2009年5月19日火曜日

「金融数理の基礎」第6回フォロー

配付プリント(中間試験情報・宿題つき)とG.W.問題のExcelブックをイントラネットにアップしておきました。

前回の宿題レポートの提出を確認できたのは、以下の23名です。
提出したはずなのに自分の id が載っていないという人は至急連絡ください。

IM06F023, IM08F014, IM08F016, IM08F019, IM08F032, IM08F033,
IM08F036, IM09F001, IM09F002, IM09F006, IM09F007, IM09F012,
IM09F014, IM09F016, IM09F017, IM09F022, IM09F023, IM09F024,
IM09F025, IM09F031, IM09F032, IM09F037, IM09F041

第5回分の宿題についてのコメントです(昨年度とほとんど同じコメントになりますが)。

問1:テキストでいうところの「条件付Jensen不等式」とマルチンゲールの条件を組み合わせるだけです。回りくどい説明をしている人が少しいました。また、条件付き期待値であれば、En[ ]のように書くべきなのに、E[ ] としている人が数名いました。
うっかり書き忘れたということでしょうが、条件付き期待値という概念を理解しているかどうかはこの授業で大事なポイントですし、1カ所だけ忘れているようであれば大目に見ますが、何カ所も条件付きであることを明示していない場合は、テストでは減点対象になります。

また、厳密には{φ(M_n)} が適合過程であることに言及する必要があります。ほぼ自明なことですが、そのことについて触れているかどうかで、その人がきちんと定義を確認できているかどうかが判断できます。その意味では適合性について触れていた人は2名くらいでした。

問2:これも、条件付期待値の性質を繰り返し適用して式変形していき、とどめとして {M_n} がマルチンゲールであるという性質を使うことになります。

説明不足と感じられる答案が多く見受けられました。ほぼ自明な変形であっても、ここでは条件付き期待値の性質を適切に利用できるかどうかを見たいわけなので、いちいち式変形にはその根拠を示してほしいところです。そういう意図で出題しています。

また、問1と同じで、{I_n}自体が適合過程であることにも言及する必要があります。自明と感じられるかもしれませんが、少し込み入った定義になっているので、2行くらいで簡単な説明がほしいところです。
これも言及している人はごくわずかでした。

あと、この問題のM_n が対称ランダムウォークとして定義されたものに限定していると勘違いしていた人もいて、M_{n+1} - M_n = X_{n+1} のような記法を使っていた人がいますが、関係ありませんし、
E[X_{n+1]}] = 0 と言われても意味不明です。

問3:本質は計算問題と見なして結果をまずチェックしてそれが正しければ、計算過程の細かい議論の不備には目をつむっています。

(i)(iii) は条件式を出すところまではけっこう出来ている人が多かったです。ただ、図の示し方という意味では不十分な人がいました。
(iii) で log x + log y = log xy や log 1 = 0 という対数の性質に気づけなかった人が若干いました。対数の性質を復習しましょう。

(ii) は恒等式の議論にもちこむと x^2 + y^2 = 2 と x + y = 2 という方程式が出てきますが、この解は x=y=1 なので、条件を満たさず不適となります。計算ミスで間違った解を出している人が若干いました。あと、(ii) だけスキップしたり、j恒等式と見なさずに少し面倒な議論に持ち込んでいた人もいました。

あとどうでも良いですが、キリル文字変換については例えばこちらをお試しください。

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