2011年5月25日水曜日

第4回の課題レポートについて

第4回の課題についてのレポートを提出してくれた方は以下の通りです。

IM10F002, IM10F004, IM10F006, IM10F011, IM10F013, IM10F022,
IM10F024, IM10F025, IM10F029, IM10F033, IM10F034, IM10F038,
IM11F011, IM11F012, IM11F021, IK11F016,

提出したはずなのに、IDがここに挙がっていない人は早めに連絡ください。


一通りチェックしてのコメントです。

問題1については割愛します。

問題2について。

250営業日での各信頼水準についての超過回数に対する密度および超過確率に関する表の作成については皆さん正しくできていました。

ただ、解答の多くは、ゾーンの区切りは所与のものとして、99%VaR および 97%, 95%の信頼水準ごとに超過回数と各ゾーンの関係を確率などを示してまとめてくれていたのですが、肝心の「結局、ゾーンの区切り方は妥当なのか? 妥当だとしてなぜそう考えるのか?」という観点で、分かりやすくまとめてあるものは少なかったです。

典型的には、「(帰無仮説である)信頼水準を99%とするモデルが真としたときに、その超過回数以上が観測される確率がある程度低いからイエローゾーン、十分低いからレッドゾーン」という趣旨の説明だけが書かれているわけですが、「第1種の過誤の確率が低いこと」と「リスク評価の際にレッドゾーンと見なすことが妥当」という話をつなぐロジックをもう少し丁寧に説明してほしいと感じることがややありました。

要するに「グリーン」「イエロー」「レッド」という区分を250日のうちの超過回数「0~4」「5~9」「10~」とすることが妥当であるかどうかの判断・意見が表明されていないために、(少なくとも私に)説得力のある説明になっていないものが少なくなかったです。

あと、第2種の過誤をどのように見るかという点について。私自身も第2種の過誤の見方に慣れていないので、あまり偉そうなことは言えないのですが、ゾーンの決め方には、第2種の過誤の見方も反映されていることが示唆されています(例えば、こちらの本など)。

つまり第一種の過誤を気にしすぎて、保守的に設定するために棄却基準となる超過回数を多くしてしまうと、当該のVaR値が、97%とか95%という、より低い信頼水準のモデルとして許容されてしまい、99%VaRとしては必要以上に保守的な値を設定しなければならない可能性が生じます。それはリスク資本の効率性という観点からあまりよい選択とは言えなくなってきます。

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