2011年11月25日金曜日

「金融数理の基礎」第8回:中間試験採点(続報版)

解答例はイントラネットにアップしておきました。

受験者数は19名。ガチンコ採点の段階ですが、
最高得点は94点(100点満点)。80点台が1名、70点台が1名、60点台が4名です。
返却前までに再チェックをするので、得点は変動すると思います。


以下、簡単なコメントです。

[問題1] 問1~問3 は比較的よくできていました。問4は、前半は数え方を間違えている人が少しいましたし、前半の答えを後半に書いている人などいました。そもそも「濃度」とは何かを忘れている感じの答えもありました。問5は結論に対して2点。理由の説明で多少の表現の不備はおまけしていますが、「単射である」「全射でない」ことにそれぞれ言及していることが必要になります。
問6 は誰も正解していませんでした。まあ、今回の中で一番難しいかな、と思って作った問題ですが、B の要素が0以上の偶数の部分集合であるということと、逆像をしっかり理解していれば前半は誰か正解してほしいところでした。


[問題2] 間違い一つにつき3点減点です。したがって5つ以上間違いがあると0点になります。減点法は厳しいかと思いましたが、昨年度も同様の問題は減点法で採点しました。証明の穴埋め問題で、とりあえず何か書いたら1つ2つ当たってたということについて積極的に評価すべきかどうかということに関して、それはあまり意味がないと考えましたので、中間試験では減点法を適用しました。



[問題3] 問2は正解している人が比較的多かったです。問1(ア)は (0,1] のように左端を0とする答えが多かったです。左端の点は正負の符号が毎回入れ替わるので絶対値だけ見てはだめです。機械的にこういう場合は0になると思いこまれないように今回は少し意地悪くしました。具体的に小さいnに対して区間を図示すれば少なくとも全てのnについて0が含まれないこと、$\frac{1}{4}$ が左端の数字になることは見えたと思います。端点が閉か開かというところが違っているときは減点しています。


問1(イ)の証明は、12点配点で3点ずつの減点法なので4つ以上間違いだと0点ですが、(ア)が間違っていても対偶のところが正しい場合は減点幅を1点にとどめています。証明の構造としては分かっているという人はそこは若干評価をしています。

[問題4] 問1のグラフは形状としてはだいたいの人があっていましたが、縦軸上の白丸表示が明確でないときは減点しました。問2は "]" や ")"をつけないで解答した人がいました。ここは $a$ の式あるいは数字が正しければ ")" や "]" が間違っていても減点を1点にとどめました。問3は、答えだけあっている場合には1点。あとは単関数としての表示ができていたり、関数を正部分と負部分に分けて可積分関数だという確認のもとに議論しているという場合には答えが違っていても3点くらい与えています。そちらの考え方の方が大事だと思っています。


[問題5] 問1は比較的よくできていると思いました。計算ミスもありましたが、計算過程がまちがっていなければ3点は与えています。問2は $a,b$ の値は正しい人が多かったです。$C$ は端点の開閉が違っている人がいました。問3は、記述の程度によって減点はしていますが、(a)では「 $\{f_n\}$ が単調増大列ではないこと」 (b)では「例えば $g=2$ という$E$上の可積分関数で一様に上から押さえられる」ことに言及していれば正解としています。

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