2011年11月7日月曜日

「ファイナンシャル・リスク・マネジメント」2011年度春学期の総括

学生の皆さんの授業評価コメントをまとめたものが共同研究室から送られてきました。
今年度も、おおむね好意的に評価していただきました。

以下、皆さんのコメント(お褒めの内容については割愛させていただきます)および、それに対する回答です。
また、コメントは原文そのままではなく、要点が分かるように私が適当に編集したものも含まれています。




「VaRやESの話は、統計分野の先生がやるべきで、中川先生には信用リスク分野に特化してLectureをしたもらいたい。もったいないと感じる」
「市場が基礎的な内容の割には、信用が高度な話題が多かったように感じた」
「市場リスクのトピックにモデルリスクも加えてもらいたい」


(回答)「市場リスク」と「信用リスク」のバランスについての言及、あるいは「市場リスク」と「信用リスク」を別の授業でという要望は毎年あります。来年度は内容を大幅に見直してみようかと思います。
 ただし、個人的には、「市場リスク」「信用リスク」という区別よりも「リスクを数値化すること」「数値化したリスクをもとに適切なリスク管理をすること」自体をどのように考えるかが、今後はますます重要になっていくと考えます。そういうことは「ファイナンシャル・リスク・マネジメント」のようなコンセプトの授業でないと消化しきれないという思いもあります。
 要するに、背景には理論があるんだけども、実際に手を動かす場面では、その理論からはずれること、理論では決着がつかない問題の方が大きいということなどを実感してもらい、そうしたジレンマを理論にフィードバックするよう試みてもらったり、理論と現実のギャップを客観的に把握したりして、よりよいリスクマネジメントのあり方を追求してほしい、そうしたことのきっかけになってほしいと思います。


「ホワイトボードで数理的な部分をもっと説明して欲しかった」
「板書じゃない分、授業中に理解できる量は少なかった。(追いつくので精一杯だった。ただ、授業の内容的に板書での進行は難しい事も理解しています)」
「中川先生の授業らしく板書で進めていただいたら、集中力が保てたのではないかと思った。理解ももう少し進んだかもしれない」


(回 答)板書をもっと取り入れて、数理的な議論をもう少し丁寧に説明してほしい、という趣旨のコメントだと思います。例年、改善したいと思いつつなかなかできていませんが、努力したいと思います。どうしてもスクリーンの上げ下げが必要なので、その辺も考えないといけないですね。
もちろん板書の量が増えると、その部分については深い理解が可能ですが、表向きに伝えられる情報量は減ります。そのバランスは永遠(?)の課題です。


「基本的な理論の理解として、自習課題程度の練習問題が欲しいと思った」
「宿題が多かったので、なかなか全部やる為の時間が取れなかった」


(回答)「課題」の難易度・量についてのコメントですが、私自身は「宿題」として課題を出しているわけではありません。最低限理解してほしい内容(期末試験に直接関連するレベルの問題)も出しつつ、それよりは少し発展的・応用的な課題を提示して、知的好奇心がモチベーションとなって自発的に考えてもらいたい問題を作っているつもりです。
 ですから、全てをきちんと解こうと無理せずに、まずは試験に関連する部分だけでもチャレンジしてもらうとよかったと思います。説明不足ですみません。
 また、問題の難易度の件についてですが、多少なりとも現実を意識した場合に、リスクマネジメントに関する適当なレベルの問題を作るというのがなかなか難しいという側面があります。それでも今後工夫していきたいと思います。


「レポートとテストを中間と期末に分けて欲しい。期末に重たすぎるように思う」


(回答)たしかに締切日は期末試験実施日と2つのレポート締め切りが近くなってしまいましたが、レポート課題は早い段階で提示していたので、 VaR の妥当性についての最終的な振り返りを除けば、けっこう早いうちにレポートは完成できるスケジュールだったと思います。


「資料に掲載されているモデル式にミスプリが数か所あり、少し混乱してしまったので、なるべく無くして欲しい。難易度が高めの箇所が、時々省略されていたのが残念であった」
「PDFを印刷すると小さくなってしまう事があった」
「授業後に資料が再度イントラにアップされるので、授業前に印刷して書き込みをしたものと、最新版の両方を見ないといけないのが多少手間だった。でいれば資料は一つだと管理がしやすい」
「PDFについて、授業用とその前とで分けるのは、紙が無駄になってしまうので、分けて欲しいと思う」


(回答)ミスプリに関しては毎年ご迷惑をおかけしています。また、問題だけの資料と解等例つきの資料の二つが存在するという意味で整理が面倒だと思いますので、授業本編、問題、解等例のように分けることも考えたいと思います。PDFの印刷に関するトラブルは注意してプリンタ設定で調整していただくしかないと思います。

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