+r<u」の否定を考えようとした人に、「1+r<d」「u<1+r」としている人が多く見られました。等号も入れる必要があります。
  • 数式の記法が若干変
特に解答例は示しません。上のコメントをヒントに考え直してください。

問2はポイントをついていれば正解扱いにしています。○の付いている人は問1よりはだいぶ多いです。
間違いの例として
  • X_1(H)>0, X_1(T)<0 と決め付けて議論している。不等号が反対になる場合もあります。
  • 数式の記法が若干変
がありました。ポイントはどちらかが正だともう一方は負になることを式で明らかにすることです。
give up された方もいました。

この問題の(隠れた?)メッセージとして私が読み取ったのは、
「株式現物とマネーマーケットで No Arbitrage が成立していれば、株のオプションをポートフォリオに加えてみたところで arbitrage を見出すことはできない」ということです。
複製できるので当然なのですが、この設定ではデリバティブを導入してもそれは本質的に資産数を増やしたことになっていないということですね。

問3は、計算しなくても答えに気づいた人がいるかもしれません。答えは S_0 です。
この問題は、計算して S_0 になることに気づくというよりも、S_0 に気づいて、それに向けて式変形を行っていくということができた人が真の正解になると思います。
要は株自身もデリバティブだとみなすことができるけれど、株の時点0での価格はS_0なのだから、そうならないとおかしいと気づくことですね。これが(隠れた?)メッセージだと思います。

間違いの例として
  • V_0 = S_1/(1+r) というような式を挙げているもの。左辺は定数で、右辺は確率変数になっているので、それが等号で結ばれているのは変です。S_1(H) や S_1(T) と書けばこれは定数扱いになります。
  • S_1(H)=uS_0, S_1(T)=dS_0 のような書き換えに気づかず、計算が途中で止まってしまったもの
がありました。

問4はほぼ全員答えは出せていました。
時点1でのペイオフが3 と 0 で、それぞれのリスク中立確率が1/2 ずつなので、テキストの例題にある strike price が 5 のコールと価格が同じになるというわけですね。
ですから、答えはテキストの例題1.1.1のものと一致します。

ただし、複製戦略はコールの場合と異なります。複製戦略を考えなかった人はそれを確かめてください。暗算で答えが出ます。

プット・コール・パリティに基づいて計算した人もいましたが、今の段階ではプット・コール・パリティの性質自体を既知とするのは適切とは思えないので、それ自体が成立することをきちんと証明してから用いる必要はあります。
大学入試問題を解くときに、高校の範囲を超えるテクニック(l'Hospital の定理とか Taylor 展開とか)を使って解いてもよいのか?ということと同じようなことな気がしますので。

「フィナンシャル・リスク・マネジメント」第2回レポート講評

「フィナンシャル・リスク・マネジメント」第2回レポートに対する講評のコメントです。
(レポートは近いうちに返却します。気になる部分には赤い字でコメントしてあります。特に問題なければ何もコメントしていません)

問題1は、ベイズ公式などと呼ばれる条件付き確率の計算方法を確認する問題です。
答えは 約3.88%となります。
単純な計算ミスも含めて間違えた方が数名いました。
ここでは解法はあえて示しませんので、考え方を間違えていた方は「ベイズ 条件付確率」などをキーワードにして教科書等で考え方を復習してください。

ほとんどの方が計算だけでしたが、感想をつけてくださった方がいました。
「例えば、この課題でモデルが『正常企業に対してデフォルト懸念企業であると判別する確率」が1%であったとしても、求める確率が50%以下(約44.7%)となることについて直感的には違和感があった」
とコメントがありました。
#さて、この方はどういう計算をしたのでしょうか?
#あるいは皆さんはこの問題を通じてどういうことを思ったでしょうか?

もともと起こりにくい事象を検知精度の高いモデルを使って検地しようと思っても、
実際にはノーマルな事象が何らかのせいで検知される割合の方が圧倒的だということですよね。
「オオカミが来たぞ!と叫んだ少年」を想起したのは私だけでしょうか?

