2011年11月2日水曜日

第4回の課題レポートについて

第4回目の課題レポートをチェックしての暫定的な講評です。

問1の前半は比較的良くできていました。外測度の単調性と劣加法性を使う方法がベストです。
外測度の定義までもどって議論していた人がいましたが、そこまでは要求しません。でも、迷ったら定義に立ち戻るという姿勢は大切だと思います。


問1の後半はきちんとできている人はほとんどいませんでした。
「$\forall B (\subset \mathbb{R})$ に対して $m^*(A \cup B) = m^*(B)$」が成立しているという仮定ですが、「$\forall B (\subset \mathbb{R})$ に対して」というところがポイントです。「偽」だと答えた人の多くが、$A$ を含むような特別な $B$ だけしか考えていない議論になっていました。そもそも $A$ は $B$ とは関係なく与えられている状況なので、上の議論は、都合のよい $B$ を先に与えて、さらに都合のよい $A$ を選んでいるという議論に見えます。

他に、前半と同様な議論をして $m^*(A) \ge 0$ という自明の関係式を導出して、$m^*(A) = 0$ とは限らないという議論で「偽」としていた人もいますが、これも「$\forall B (\subset \mathbb{R})$ に対して」の部分を適切に解釈できていないことになります。

「$\forall$ ○○に対して」や「$\exists$ ○○ 」という部分が、どこに修飾されているかを見抜くことは非常に重要です。


問2 についても、前半は説明不足かなと思う人もいましたが、比較的できていました。

後半の答えは「偽」です。具体的な反例を示すことが大事ですが、「偽」と答えた人の中にも、具体的に反例を示さないで結論が成り立たない可能性がある(ようにできる)、という感じの議論をしているケースが少なからず見られました。
そういう解答については「だったら具体例を示してよ」という反応になります。「できそう」と「できる」は説得力がまるで違ってきます。


問3の (1) は見た目で敬遠された気がしますが、実は苦し紛れに作った問題です。$n=1,2,3,\cdots$ で実験すれば互いに素で長さが半分な区間ができていく様子が確認できたと思います。


(2) は誰も解いていませんでした。

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