2008年4月16日水曜日

「フィナンシャル・リスク・マネジメント」第2回フォロー

第2回目の講義資料はイントラネットにアップしておきました。

1回目の課題に対する皆さんの解答集もそのうちアップすることにします。
人それぞれいろんな見方があることがわかって面白く感じると思います。
(ただし、前回の課題の真の目的は、受講者の皆さんがこの分野について、どのくらい知識をもっているかを測るということでした。その目的はおおよそ達成できました・・・)

スライド説明はだいぶ駆け足でしたし、最後は中途半端になってしまいましたが、アップしておいたプレゼン資料には復習としてざっと目を通しておいてください。そこに書いてあることを今の段階ですべて理解する必要はありませんが、これから7月までいろいろリスク計量について学習する中で、一度は聞くことになる言葉や概念をまとめてあります。
リスク管理と関係する部分だけでも、今学期中におよそ理解してもらえれば十分です。

推定や検定はただ話を聞いていても実感がわかないと思うので、実際にリスク計量のデータ演習をしていくなかでエッセンスに触れたいと思います。もちろん三浦さんたちの授業で検定マシーンとして鍛え上げられる人も多いと思います。


Exercises の問題2の問2についてコメントをするのを忘れていました。
私が用意していた答えは、
「たった1回の誤判定の事例で修正するべきではないと思うが、本物を偽札だと誤判定したという事実は、問題で5%と与えられている本物を偽札だと判定する確率に影響することになる。つまり、本当の本物の札の誤判定率が5%ではないかもしれないことは常に注意しておき、必要があればその誤判定率を推定しなおすことも考えるべきである」
というものです。

偽札判定の問題の設定では、数字をいじる必要はあまり無いと思いますが、デフォルト判別モデルのような場合は、1件新たなデフォルト情報が加わるごとに、条件付確率部分の数字を更新していくということが現実にはありえます。

次回以降も Exercises は行っていくつもりですが、今度からはリスク計量に関連するまじめな話題中心にする予定です。

今回の宿題は、次回の授業時(4/23)のときに、レポート形式で提出してください。

今回も、宿題の提出の有無は、成績に直接的なウェイトを与えるということではありませんが、何かのときの救済措置発動のエビデンスにはしようと思っています。

あと、授業中に紹介したものを含めて本を紹介しておきます。

統計に関する(それほど難しくない)本

 上田拓治「ビジネスのための統計入門」 日本評論社
 ※検定のところが、私の見た本の中では多数のケースにわたって詳しくわかりやすく書いてあると思っています。

 東北大学統計グループ「これだけは知っておこう!統計学」 有斐閣ブックス
 ※いきなり統計の専門書を読むのに抵抗がある人向けの本だと思います。私にとって手放せない一冊です。理論的に難しいところも丁寧に説明している印象です。

 山口和範「よくわかる統計解析の基本と仕組み」 秀和システム
 ※いろんなシリーズを刊行している秀和システムの本ということで人によって好き嫌いはあるかもしれませんが、直感的にわかりやすい説明も多く、私はけっこう好きです。今回の演習問題のネタになっているベイズ公式の話も「ベイズの定理」として少し触れられています。

視聴率調査について
 藤平芳紀「視聴率の正しい使い方」 朝日新書
 ※今回の演習問題のネタ本です。

#第3回の講義予告は改めてアップします。

0 件のコメント: