2011年11月9日水曜日

第5回の課題レポートについて

第5回目の課題レポートをチェックしての暫定的な講評です。


問1は中間試験に直結する問題でしたが、完全正解の人はいませんでした(ケアレスミスで惜しい人はいましたが)。


解答例は結果しか載せてませんが、いくつかのポイントとしては
・グラフが描ける関数なので、グラフをきちんと描くこと。正しく描ければ、$a=-1,0,2$ で様子が変わることは少なくとも分かったはずです。
・$(a, \infty)$ という区間の逆像を考えるわけですが、その定義は
$$ f^{-1}((a, \infty)) = \{ x \in \mathbb{R} | f(x) \in (a, \infty) \} = \{ x \in \mathbb{R} | f(x) > a \} $$
であるということ。つまりは $f(x) > a$ という不等式を解く話です。それを集合の言葉にしているだけのことです。
そして $f(x)=a$ となる $x$ は含まれない、ということ。これで端点が含まれるかどうか、場合分けの $a$ の値の等号はどっちにつけるのか、などを冷静に判断できるはずです。
・$a < b$ のとき $(a,\infty) \supset (b,\infty)$ であるという包含関係が成り立つということ。ということは $a$ が小さくなるほど区間は広くなっていくのです。そして逆像の性質として $A \subset B$ ならば $f^{-1}(A) \subset f^{-1}(B)$ も成り立つので、$a$ が小さくなっていけばその逆像も広がっていく、ということ。なので、$a$ を小さくしていく過程で、突然区間だった逆像が $\emptyset$ に変わることはありえません。


問2は、グラフを正確には描けないという点で少し応用です。正確には描けませんが、$y=x$ と $y=1$ の2つのグラフが見えてくるはずで、$a=1$ が場合分けのポイントだということは分かると思います。また、$a$ をどんなに小さくしても、$(a,\infty)$ に含まれない有理数が存在するので、$f^{-1}((a,\infty)) = \mathbb{R}$ となるようなことは決してありません。


問3もあまりよくできていませんでした。(1)のところで $\bigcup_{k\le n}$ のように書いた人がいますが、そうなると
$$ \bigcup_{k\le n} f_k(x) > a $$
という表示になります。しかし、$f_k(x) > a$ というのは集合ではありませんから、$\bigcup$ と結びつけることはできません。同様に(8)の答えが $\bigcap_{k\le n}$ になることもありません。


また、関数の最大値に面食らったと思われる人もいましたが、本質は 
$$ \max\{a_1, \cdots, a_n\} > c $$
のように $n$ 個の要素の最大値が $c$ を超えるということは、少なくともどれか一つの要素が $c$ を超えていることと同値、すなわち $\exists k \in \{1, \cdots, n\} \ \ a_k > c$ 言い換えられるということです。 







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