問題2は、大まかに分けると以下のような応用例が挙げられていました。
(実際にはもう少しアバウトに書いている人が多かったのですが、気持ちを汲み取ってまとめてみました)
  • 業種、地域、あるいは財務データ項目や信用モデルのアウトプット等で、企業群をグルーピングして、それぞれのグループのサンプル企業の中に含まれるデフォルト(懸念)企業の割合を計算して、ある2つのグループの母集団についてのデフォルト率に有意に差があるかどうかを検定する。その結果として、グループごとに貸出金利を変えるとか、グルーピングに用いる財務項目やモデルの見直し等の指針に使う
  • 業種や企業規模、あるいは割安・割高指標などで、企業群をグルーピングして、それぞれのグループの投資リターンの平均を推定し、ある2つのグループの母集団につ いての平均投資リターンに有意に差があるかどうかを検定する。その結果として、投資比率や運用戦略の 見直し等の指針に使う
前者のようなデフォルト率に関する話題を挙げた方がほとんどでした。
いちおう私が想定していた例もこれにあたります。
ただ、「対応の無いデータの母比率の差の検定」ということをそれなりに意識して、上のように書いている方はあまり多くなく、どちらかというと雰囲気だけで書いているという印象の人が多く見受けられました。
金融リスクの話になじみが無い人にとっては精一杯かもしれませんが、自分の考えが妥当かどうかはもう少し掘り下げて考えられると思います。

厳密にいえば、上の書き方でも不十分です。本来はサンプル数をどうするかという話や別グループの企業間に信用力に関する強い関連性などがないと仮定するとか、そういうことも考慮する必要があるからです。

後者の例は、集団の中である属性をもった個の比率について議論するという視聴率やデフォルト率の例からはずれていて、教科書などでは「母平均の差の検定」という範疇に含まれる例かと思います。本質的にはあまり変わりないと思いますが。
ただし、こちらも検定をどのように使うかをきちんと説明している人は多くありませんでした。

あと、「コンプライアンスに関する研修を受講したかどうかでの事務ミス削減に効果があったかどうかの検定」という例を挙げた方もいました。テーマとしては興味深いですが、どういう検定になるかを掘り下げていったときに、「対応の無いデータの母比率の差の検定」というカテゴリーで説明できるかという点で、もう少し詳しく考えてほしかったです。

また、デフォルトや投資の例で、「異なるモデルのアウトプットに差があるかどうかの検定に用いる」というコメントをされた方も何人かいました。
これ自体、検定の枠組みで捉えられる問題だと思いますが、「ある虫眼鏡で2つのグループの性質の違いを見極められるか」という話と「2つの虫眼鏡で1つのグループを見たときに見え方が違うか」という話でいうと、後者の話に相当していて問題の質が違うので、「対応の無いデータの母比率の差の検定」の枠組みで自然に議論できるかは疑問に感じました。

一番感心したレポート(というか相対的にみて感心してしまっただけなのですが)は、具体的な数値例を設定して、t検定統計量を計算してみて、有意かどうかを調べるということをやっていた人のものです。
これは結構大事なことです。
自分が考えたことが果たして、視聴率の差の検定と同じような枠組みでとらえられるかどうかは、実際に例を考えてみればよく分かると思いますし、問題点があるとすればどのあたりかということも分かるはずです。

計算などを試してみたけれど、レポートに書かなかっただけという人もいることでしょうが、
具体的な数値例も示してもらえると、その人が説明したかったことなどもこちらが読み取りやすくなります。

であれば、問題文にそう指示してほしいという方もいるかもしれませんが、
言われたとおりのことを調べたり計算したりするだけであれば、大学院で学ぶ意義はあまり無いと思います。
大学院生である以上、言われたことがある程度できるのは当たり前で、それを踏まえて物事を批判的に見たり、自分で問題を再設定したりして、思考を広く深くしていくことが重要になると思います。
演習や宿題はそのキッカケにすぎません。
(テーマに教員バイアスはかかっているので、それ以上考える興味が沸かないのかもしれませんが・・・)

2008年4月23日水曜日

「フィナンシャル・リスク・マネジメント」第3回フォロー

第3回目の講義資料・プレゼン資料はイントラネットにアップしておきました。

ちなみに、前回の宿題レポートの提出を確認できたのは、以下の24名です。
提出したはずなのに自分の id が載っていないという人は至急連絡ください。

IM05F023, IM07F001, IM07F004, IM07F016, IM07F022, IM07F023,
IM07F024, IM07F027, IM07F028, IM07F029, IM07F031, IM07F036,
IM07F037, IM07F044, IM08F007, IM08F017, IM08F020, IM08F023,
IM08F024, IM08F026, IM08F027, IM08F037, IM08F039, IK08F001

※宿題に関するコメントは改めてアップします。

授業に関してのフォローです。
プレゼン資料としてはたくさんの分量を用意してありますが、
たいていのところは後で目を通しておいてもらえれば十分なので、
私が時間をかけて説明したり、実際に時間をとって学生の皆さんに考えて
もらったところを良く見直しておいてください。

試験向けに、見直してほしいポイントについては、まとめてアナウンスします。

ヨーロピアン・コール・オプションについてのリスク・マッピングについては
資料を別途作成してイントラネットにアップしました。
(準テキストが手元にある人は、29ページの Example 2.5を見ておいてください)

あと、VaR と ES の説明が中途半端になってしまいましたが、これは実際に自分で
計算してみないと分からない部分が多いので、次回と次々回の演習にあわせて
もう一度説明したいと思います。
中間試験では、簡単な例で VaR と ES を計算してもらう問題を出題します

今回の宿題は、次回の授業時(4/30)に、レポート形式で提出してください。

2008年4月22日火曜日

「金融数理の基礎」第3回フォロー

第3回目の宿題プリント(配布したもの)はイントラネットにもアップしておきました。

第3回の宿題は、5/8(木)までに、8階の共同研究室にレポートとして提出してください。

ちなみに、前回の宿題レポートの提出を確認できたのは、以下の25名です。
提出したはずなのに自分の id が載っていないという人は至急連絡ください。

IK08F002, IM07F007, IM07F011, IM07F013, IM07F028, IM07F029,
IM07F031, IM07F037, IM07F044, IM08F007, IM08F010, IM08F013,
IM08F016, IM08F017, IM08F020, IM08F023, IM08F024, IM08F026,
IM08F027, IM08F028, IM08F030, IM08F037, IM08F038, IM08F039,
IM08F040

以下、授業の中身に関する補足です。(長くなります)

授業の最後に、例題1.2.4 の数字を変えて出題しました。
(S_0 =9, u= 4/3, d=2/3, r=1/6 として、対象となるオプションは同じ形のルックバック・オプション)

それの解答というか、検討過程を表したExcelファイルもイントラネットにアップしておきました。
参考まで。

あと、授業の冒頭で、No arbitrage の視覚化の話をしました。
矢野さんから指摘をうけましたが、行列表現を用いた書いた部分は、No Arbitrage の「定義」というよりは、あの1期間2項モデルにおける No Arbitrage の具体的な表現にすぎません。
そして、xy平面に図示したものは、その No Arbtirage の表現を目で確認したものにすぎませんので、混乱させてしまったかもしれません。すみません。

伝えたかったのは、有限個の状態で離散時間のモデルは、有限次元の線形代数の話に翻訳できてしまうということと、有限次元の線形代数の話であれば、(無理をすれば2,3次元の)幾何的なイメージでとらえることもできて、それが Fundamental Theorem for Asset Pricing の一般化とその証明のアイデアにつながっていくというように、有限状態・離散時間モデルでは、ファイナンスの概念を幾何的イメージと対応づけられるということです。


ただし、2次元で表現することにこだわったので、ちょっとだけ一般論とは異なった幾何的イメージを使って説明しました。
有限状態・離散時間モデルの一般論に自然に接続するためには、今回の例で言うと
(-(4x+y), 8x+5y/4, 2x+5y/4) という3次元ベクトルで話を進めることになります。

この3次元ベクトルは、
 第1成分が「手元資金がないときに、x単位の株を買って y をrisk-free で運用するときに
借りる金額」
 第2成分、第3成分は、それぞれコインが表、裏だった場合に「借金があれば返して、さらに株をそのときの価格で売却して残った金額」
を意味することになります。

「これら3つの成分が全て0以上で、なおかつ同時に 0 でないような (x,y) がある」場合には、
裁定機会が存在することになるのですが、この場合は、そういう(x,y)は見つからない(つまり
無裁定になっている)ということになります。

これを幾何的イメージでとらえ直すと、
(-(4x+y), 8x+5y/4, 2x+5y/4) は (x,y) を自由に動かすと、原点(0,0,0)を通る3次元空間内の
ある平面を表します。
一方で、裁定機会を表す部分は、この設定だと全ての成分が0以上の領域で原点だけ除いた
凸錐状の領域になります。
先の平面と凸錐状の領域は共通部分をもちません(原点で接するように見えますが、凸錐状の領域は原点を含まないので)が、このように「手持ち資金なしで(あるいは借金からスタートして)行う株の取引と無リスク金利の運用で実現可能な結果」を表す平面と裁定機会を意味する凸錐状の領域が、共通部分を持たないことが一般の設定における無裁定条件の幾何的イメージとなります。

だいぶ読むのに疲れてきた人がいると思いますが、この際なので一気に説明を書くと、
Fundamental Theorem が言っているを幾何的イメージに翻訳すると、
「運用結果の可能性を表す空間の領域と裁定機会を意味する凸錐状の領域は、ある(超)平面で分離できる(一方の領域は分離平面に含まれてもよい)」というもので、今回の例の場合は、
(-(4x+y), 8x+5y/4, 2x+5y/4) で表される平面そのものが分離平面となります。
また、この平面以外には2つの領域を分離平面は存在しません(これは「完備性」に対応します)。

場合によっては、分離平面が無数に存在する場合がありますが、それは無裁定だが非完備
だということに対応します。

次回の予習ポイントについては、改めてアップします。
また、前回の宿題についての総括コメントもできるだけ早くアップしたいと思います。

2008年4月18日金曜日

4/17(木)「金融市場の計量分析」第2回

最初に宿題の検討。

伊藤積分に対する Malliavin derivative の結果など、
いくつかの点について議論。

Fournié, Lasry, Lebuchoux, Lions, Touzi,
"Applications of Malliavin calculus to Monte Carlo methods in finance",
Finance and Stochastics, 3, 391-412 (1999)


の続きで3節の概要と、3.2節の命題の証明の前半を、今村/内田/高橋の
1次元の場合の証明を参考にして紹介。

2008年4月17日木曜日

4/23(水)「フィナンシャル・リスク・マネジメント」第3回:金融リスクの基本的概念(2) 主なリスク尺度とその性質

※第1回目の発展課題に対する解答コメントをまとめたものをイントラネットにアップしておきました。
第2回の classware として置いてあります。

第3回目から、金融リスク計量化の本編の話に入ります。

準テキストでいうと、2.1および2.2節の内容にあたることを扱います。

  • リスク計測方法についての概観
  • 損失分布およびリスク・マッピングの考え方(数式が乱れ飛ぶ予定です)
  • Value at Risk(VaR) の定義と性質
  • Coherent risk measure
  • Expected Shortfall(Conditional VaR, CVaR 等とも呼ばれます) の定義と性質
準テキストが手元にあれば、該当部分にざっと目を通しておいてください。
最低限、予習時のポイントとして、Value at Risk および Expected Shortfall がどういうものかを
調べておいてください。

また、4回目および5回目で VaR (および ES)計測の演習をするつもりです。

2008年4月16日水曜日

「フィナンシャル・リスク・マネジメント」第2回フォロー

第2回目の講義資料はイントラネットにアップしておきました。

1回目の課題に対する皆さんの解答集もそのうちアップすることにします。
人それぞれいろんな見方があることがわかって面白く感じると思います。
(ただし、前回の課題の真の目的は、受講者の皆さんがこの分野について、どのくらい知識をもっているかを測るということでした。その目的はおおよそ達成できました・・・)

スライド説明はだいぶ駆け足でしたし、最後は中途半端になってしまいましたが、アップしておいたプレゼン資料には復習としてざっと目を通しておいてください。そこに書いてあることを今の段階ですべて理解する必要はありませんが、これから7月までいろいろリスク計量について学習する中で、一度は聞くことになる言葉や概念をまとめてあります。
リスク管理と関係する部分だけでも、今学期中におよそ理解してもらえれば十分です。

推定や検定はただ話を聞いていても実感がわかないと思うので、実際にリスク計量のデータ演習をしていくなかでエッセンスに触れたいと思います。もちろん三浦さんたちの授業で検定マシーンとして鍛え上げられる人も多いと思います。


Exercises の問題2の問2についてコメントをするのを忘れていました。
私が用意していた答えは、
「たった1回の誤判定の事例で修正するべきではないと思うが、本物を偽札だと誤判定したという事実は、問題で5%と与えられている本物を偽札だと判定する確率に影響することになる。つまり、本当の本物の札の誤判定率が5%ではないかもしれないことは常に注意しておき、必要があればその誤判定率を推定しなおすことも考えるべきである」
というものです。

偽札判定の問題の設定では、数字をいじる必要はあまり無いと思いますが、デフォルト判別モデルのような場合は、1件新たなデフォルト情報が加わるごとに、条件付確率部分の数字を更新していくということが現実にはありえます。

次回以降も Exercises は行っていくつもりですが、今度からはリスク計量に関連するまじめな話題中心にする予定です。

今回の宿題は、次回の授業時(4/23)のときに、レポート形式で提出してください。

今回も、宿題の提出の有無は、成績に直接的なウェイトを与えるということではありませんが、何かのときの救済措置発動のエビデンスにはしようと思っています。

あと、授業中に紹介したものを含めて本を紹介しておきます。

統計に関する(それほど難しくない)本

 上田拓治「ビジネスのための統計入門」 日本評論社
 ※検定のところが、私の見た本の中では多数のケースにわたって詳しくわかりやすく書いてあると思っています。

 東北大学統計グループ「これだけは知っておこう!統計学」 有斐閣ブックス
 ※いきなり統計の専門書を読むのに抵抗がある人向けの本だと思います。私にとって手放せない一冊です。理論的に難しいところも丁寧に説明している印象です。

 山口和範「よくわかる統計解析の基本と仕組み」 秀和システム
 ※いろんなシリーズを刊行している秀和システムの本ということで人によって好き嫌いはあるかもしれませんが、直感的にわかりやすい説明も多く、私はけっこう好きです。今回の演習問題のネタになっているベイズ公式の話も「ベイズの定理」として少し触れられています。

視聴率調査について
 藤平芳紀「視聴率の正しい使い方」 朝日新書
 ※今回の演習問題のネタ本です。

#第3回の講義予告は改めてアップします。

4/22(火)「金融数理の基礎」第3回:無裁定価格評価二項モデル(2)

第3回目では、メインテキストの1.2節「多期間二項モデル」を扱います。1.3節の内容にも少し言及したいと思います。(1.3節の内容は、2.5節のマルコフ過程のところで詳しく触れられます)

予習時のポイント(授業において重点的に説明するところにもなります)として、以下の項目を挙げておきます。

  • 記号の確認。特に多期間になって表記が煩雑になるところを、適宜簡単に記述しているところのルール確認。
  • 1期間の結果が、ほとんどそのまま成り立っているところ
  • 例題1.2.4の Lookback option(path-dependent の例)
あと、説明しようと思っていて時間が無くて端折っていたこととして、以下のことにも触れたいと思います。
  • 「無裁定」ということの座標幾何的イメージ(行列表現を利用します。余裕があれば皆さんなりに「無裁定」or「裁定」ということが、座標幾何的にはどのように説明できるかを考えてみてください)
  • 3項以上にすると、どうなるのか?(これは14ページの「完備」というキーワードとも関連します)

2008年4月15日火曜日

(16日午後5時更新)フィナンシャル・リスク・マネジメント発展課題の解答コメントの受付状況

今日は、国立キャンパスに行く用事がありますので、とりあえず今のところ私の方で
確認できた解答分についてのみ編集を行う予定です。

4月16日(水)8:00段階で解答コメントが確認できている人のid は以下の通りです。
(順番は私の編集上の都合ですので、名簿順とかになっていません。)

IM08F024, IM08F023, IM08F039, IM07F036, IM05F023, IM07F028, IM08F020, IK08F001, IM07F023, IM07F004, IM08F026, IM07F016, IM07F001, IM07F022,
IM07F044, IM07F027, IM07F024, IM08F027, IM07F037

他にもコメント投稿がなかなかうまくいかない方も多いかもしれませんので、ブログのコメントを
通じての宿題提出を続けるのはやめた方がよいかもしれませんね。
(管理する側としては比較的楽なのですが・・・)

「金融数理の基礎」第2回フォロー

第2回目の宿題プリント(配布したもの)はイントラネットにもアップしておきました。

宿題は、次回の授業(4/22)のときに、レポートとして提出してください。

なお、No Arbitrage の定義のところでクイズにしたことですが、
(NA)の条件の一つの表現としては、
「X_0 = 0 のとき、すべての実数 Δ_0 に対して、P(X_1 >= 0)<1 または P(X_1 > 0)=0 となる」
ということになります。
 P(X_1 >= 0) <1 は P(X_1 < 0) >0 と同値
 P(X_1 > 0)=0 は P(X_1 <= 0) = 1 と同値
です。

行列で表現した条件の方が考えやすければ、そちらで考えてもかまいません。

今日の授業の進み方は速かったでしょうか?普通だったでしょうか?ゆっくりだったでしょうか?
私にしてみると「気持ちゆっくり」でした・・・
(ブログの右上のところに投票コーナーを設けてみました。皆さんの意見を聞くという目的もさることながら、この機能を使ってみたかったというのが先にありました・・・)

「リスク中立」の部分を本質的に理解するとなると、経済学でいうところの「選好」や「効用」という概念をもとにして考える必要があると思います。
また、なぜデリバティブの価格付けに「リスク中立」(という名前の)概念が登場するかという直感的な説明も私からうまくできればよいのですが(他の先生はうまく説明されると思います。ぜひ質問してみましょう!)、私の用意している答え(というか一番腑に落ちた説明)は
「デリバティブの価格付けをする際の複製の考え方の中に、リスク(分散)に関係する要因が含まれていないから」ということになるかと思います。リスクに関係する要因というのは、具体的には「実世界の確率」を指します。

リスクの計算には実世界の確率を使いますが、それを使わずに複製費用としてデリバティブの適正価格が求められたわけですから、デリバティブの価格付けが本質的にリスクとは無関係に議論できる、すなわちリスク中立的な見方で議論できるのはごく自然な帰結とも思えます。

他の説明の足りなかった部分のいくつか&次回の予習ポイントについては、改めてアップします。

2008年4月14日月曜日

フィナンシャル・リスク・マネジメントの宿題~途中経過~

フィナンシャル・リスク・マネジメント第1回の宿題はこちらの記事にコメントの形でお願いしてありますが、
現時点で宿題の解答として有効なものが確認できているのは、2名(id が08F023, 08F024の方)です

07F036の方からコメントもありましたが、宿題の解答の部分が確認できませんでしたので、メールで確認させていただいています。(このコメントは一度公開しましたがすぐに削除してしまいました)

コメントがあった場合、メールで転送する設定にしていたはずなのですが、それがうまく機能していなかったようなので、もう一度設定しなおしました。
これが機能してくれないと、宿題の処理がひどく面倒になりそうです・・・

コメントの管理にいまいち柔軟性がないなぁ

東工大にある中川個人ページの講義情報のリンク不具合の修正

こちらの記事にある不具合に対処しました。
直接リンクされるようになっているはずです。

2008年4月10日木曜日

4/10(木)「金融市場の計量分析」第1回

当初の予定を変更して、
Fournié, Lasry, Lebuchoux, Lions, Touzi,
"Applications of Malliavin calculus to Monte Carlo methods in finance",
Finance and Stochastics, 3, 391-412 (1999)

をまず読むことにしました。

第1節と第2節を解説しましたが、通常の論文紹介の準備と比べると
1/10程度しか時間をかけていないので、あまり深掘りができませんでした・・・
また、私自身がこの分野の知識に欠けているので、
受講される学生の方と一緒に学ぶ科目になります。

「金融数理の基礎」の講義室変更とスケジュール変更のお知らせ

次回(4月15日(火))から「金融数理の基礎」の授業は第3講義室で行うことに変更しました。
ホワイトボードに書くことが多いので、第1講義室だと端の席の人が見にくいと思ったのと、
私自身が広い視野を要求されるような講義室に慣れていないというのも理由のひとつです。
お間違えのないように。

さらに、スケジュールの変更もあります。
4月28日(月)に振り替え授業をする予定がキャンセルになりました。
そのため、第4回~第14回の講義日程が1週間ずつ後ろにずれこむことになりました。
こちらを確認してください。

2008年4月9日水曜日

4/16(水)「フィナンシャル・リスク・マネジメント」第2回:金融リスクの基本的概念(1) 確率論・統計学の復習

第2回目は、最初に第1回の発展課題に対する皆さんの回答を少し眺めてみたいと思います。

その後で、さしあたり準テキストの2章の内容を理解できるための確率論の用語等の最小限の説明と、統計量や推定・検定などの数理統計についての基本的な事柄の確認をしたいと思っています。
(金融リスクに関わる話題に触れていくのは、第3回からになります)

予習時のポイントとして、以下の用語に関することを復習
してください。知らない用語であれば事前に調べてみてください。

確率空間  確率変数  確率分布  期待値(平均)  分散(or 標準偏差)
独立性  共分散  相関係数  大数の法則  中心極限定理
条件付き期待値  確率過程  フィルトレーション(情報増大系)
 
標本平均  標本分散  不偏性  歪度  尖度
点推定  区間推定  信頼水準  検定  帰無仮説・対立仮説

また、確率や統計に関するクイズに挑戦してもらう予定です。
一見リスク計測と関係ない問題に思えるかもしれませんが・・・

「フィナンシャル・リスク・マネジメント」第1回フォロー

第1回目の講義資料はイントラネットにアップしておきました。

Exercises の解答例はたとえばここにあります。
(ただし、計算式のところで表現上おかしな部分があります。答えは正しく出ていると思いますが)

発展課題の回答は、期限までに、この記事に対してコメントする形でポストしてください。

宿題の提出の有無が、成績に直接的なウェイトを与えるとは言っていないので、回答しなかったから最終成績の点数が低くなるというわけではありませんが、何かのときの救済措置発動のエビデンスにはしようと思っています。(成績のプット・オプションのプレミアム?)

あと、授業中に紹介した「とある社長」の書かれたドキュメントはこちらです。
仕事でもいろいろとお世話になりましたし、自分の学生も就職でお世話になったことがあります。
彼の主張すべてに納得するということではありませんが、歯に衣着せぬ(?)物言いといい洞察力といい
私は(ある意味で)非常に尊敬しています。

#第2回の講義予告は改めてアップします。

東工大にある中川個人ページの講義情報のリンク不具合

http://www.craft.titech.ac.jp/~nakagawa/dir2/past_lecs/lecture2007.html

にある東工大時代の2007年度分の講義情報のところで、中間試験や期末試験のファイルが正しく開かないということを、受講者の方から指摘していただきました。

私が新年度を前に、WEBのディレクトリ構成を変えたときにリンクを正しく直しておかなかったためのようです。

東工大に次に行く際に修正したいと思いますが、さしあたって2007年度講義に関しては、

ファイルのリンク先URL 中の
  .../dir2/doc_lectures/... 
の部分を
 .../dir2/past_lecs/doc_lectures/...
のように dir2 の下に past_lecs というサブディレクトリをはさんで指定することで
ファイルが開くようになると思います。

2008年4月8日火曜日

4/15(火)「金融数理の基礎」第2回:無裁定価格評価二項モデル(1)

第2回目では、メインテキストの1.1節「1期間二項モデル」を扱います。

予習時のポイント(授業において重点的に説明するところにもなります)として、以下の項目を挙げておきます。

  • (この講義全体を通して用いる)記号の確認。その記号が表すもののファイナンス的な意味はもちろん、数学的にはどういう性質のもの(定数なのか変数なのか、実数値なのか自然数値etc.)かを押さえておくことが重要。
  • 「裁定」とは?「無裁定」とは?(さっそく、「否定」によって理解する必要のある概念が出てきました)
  • 「複製」という考え方に基づくデリバティブの価格付けの手続き(理解していれば、コンピュータでこのモデルによるデリバティブの価格付けがすぐにできるはず)
  • 「リスク中立確率」とはどういうもの?「リスク中立」とはどういう意味?
また、余裕がある人は以下のことも考えてみてください。
  • 「二項」なんてけちくさいことを言わずに、三項とかもっとたくさんの可能性を考えても同じような議論ができるのだろうか?(ヒント:連立方程式の解がどうなるかという問題と本質的に同値な問題となります)
  • (1期間だけでなく多期間でもよいが)この二項モデルを適用してもよさそうな商品(資産、証券など)の例を考えてみてほしい。(ヒント:二項モデルは Black-Scholes モデルに対応するものなので、Black-Scholes モデルの方を知っている人は、BSモデルで表すのが適当な商品をまずは考えてみると良い)

「金融数理の基礎」第1回フォロー

配布資料の estimate を間違えてすみませんでした。 mOm
第1回目の講義資料はイントラネットにアップしておきました。

short questions の最後の問題の解答例はたとえばここにあります。

次回以降は、皆さんがテキストを手元にもっていることを前提に授業をします。
プロジェクタは使わずに、主にホワイトボードを使って授業をする予定です。

#そうなると、第1講義室は構造上、ホワイトボードをうまく使うのは難しいですね。
#というかプロジェクタにしても、扇の両端の人には、かなり厳しかったことでしょう。
#別の部屋に変更できるようなら検討してみます。

また、宿題の提示はできれば2週間前にしてもらいたいという要望がありました。
今のところ、そういう宿題の提示の仕方は考えていないのですが、宿題は章末問題からピックアップしていく予定ですので、予習の先取りが可能であれば、すべての章末問題に挑戦していただくのが一番良いと思います。

ついでですが、参考までに授業で実験していたタイマーソフトウェアはこちらです。
学会ではまだ見かけませんが、卒論発表会や修論発表会で利用しているケースをよく見かけるようになりました。

#第2回の講義予告は改めてアップします。

2008年4月3日木曜日

4/9(水)「フィナンシャル・リスク・マネジメント」第1回:Guidance & Introduction

第1回目は、講義内容についての説明とオリエンテーションということで
  • 授業の到達目標の説明
  • 授業の進め方、課題および演習の取り入れ方の説明
  • 参考書の紹介
  • Exercises(予備知識の確認)
という流れで進めたいと思います。

なお、この授業と似たような内容のものを2007年度東工大大学院技術経営専攻向けに講義しました。そのときの情報はこちらにあります。

東工大では数学の予備知識もなく金融を専門としていない学生にも分かるような配慮をしましたが、ICSではある程度の数学や統計の基本知識をもつ学生が受講すると仮定して、個々の内容を少し深掘りしてみたいと思います。

4/8(火)「金融数理の基礎」第1回:Guidance & Introduction

第1回目は、講義内容についての説明とオリエンテーションということで
  • 授業の到達目標の説明
  • 授業の進め方、予復習のポイントの説明
  • メインテキストおよび参考書の紹介
  • 金融数理の歴史についての概観
  • short questions(高校生~大学教養レベルの確率および線形代数の知識確認)
という流れで進めたいと思います。

実際にメインテキストの中身に入るのは2回目からとなります。

なお、この授業とほぼ同内容のものを2007年度東工大の経営システム工学科3年生向けに
講義しました。そのときの情報はこちらにあります。
ただし、ICSの授業の方がカバーする内容が多くなる予定です。

東工大で実施した講義の中間試験・期末試験の問題および略解・解説なども見ることが
できます。
ただし、ICSでの出題方法や出題量は少し変えるつもりです。