中間試験の情報も配布資料にあります。
演習問題の問題2(iii)を解いた人は、次回の授業時にレポートを提出してください。
また、第5回の課題(95%-VaR, 95%-ES)のファイルを受領した人は以下の17名です。
提出したはずなのに自分の id が載っていないという人は至急連絡ください。
IM05F023, IM07F001, IM07F016, IM07F023, IM07F029, IM07F031,
IM07F037, IM07F044, IM08F007, IM08F017, IM08F020, IM08F023,
IM08F024, IM08F026, IM08F027, IM08F039, IK08F001
授業の最初のほうで、2007年1月から直近までのLIBOR-SWAPRATEの変動をお見せしました。
昨年の10月あたりから今年の4月にかけてLIBORが、2年物スワップレートなどと比べて、だいぶ上がっていた点についてコメントしましたが、360日ベースといった換算日の不整合の可能性や、
サブプライム問題以降、TIBOR とは異なりLIBORはジャパン・プレミアムと考えられる(注:ジャパン・プレミアムという部分については私の聞き違いあるいは思い込みだったかもしれません)スプレッドがかなり大きかったというようなご指摘をいただきました。
私自身、TIBORと少し比べましたが、去年8月くらいから拡大して、2007/10/1では、6M で LIBOR の方が 20bp くらい高くなっていますね。
ただ、LIBORが上昇すれば自然とスワップレートも上昇するような気もするのですが、2年物はどちらかというと下がっていたりしています。
このあたりのことをご存知の方がいたらぜひ教えてください。
受講生の方から追加でコメントをいただきました。私は単に円金利の動きを見ていただけですが、実際には、欧米の金利や金融市場のドタバタの余波を受けた結果と考えられるという丁寧な解説でした。
以下、私でいただいた解説を要約したものです。ただし、これが唯一絶対の見方であると言いたいわけではないことをお断りしておきます。
- LIBOR上昇は、ヘッジファンドに資金を貸していた欧米の投資銀行によるドルやポンド、ユーロの資金調達圧力上昇の影響につられて高止まりした一方で、SWAPレートの低下は米利下げの影響や『質・流動性への逃避』的な行動からグローバルに国債へ資金シフトが起きたために、金利が低下したことが影響したためと考えられる。
- ただし、邦銀の資金調達ニーズは欧米金融機関に比べ高くなかったため、LIBORと国内金融機関の貸出金利であるTIBORの乖離が起きた。このことは外銀に比べむしろ邦銀の信用力の方が高くなっていたことを示唆する(ジャパン・プレミアムということではない)。
講義資料作成に用いた参考文献として授業の最後で紹介した本は以下の通りです。
太田 智之「債券投資とファイナンス理論」
デービッド・G. ルーエンバーガー「金融工学入門」
3 件のコメント:
受講生の方から以下のようなコメントいただきました。
*SwaprateとLiborの件の個人的な考えですが、以下のようなことではないかと思います。
・短期的に手元資金が逼迫している金融機関がいる。→Libor上昇。
・一方で、先行きは落ち着いてくるという楽観的な見通しがSwaprateに反映している。また、スワップは資金取引ではないので、資金需要でレートが決まるLiborとは異なる金利形成がなされる。
以下は、私のコメントです。
上のような考え方は、金利決定メカニズムとしては、当然考えられることだと思います。
ただ私が不思議に思っているのは、キャップやスワプションなどそれなりにvolumeのある金利デリバティブもあり、一時的なゆがみのようなものがあるとしても(多くの場合、それは裁定機会のようにも思えるのですが)、デリバティブのヘッジ・ニーズなどから補正されていくのではないか、ということです。
まあ、物事そう単純ではないことは分かっていますし、金融市場が複雑だからこそ、いろんなモデルを考え続ける意味があって、我々の仕事が無くならないのですが・・・
別の受講生の方からメールでコメントいただきましたので、そちらも紹介しておきます。
*これはリスクフリーレートの方がより下がったためだと思います。
確かにLIBORの上昇はSWAPの上昇に寄与しますが、リスクフリーレート(JGBの金利)が下がれば、その結果SWAP金利にも低下する要因がでてきます。
*T-Lスプレッド(SWAPとJGBの差)が拡大しており、このT-Lスプレッドの拡大分はLIBORの上昇の影響も一部入っているものと思っています。
*ただ、JGBの金利低下が大きかったため、T-Lスプレッドの上昇分を上回った結果、SWAP金利も低下したものと思います。
以下は、私のコメントです。
上記のような説明は非常によく分かるのですが、国債とスワップの間で裁定取引が行われて、それなりにスプレッドは適正な水準に収斂していくような気もするのですが、それは単純すぎる見方なのでしょうか?
さらに、別の受講生の方からコメントいただきました。
*(某レポートの要約ということですが、)インフレ懸念の高まりに加えて、国際金融市場が混乱する中で信用不安が高まり、
「短期国債買い+短期スワップ払い」に加えて「長期国債売り+長期スワップ受け」が優勢になった結果である。
直近では金融市場の落ち着きを背景に逆転している状況は見受けられるものの、その度合いは小さくなっている。
*また、直近のJGB市場でもイールドカーブ変化という意味で過去にはほとんど見られなかった事象が生じている。
以下は、私のコメントです。
いろいろと示唆いただいたので、背景はよくわかりました。
非常に特殊な環境の下では、起こりうることだということですね。
ただ、ドルやユーロでも同じようなねじれのようなものが比較的長い間観測できているのでしょうか?
もし、ドルやユーロではあまり見られていないか、早急に収斂するようであれば、円金利マーケット自体の懐の深さ(適当な表現ではないと思いますが)に問題はないのでしょうか?
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