2010年11月26日金曜日

「金融数理の基礎」第8回:中間試験採点講評(速報版)

解答例はイントラネットにアップしておきました。

受験者数は23名。ガチンコ採点の段階ですが、
最高得点は98点(100点満点)。90点台がもう1名、80点台が3名、70点台が4名です。
返却前までに再チェックをするので、得点は変動すると思います。

以下、簡単なコメントです。

問題1。A の正体が全くつかめない人はいないようでしたが、Bが適切にとらえられたかどうかで差がついたと思います。
なお、集合を表す際に要素を { } で囲っていない場合は1点減点しました。
また(4)(6) は片方だけ正解の場合は3点与えました。
(5)は結論に対して2点。理由の説明で多少の表現の不備はおまけしていますが、「全射でない」ことの説明をしていない場合や、明らかに変な説明の場合は減点しています。

問題2。間違い一つにつき4点減点です。5つ以上間違いがあると0点になります。B∪C と書くべきところを B+C と書いている人が少なくありませんでした。こういう表記も無いわけではありませんが、私の授業で集合の和を「+」で表したことは無かったはずですので、今回の採点では×にしました。
「ド・モルガン」のところを「分配則」と書いた人がいましたが、問題の誘導からすると分配則の適用にはなっていません。

問題3。(1)(ア)と(2) は正解している人が比較的多かったです。数字はあっているけれど、端点が閉か開かというところが違っているときは3点だけ与えました。
証明は、10点配点で3点ずつの減点法なので、4つ以上間違いだと0点になり、そういう人が多かったです。

問題4。出来不出来がはっきりした問題でした。4割強の人が15点でした。

問題5。多少の説明不足はあっても、正解にたどり着いていれば10点与えました。10点の人は全体の3分の1でした。φを単関数と捉え直すところで計算ミスがある人が多かったですが、絶対値と平方根の処理の正確さや、積分の定義の本質を押さえた式が書けているかどうかを考慮して部分点を与えています。

問題6。(1)はリーマン積分可能な関数なので、ルベーグ積分もその値に一致することを使えばよい問題です。グラフを描けば積分の値は二等辺三角形の面積になることも分かります。前回の授業では、ルベーグ積分をリーマン積分や広義積分で計算する例を紹介してました。
(2) でも、いろいろ書いていた人がいますが、説明が適切でなければ点はあげられません。優収束定理の仮定が満たされていないことに言及していても、f(x)=0 であることを明示して等号不成立の理由に触れていない場合などは減点しています。

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