2010年4月21日水曜日

4/21(水)「金融市場の計量分析」第3回

3回目は、Bielecki, T. R., M. Jeanblanc, and M. Rutkowski, CREDIT RISK MODELING の2.1節と2.2節の最初の部分からいくつかトピックを取り上げました。
毎回、本当にやりたいことの2割程度しかできませんが、授業時間内に体系的に理解してもらうことを目指していません。
基本的には独力でテキストを読み進めてほしいということですが、いくつかのポイントの理解度を確認することで、このテキストをどのように読むべきかというヒントを得る場として授業を活用してもらえれば、と思います。

今回は、最後のRecovery at default の話が中途半端になってしまいました、前後のつながりがおかしな説明をしてしまったので修正・補足しておきます。

pre-default value の満たす線形の常微分方程式(ODE)の話を出しましたが、これは Lemma 2.1.3. の話です。これは、回収率の定義によらないで導出されるODEですね。Market Value に対する recovery の場合の方程式のような言い方をしてしまって混乱させてしまいました。すみません。
(それでも、この線形のODEの解き方については復習しておいてください。そうすれば、別角度から一般の場合の pre-default value の形に納得できると思います。)
Market Value に対する recovery の場合については、Lemma 2.1.3 のような一般論での結果を先に得ていれば、55ページの真ん中にあるように指数関数としてすぐに表されるものになることが分かり便利ですが、このような議論とは別のアプローチをとると少し面倒だと思います。

次回は、3.1, 3.2 および 3.5節の理解を目指したいと思います。115ページから146ページまで目を通しておいてくだい。
特に Hypothesis(H) の意味するものは何か、なぜこの仮定に注意が払われているかを考えてきてください。

0 件のコメント: