2009年6月30日火曜日

「金融数理の基礎」第12回フォロー

配付資料をイントラネットにアップしておきました。

最後の証明のところは時間も押していたので、だいぶ rough な説明になってしまいました。すみません。他のところもボリュームたっぷりで消化不良の人ばかりだと思います。
いちおう宿題が一つの(苦い)薬になると思いますので、チャレンジしてください。

いずれにしても、今回のところは授業で話を聞いたり教科書を一読しただけでは容易に理解出来ないところだと思いますので、よく復習しておいてください。
定理4.2.2とその証明にこだわったのは、アメリカンオプションの価格付けに関する非常に重要な結果だと私自身は思っているからです。
(2つの異なる見方で定義したものが実は同じものだった(定理4.3.3でそれを明確にしますが)ということで、数学的な命題としては美しいものだと私は思います)

前回の宿題レポートの提出を確認できたのは、以下の18名です。
提出したはずなのに自分の id が載っていないという人は至急連絡ください。

IM08F014, IM08F019, IM08F032, IM08F033, IM09F001, IM09F002,
IM09F006, IM09F007, IM09F012, IM09F014, IM09F016, IM09F017,
IM09F022, IM09F023, IM09F025, IM09F031, IM09F037, IM09F041,

コメントですが、去年の記事とほとんど同じですので、そちらも参考にしてください(答えも
載っています)。

(i)~(iii)の計算は多くの人が正解でした。ところどころ計算ミスの人、あるいはアルゴリズムを正しく書けていない人がいたので注意してください。

(iv)は必ずしも著者の意図を私が酌んでいるか自信はありませんが、「ストラドルの場合は行使機会が1回で、プットかコールのどちらかのペイオフしか得ることはできないが、プットとコールの価格を単純に足している方はプットとコールを別々に買っているわけなので、それぞれを最適なタイミングで行使するチャンスがあり、チャンスが多い分割高になる」という説明が直観的に分かりやすいと思います。

ただ、何人かの人が指摘してくれましたが、権利行使価格によっては、価値が両者同じになる場合もあります。
そこで、きちんと題意の不等号が成立するためには、プットとコールを別々に買う方が2回権利行使をする機会があって、それ以外についてもストラドルを下回らないペイオフが受け取れるというようなことを確認することが本当は必要だと思います。

また、何人かの人が、「ストラドルとアメリカンプットでは最適行使のタイミングが違っている」という事実に着目していて、それは重要な指摘ですが、それだけを価格の不等式が成り立つ理由としては飛躍があります。

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