2008年3月23日日曜日

シラバス:ファイナンシャル・リスク・マネージメント2008

ファイナンシャル・リスク・マネージメント(2008年度春学期、水曜18:20~19:50)のシラバスです。


【授業の概要】
 金融機関が直面する市場リスク、信用リスク、オペレーショナル・リスク等の金融リスクを計測するための基本的な手法およびその理論的背景について理解すると ともに、実際のデータを利用したリスク計測の実習も行う。また、金融リスク計測手法の理解に必要となる確率論や統計学等の知識についても随時言及していく。

【学生の指定】
 計量ファイナンス系のM2向け科目だが、意欲があれば誰でも受講可能。

【授業の目的・到達目標と方法】
 市場リスク計測においては、Value at Risk の概念および計測方法を理解し、実際にリスクを計測し、その結果を考察できるようなることを目指す。また、信用リスク計測においては、個別企業の信用力を 計測するための統計モデルの構築および検討を演習で行うとともに、クレジット・デリバティブの評価のための確率解析モデルのエッセンスを理解することを目指す。
さらに、オペレーショナル・リスク計測手法の検討を通じて、今後の金融リスク計測のあり方についても議論していく。

【授業計画】

1. (4/9) Guidance & Introduction : 講義内容についての説明とオリエンテーション
2. (4/16) 金融リスクの基本的概念(1):確率論・統計学の復習
3. (4/23) 金融リスクの基本的概念(2):主なリスク尺度とその性質
4. (4/30) 市場リスク:分散共分散法による VaR の計測(演習含む)
5. (5/7) 市場リスク:ヒストリカル法、モンテカルロ法による VaR の計測と演習(演習含む)
6. (5/14) 市場リスク:金利の期間構造と金利リスクの計測
7. (5/21) 市場リスク:リスクの統合、リスク資本配賦、多期間のリスク計測
8. (5/28) 中間試験
9. (6/4) 信用リスク :デフォルト判別モデルなどの統計モデル(演習含む)
10. (6/11) 信用リスク:構造型アプローチによるモデルの概観
11. (6/18) 信用リスク:誘導型アプローチによるモデルの概観
12. (6/25) 信用リスク:誘導型アプローチによるクレジット・デリバティブの評価
13. (7/2) 信用リスク:信用リスクの依存関係モデル
14. (7/9) オペレーショナル・リスク:損害保険数理手法
15. (7/23) 学期末試験

【テキスト・参考文献】

(参考書)
 McNeil, Frey, Embrechts, ``Quantitative Risk Management", Princeton(2006)
 M. Crouhy, D. Galai, R. Mark(三浦 良造他訳), 「リスクマネジメント」, 共立出版(2004)
 ※原著 M. Crouhy, D. Galai, R. Mark, ``Risk Management", McGraw-Hill(2001)


【質問等の連絡先・オフィスアワー】
 Office-hour:火曜21:30~22:00

【成績評価の方法】(2008年4月30日変更)
 中間試験(30%)、期末試験(30%)、レポート1(20%)、レポート2(20%) 平常点も考慮する。