2011年12月7日水曜日

第9回の課題レポートについて(追記)

第9回目の課題レポートをチェックしての暫定的な講評です。

なお、$\mathcal{P}(\Omega)$ と $P(\Omega)$ を混同したと思われる人がいました。
確かに同じ P から派生しているので混乱しがちですが、
$\mathcal{P}(\Omega)$ は集合 $\Omega$ の部分集合全体を表す集合族(ベキ集合)
$P(\Omega)$ は集合 $\Omega$ の確率(つまり1になる)
をそれぞれ意味します。

板書等でも区別つくように書いているつもりではいますが、気をつけます。
(ベキ集合は $2^{\Omega}$ という表記もあるので、そちらが良かったかもしれません)
ただ、見た目で判別しがたくでも、記号の前後の文脈で判断できるようになってほしいと思います。


問1 (1)はよくできていました。
(2) は10個という答えが大半でしたが、答えは16個です。$\{1\},\{2,3\},\{4\},\{5,6\}$ という分割の補集合(余事象)だけを考えていると思いますが、4つ以上に分割されている場合はそれだけではダメです。
$\mathcal{F}$ の要素の和集合はふたたび $\mathcal{F}$ の要素になるので、 $\{1| \cup \{2,3\} = \{1,2,3\}$ などを含めないといけません。

基本的には4つの分割から生成される最小の$\sigma$加法族の濃度は $2^4 = 16$ と言えるのですが、この問題は(3)(4)の観点から $\mathcal{F}$ の要素を全て具体的に書き出してもらって要素の数を確認するのがベストです。

(3)(4) は (2) が正しくないと議論を含めて正解にはなりませんが、それでも議論の方向性は半数くらいの人がマスターしているようでした。
ただ、端的にいうと「可測でない」ことを示すには反例を1つあげればよいのに対し、「可測」であることを示すには全ての可能性を確認するということが必要になります。その点で「可測でない」ことの説明が冗長だったり、「可測である」ことの説明が不十分だったりという人が見受けられました。
また、考え方は基本的に正しいけど、集合論の記号の使い方が正確でないという人が意外と多かったです。

(2)を間違えた人で、(3)(4)とも「可測でない」と答えた人が比較的多かったですが、同じような問いが続いていたので、どちらかは可測になるように問題を作っているのでは?と読んでほしかったですねw

(5) は比較的できていましたが、計算ミス・表記が不十分・$X=0$の場合忘れ、なども見られました。


問2は独立性に関する問題で、授業では十分に扱えなかったせいもあり、特に(2)で確率変数の独立性をどのように定式化するかで迷った感じの人が多いようでした。

(1)は高校数学で扱うレベルの独立性の問題なので計算ミスを除けば考え方含めて比較的よい出来でした。約分できるところを約分しないでいる人が数名いました。

(2)は解答例を参照してほしいのですが、未知数が2つなので方程式を2つ作ればよいという方針は変わりません。そのうち一つは確率の総和は1というところから得られるので、もう一つを独立性の条件から得られるようにすればよいわけです。

確率変数 $X,Y$ が独立であるということは $\mathcal{F}_X, \mathcal{F}_Y$ というそれぞれの確率変数で生成される $\sigma$-加法族を考えたとき
$$ \forall A \in \mathcal{F}_X,  \forall B \in \mathcal{F}_Y, \quad P(A \cap B) = P(A)P(B) $$
が成り立つことが必要十分な条件になりなすが、適当な $A, B$ を1組選んできて $P(A \cap B) = P(A)P(B)$ に基づいて方程式を立てればそれで十分です。
(集合の選び方によらず、この場合は独立性からは、本質的に1つの方程式が導かれます。)

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