2010年12月3日金曜日

「金融数理の基礎」第9回フォロー

今回の配付資料および次回以降の予習用資料をイントラネットにアップしておきました。

例題の解説が、だいぶ駆け足になってしまったので、補足しておきます。
(2)については、次のような表をつくって考えると分かりやすいかもしれません。


また、(4)で独立性の条件を使うところでは、
P((X-3)^+ = 1, (Y-2)^+ = 1) = P((X-3)^+ = 1)×P( (Y-2)^+ = 1)
以外にも、
P((X-3)^+ = 1, (Y-2)^+ = 0) = P((X-3)^+ = 1)×P( (Y-2)^+ = 0) ,
P((X-3)^+ = 0, (Y-2)^+ = 1) = P((X-3)^+ = 0)×P( (Y-2)^+ = 1) ,
P((X-3)^+ =0, (Y-2)^+ = 0) = P((X-3)^+ = 0)×P( (Y-2)^+ = 0)
も成立します。

ただ、未知数が2つに対して、本質的に異なる2つの方程式が得られれば十分なので、最初の条件だけを使いました。

確率空間と実数をつなぐ「確率変数X」、確率空間と[0,1]区間をつなぐ「確率測度P」の図の説明が分かりやすかったという声をもらいました。かなりイメージに頼る説明でしたし、いろいろと気をつけなければ点の説明を省いたりもしています。
ただ、実際に我々が観測できるものは、抽象的な空間の「神様のサイコロの目」ではなくて、それが確率変数を通じて実数上に表現されたもの、という基本的なイメージを持っていると測度論に基づく確率論を導入する意味が少しは分かりやすくなると思います。

次回は条件付き期待値ですが、そこでも同様のイメージで説明したいと思います。

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