2008年7月8日火曜日

「金融数理の基礎」第11回分宿題コメント

第11回分の宿題についてのコメントです。

提出した人の多くは正解でした。
最後の期待値の計算ミスや同じものをリストしてしまった解答が若干ありました。
(目を皿のようにして確認したわけではないので、見落としはあるかもしれません。あしからず)

「OTM のとき決して権利行使されない停止時刻」という意味が分からなかった人がいたので、フォローしておきます。

OTM は Out of The Money の略で、その時点で仮にオプションを行使しても正の payoff を受け取れない状態を指すことに注意します。

今回の例で、OTM に当たるのは、G_n という本源的価値が負の値のときですから、
具体的には G_1(H) = -3, G_2(HH)=-11 の部分ということになります。
よって、「OTM のとき行使する」ということは、「1回目のコイントスが H のときに行使する」あるいは「最初の2回のコイントスの結果がHH のときに行使する」 ということです。
これは停止時刻でいうと、τ(HH)=τ(HT)=1 あるいは τ(HH)=2 という場合に相当します。

ですから、「OTM のとき決して権利行使されない停止時刻」として、○をつけるのは、上のような場合を除いたもので、具体的には τ(HH)=0 または τ(HH)=∞ になっている停止時刻ということになります。
正しく解答していた人でも、その辺の説明をしているレポートは無かったので、確認しておいてください。

0 件のコメント: