2008年5月21日水曜日

「フィナンシャル・リスク・マネジメント」第7回フォロー

授業関係のファイルをイントラネットにアップしておきました。

第6回の課題を提出してことが確認できているのは以下の13名です。
提出したはずなのに自分の id が載っていないという人は至急連絡ください。

IM05F023, IM07F016, IM07F023, IM07F029, IM07F037, IM07F044,
IM08F007, IM08F023, IM08F024, IM08F026, IM08F037, IM08F039,
IK08F001

皆さんがどんな戦略を提案したかをまとめて一覧にしたものを紹介することにしたいと思います。

皆さんのレポートを見ていて、もう少し出題の仕方に注意を払えばよかったと反省しています。
リスクが高い低いの判断は、想定しているリターンや戦略との関係で見ないといけないので、ただリスクだけを小さくするということは本来意味がないことですね。
たぶん、その辺をあえて割り切って解答しされた方も多かったことでしょう。

問題の基準となるポートフォリオも、全体的に金利が上がり、なおかつ相対的に短期の方が上がる「ベア・フラット(?と言えばよいのでしょうか)」の方向に自信があるとすれば、それなりに大きなリスクをとる意味があるのかもしれません。

ということで、どういう目的を設定するかをまず考え、そのうえで金利リスクをどのようにコントロールするかを考えるように促すべきだったと思います。

また、分散共分散法による 99%VaR を最小化するということを直接の目的としていた人が何人かいましたが、どちらかというと上位の主成分に対する係数を0に近づけるという目的が先にあって、結果的に VaR が小さく(見えるように)なるという方が自然な見方のような気がします。
それにこのモデルではVaRをいくらでも0に近くすることはできますが、それはリスクをとらない代わりに少なくとも金利リスクに関しては超過リターンも見込まないということの裏返しになっていることに注意。

あと、「現在のポートフォリオを劇的に変えずに」の部分の解釈は何パターンかありました。多くの人が1つか2つの年限に対応するGPSだけを変えて(要するに、GPSを変化させようとする年限と同じ残存年の割引債のトレードなどだけで)という解釈をしていました。
今回の問題については、そういう考え方でも良いのですが、現実的にはポートフォリオの総額の枠内で組み替えることになると、ただロングしたりショートしただけでは不十分で、買ったらその分の資金を別の資産を売って充当するとか(反対も然り)を考えることが必要かと思いますので、最低でも2つのGPSを変化させていくことが現実かもしれません(先物を使うことを想定すれば、単独でも良いと思いますが)。

そういうことも念頭においたのか、全体(あるいはlong, shortそれぞれも)のGPS総和を保持することを制約にしていた人もいました。ただし、GPS総和を維持するように取引することで、必ずしも売買金額をネットで0にできるというわけでもないことには注意が必要だと思います。


以下、授業に関するコメントです。

授業で紹介した copula に関する文献はこちらから。
(Clayton copula の乱数生成のところには注意)

また、多期間リスク尺度の難しい話を少しでも知りたいという方はこちらの最初の論文を。

0 件のコメント: