今回の配付資料と前回の問題の解答例をイントラネットにアップしておきました。
(前回の解答例は少し不備があったので修正版をアップしました)
授業でも触れましたが、配付資料の「予習用問題」はレポート課題ではありません。授業の中でいくつかを消化していく予定ですので、提出は要しません。
また「冬休みのおまけ問題」も授業のレポートとして提出を要請しているものではありません。
興味をもった人はメールで解答を寄せていただければと思います。
(レポートとしてファイルを添付してもらってもかまいません)
2011年12月21日水曜日
第11回の課題レポートについて
本当はマルチンゲールの例を授業で説明した上で挑戦してもらう予定でしたので、考え方が分からなかった人が多かったと思います。すみません。
今日の授業および解答例を参考にしてください。
とにかく条件付き期待値の性質を適切に使うことで、マルチンゲールの定義の等号条件を示すというのが最大のポイントになります。
なお、解答例を修正しました。
問1については、
「$a \ge 0$ のとき劣マルチンゲール、$a \le 0$ のとき優マルチンゲール、$a = 0$ のときマルチンゲール」となります。
つまり、$a=0$ の場合は劣マルチンゲールでも優マルチンゲールでもあるわけです。
つまり、$a=0$ の場合は劣マルチンゲールでも優マルチンゲールでもあるわけです。
そもそもマルチンゲールの必要十分条件は「劣マルチンゲールかつ優マルチンゲール」ですので。
2011年12月20日火曜日
(受領確認)第11回レポート
「金融数理の基礎」第11回分レポートの提出者は以下の通りです。
提出したはずなのに自分のIDが
無いという人は、早めに中川に連絡ください。
IM11F003, IM11F006, IM11F011, IM11F014, IM11F021, IM11F041,
IK11F007, IK11F011, IK11F014
提出したはずなのに自分のIDが
無いという人は、早めに中川に連絡ください。
IM11F003, IM11F006, IM11F011, IM11F014, IM11F021, IM11F041,
IK11F007, IK11F011, IK11F014
2011年12月16日金曜日
12/20(火)「金融数理の基礎」第12回:確率論(マルチンゲールの性質)
次回は、マルチンゲールの続きについて触れます。
準教科書の7.4節の7.4.2項の続き~7.4.4項の内容に触れます。
* マルチンゲール、優マルチンゲール、劣マルチンゲールの定義、およびそれらの簡単な例
* Doob分解、離散時間版確率積分(マルチンゲール変換) ※前回の配付プリント
( 時間があれば、前回触れると言って触れられなかった条件付き期待値の幾何的イメージも…)
という流れで進めたいと思います。
準教科書の7.4節の7.4.2項の続き~7.4.4項の内容に触れます。
* マルチンゲール、優マルチンゲール、劣マルチンゲールの定義、およびそれらの簡単な例
* Doob分解、離散時間版確率積分(マルチンゲール変換) ※前回の配付プリント
( 時間があれば、前回触れると言って触れられなかった条件付き期待値の幾何的イメージも…)
という流れで進めたいと思います。
第10回の課題レポートについて
手計算では大変な数字になってしまい、途中でやる気が失せた人が多いかもしれません。
レポート問題では、私も実際やっていますが、Excelや何らかの計算ソフトを用いて検算してもらってもかまいません。
問1は (3)が考え方として少し難しい以外は、面倒な計算を頑張れたかどうかですね。
(3)は解答例をもう少し噛み砕くと次のようになります。
\begin{align*}
& \int_{-10}^{3.5} gdP_X = \int_{\mathbb{R}} g(x)\mathbf{1}_{[-10,3.5]}(x)dP_X(x) \\
&= \int_{\Omega}g (X(\omega))\mathbf{1}_{[-10,3.5]}(X(\omega))dP(\omega) = \int_{\Omega} g(X(\omega))\mathbf{1}_{\{X(\omega) \in [-10,3.5]\}}(\omega)dP(\omega) \\
&= \int_{\Omega} g(X(\omega))\mathbf{1}_{\{-10 \le X(\omega) \le 3.5\}}(\omega)dP(\omega) \\
&= \int_{\Omega} g(X(\omega))\mathbf{1}_{\{1,5,6\}}(\omega)dP(\omega)
\end{align*}
問2は計算ミスはそれなりに多かったですが、考え方はあっている人が多かったです。今回の授業でやった条件付き期待値の性質をうまく使えばもう少しシンプルに答えられるようになります。
レポート問題では、私も実際やっていますが、Excelや何らかの計算ソフトを用いて検算してもらってもかまいません。
問1は (3)が考え方として少し難しい以外は、面倒な計算を頑張れたかどうかですね。
(3)は解答例をもう少し噛み砕くと次のようになります。
\begin{align*}
& \int_{-10}^{3.5} gdP_X = \int_{\mathbb{R}} g(x)\mathbf{1}_{[-10,3.5]}(x)dP_X(x) \\
&= \int_{\Omega}g (X(\omega))\mathbf{1}_{[-10,3.5]}(X(\omega))dP(\omega) = \int_{\Omega} g(X(\omega))\mathbf{1}_{\{X(\omega) \in [-10,3.5]\}}(\omega)dP(\omega) \\
&= \int_{\Omega} g(X(\omega))\mathbf{1}_{\{-10 \le X(\omega) \le 3.5\}}(\omega)dP(\omega) \\
&= \int_{\Omega} g(X(\omega))\mathbf{1}_{\{1,5,6\}}(\omega)dP(\omega)
\end{align*}
問2は計算ミスはそれなりに多かったですが、考え方はあっている人が多かったです。今回の授業でやった条件付き期待値の性質をうまく使えばもう少しシンプルに答えられるようになります。
2011年12月13日火曜日
「金融数理の基礎」第11回フォロー
今回の配付資料と前回の問題の解答例(Excelファイルも別添で)をイントラネットにアップしておきました。
今日の授業の「コイントス3回での2時点目(2回コイントスした時点)での $\sigma$-加法族 $\mathcal{F}_2$ の要素を全部書き出すと次のようになります。要素は全部で $16=2^4$個あることを確認してください。
これはそもそも$\Omega$ を4つに分割していることに起因するためです。
前回のレポートでも気づいていた人が複数いましたが、一般に $\Omega$ を $n$ 個に分割する集合から生成される $\sigma$-加法族は $2^n$ 個の集合を要素にもつ集合族になります。
\begin{align*}
\mathcal{F}_2 &= \{ \emptyset, \{HHH,HHT\}, \{HTH,HTT\}, \{THH,THT\}, \{TTH,TTT\}, \\
& \ \{HHH,HHT,HTH,HTT\},\{HHH,HHT,THH,THT\},\\
& \ \{HHH,HHT,TTH,TTT\},\{HTH,HTT,THH,THT\},\\
& \ \{HTH,HTT,TTH,TTT\},\{THH,THT,TTH,TTT\},\\
& \ \{HHH,HHT,HTH,HTT,THH,THT\},\\
& \ \{HHH,HHT,HTH,HTT,TTH,TTT\},\\
& \ \{HHH,HHT,THH,THT,THH,THT\},\\
& \ \{HTH,HTT,THH,THT,TTH,TTT\},\Omega\}
\end{align*}
また、今回はマルチンゲール等の定義の説明で終わってしまったので、課題を解くのはすこし大変だと思いますが、ポイントとしては
$\{M_n\}$ という確率過程がマルチンゲールになることを示す場合、適合かどうか、可積分かどうかを確認するということもありますが、一番重要なのは
$$ \mathbf{E}[M_{n+1} | \mathcal{F}_n ] = M_n $$
という等号が任意の時点 $n$ で成り立つことを示すことです。
そのために使う計算のツールは、授業の前半に解説した条件付き期待値の性質になります。
例えば問1では $S_{n+1} = S_n + X_{n+1}$ という変形ができることに注目します。
また、$X_1,X_2,\cdots$ が独立ということは $\mathcal{F}_{n}$ と $X_{n+1}$ が独立ということは、特に断らずに使ってよい性質とします。
問2も $Y_{n+1}^{(k)} = Y_n^{(k)} + $「何か」という変形ができることに注意して、あとは条件付き期待値の性質をいろいろと組合せることで目的に近づくことができるはずです。
今日の授業の「コイントス3回での2時点目(2回コイントスした時点)での $\sigma$-加法族 $\mathcal{F}_2$ の要素を全部書き出すと次のようになります。要素は全部で $16=2^4$個あることを確認してください。
これはそもそも$\Omega$ を4つに分割していることに起因するためです。
前回のレポートでも気づいていた人が複数いましたが、一般に $\Omega$ を $n$ 個に分割する集合から生成される $\sigma$-加法族は $2^n$ 個の集合を要素にもつ集合族になります。
\begin{align*}
\mathcal{F}_2 &= \{ \emptyset, \{HHH,HHT\}, \{HTH,HTT\}, \{THH,THT\}, \{TTH,TTT\}, \\
& \ \{HHH,HHT,HTH,HTT\},\{HHH,HHT,THH,THT\},\\
& \ \{HHH,HHT,TTH,TTT\},\{HTH,HTT,THH,THT\},\\
& \ \{HTH,HTT,TTH,TTT\},\{THH,THT,TTH,TTT\},\\
& \ \{HHH,HHT,HTH,HTT,THH,THT\},\\
& \ \{HHH,HHT,HTH,HTT,TTH,TTT\},\\
& \ \{HHH,HHT,THH,THT,THH,THT\},\\
& \ \{HTH,HTT,THH,THT,TTH,TTT\},\Omega\}
\end{align*}
また、今回はマルチンゲール等の定義の説明で終わってしまったので、課題を解くのはすこし大変だと思いますが、ポイントとしては
$\{M_n\}$ という確率過程がマルチンゲールになることを示す場合、適合かどうか、可積分かどうかを確認するということもありますが、一番重要なのは
$$ \mathbf{E}[M_{n+1} | \mathcal{F}_n ] = M_n $$
という等号が任意の時点 $n$ で成り立つことを示すことです。
そのために使う計算のツールは、授業の前半に解説した条件付き期待値の性質になります。
例えば問1では $S_{n+1} = S_n + X_{n+1}$ という変形ができることに注目します。
また、$X_1,X_2,\cdots$ が独立ということは $\mathcal{F}_{n}$ と $X_{n+1}$ が独立ということは、特に断らずに使ってよい性質とします。
問2も $Y_{n+1}^{(k)} = Y_n^{(k)} + $「何か」という変形ができることに注意して、あとは条件付き期待値の性質をいろいろと組合せることで目的に近づくことができるはずです。
(受領確認)第10回レポート
「金融数理の基礎」第10回分レポートの提出者は以下の通りです。
提出したはずなのに自分のIDが
無いという人は、早めに中川に連絡ください。
IM11F003, IM11F005, IM11F006, IM11F014, IM11F021, IM11F037,
IM11F041, IK11F003, IK11F007, IK11F014
提出したはずなのに自分のIDが
無いという人は、早めに中川に連絡ください。
IM11F003, IM11F005, IM11F006, IM11F014, IM11F021, IM11F037,
IM11F041, IK11F003, IK11F007, IK11F014
2011年12月9日金曜日
12/13(火)「金融数理の基礎」第11回:確率論(条件付き期待値、マルチンゲール)
次回は、条件付き期待値の残りとマルチンゲールについて触れます。
準教科書の7.4節の7.4.1項の続き~7.4.2項の内容に触れます。
(前回触れられなかった5.4.3項にある条件付き期待値の幾何的イメージにも言及したいと思います。)
* 前回配付資料の例題2の追加問題についての解説
* 条件付き期待値の性質
* 条件付き期待値の幾何的イメージ
* マルチンゲール、優マルチンゲール、劣マルチンゲールの定義、およびそれらの簡単な例
*( 時間があれば) Doob分解、離散時間版確率積分(マルチンゲール変換)
という流れで進めたいと思います。
準教科書の7.4節の7.4.1項の続き~7.4.2項の内容に触れます。
(前回触れられなかった5.4.3項にある条件付き期待値の幾何的イメージにも言及したいと思います。)
* 前回配付資料の例題2の追加問題についての解説
* 条件付き期待値の性質
* 条件付き期待値の幾何的イメージ
* マルチンゲール、優マルチンゲール、劣マルチンゲールの定義、およびそれらの簡単な例
*( 時間があれば) Doob分解、離散時間版確率積分(マルチンゲール変換)
という流れで進めたいと思います。
2011年12月7日水曜日
第9回の課題レポートについて(追記)
第9回目の課題レポートをチェックしての暫定的な講評です。
なお、$\mathcal{P}(\Omega)$ と $P(\Omega)$ を混同したと思われる人がいました。
確かに同じ P から派生しているので混乱しがちですが、
$\mathcal{P}(\Omega)$ は集合 $\Omega$ の部分集合全体を表す集合族(ベキ集合)
$P(\Omega)$ は集合 $\Omega$ の確率(つまり1になる)
をそれぞれ意味します。
板書等でも区別つくように書いているつもりではいますが、気をつけます。
(ベキ集合は $2^{\Omega}$ という表記もあるので、そちらが良かったかもしれません)
ただ、見た目で判別しがたくでも、記号の前後の文脈で判断できるようになってほしいと思います。
問1 (1)はよくできていました。
(2) は10個という答えが大半でしたが、答えは16個です。$\{1\},\{2,3\},\{4\},\{5,6\}$ という分割の補集合(余事象)だけを考えていると思いますが、4つ以上に分割されている場合はそれだけではダメです。
$\mathcal{F}$ の要素の和集合はふたたび $\mathcal{F}$ の要素になるので、 $\{1| \cup \{2,3\} = \{1,2,3\}$ などを含めないといけません。
基本的には4つの分割から生成される最小の$\sigma$加法族の濃度は $2^4 = 16$ と言えるのですが、この問題は(3)(4)の観点から $\mathcal{F}$ の要素を全て具体的に書き出してもらって要素の数を確認するのがベストです。
(3)(4) は (2) が正しくないと議論を含めて正解にはなりませんが、それでも議論の方向性は半数くらいの人がマスターしているようでした。
ただ、端的にいうと「可測でない」ことを示すには反例を1つあげればよいのに対し、「可測」であることを示すには全ての可能性を確認するということが必要になります。その点で「可測でない」ことの説明が冗長だったり、「可測である」ことの説明が不十分だったりという人が見受けられました。
また、考え方は基本的に正しいけど、集合論の記号の使い方が正確でないという人が意外と多かったです。
(2)を間違えた人で、(3)(4)とも「可測でない」と答えた人が比較的多かったですが、同じような問いが続いていたので、どちらかは可測になるように問題を作っているのでは?と読んでほしかったですねw
(5) は比較的できていましたが、計算ミス・表記が不十分・$X=0$の場合忘れ、なども見られました。
問2は独立性に関する問題で、授業では十分に扱えなかったせいもあり、特に(2)で確率変数の独立性をどのように定式化するかで迷った感じの人が多いようでした。
(1)は高校数学で扱うレベルの独立性の問題なので計算ミスを除けば考え方含めて比較的よい出来でした。約分できるところを約分しないでいる人が数名いました。
(2)は解答例を参照してほしいのですが、未知数が2つなので方程式を2つ作ればよいという方針は変わりません。そのうち一つは確率の総和は1というところから得られるので、もう一つを独立性の条件から得られるようにすればよいわけです。
確率変数 $X,Y$ が独立であるということは $\mathcal{F}_X, \mathcal{F}_Y$ というそれぞれの確率変数で生成される $\sigma$-加法族を考えたとき
$$ \forall A \in \mathcal{F}_X, \forall B \in \mathcal{F}_Y, \quad P(A \cap B) = P(A)P(B) $$
が成り立つことが必要十分な条件になりなすが、適当な $A, B$ を1組選んできて $P(A \cap B) = P(A)P(B)$ に基づいて方程式を立てればそれで十分です。
(集合の選び方によらず、この場合は独立性からは、本質的に1つの方程式が導かれます。)
なお、$\mathcal{P}(\Omega)$ と $P(\Omega)$ を混同したと思われる人がいました。
確かに同じ P から派生しているので混乱しがちですが、
$\mathcal{P}(\Omega)$ は集合 $\Omega$ の部分集合全体を表す集合族(ベキ集合)
$P(\Omega)$ は集合 $\Omega$ の確率(つまり1になる)
をそれぞれ意味します。
板書等でも区別つくように書いているつもりではいますが、気をつけます。
(ベキ集合は $2^{\Omega}$ という表記もあるので、そちらが良かったかもしれません)
ただ、見た目で判別しがたくでも、記号の前後の文脈で判断できるようになってほしいと思います。
問1 (1)はよくできていました。
(2) は10個という答えが大半でしたが、答えは16個です。$\{1\},\{2,3\},\{4\},\{5,6\}$ という分割の補集合(余事象)だけを考えていると思いますが、4つ以上に分割されている場合はそれだけではダメです。
$\mathcal{F}$ の要素の和集合はふたたび $\mathcal{F}$ の要素になるので、 $\{1| \cup \{2,3\} = \{1,2,3\}$ などを含めないといけません。
基本的には4つの分割から生成される最小の$\sigma$加法族の濃度は $2^4 = 16$ と言えるのですが、この問題は(3)(4)の観点から $\mathcal{F}$ の要素を全て具体的に書き出してもらって要素の数を確認するのがベストです。
(3)(4) は (2) が正しくないと議論を含めて正解にはなりませんが、それでも議論の方向性は半数くらいの人がマスターしているようでした。
ただ、端的にいうと「可測でない」ことを示すには反例を1つあげればよいのに対し、「可測」であることを示すには全ての可能性を確認するということが必要になります。その点で「可測でない」ことの説明が冗長だったり、「可測である」ことの説明が不十分だったりという人が見受けられました。
また、考え方は基本的に正しいけど、集合論の記号の使い方が正確でないという人が意外と多かったです。
(2)を間違えた人で、(3)(4)とも「可測でない」と答えた人が比較的多かったですが、同じような問いが続いていたので、どちらかは可測になるように問題を作っているのでは?と読んでほしかったですねw
(5) は比較的できていましたが、計算ミス・表記が不十分・$X=0$の場合忘れ、なども見られました。
問2は独立性に関する問題で、授業では十分に扱えなかったせいもあり、特に(2)で確率変数の独立性をどのように定式化するかで迷った感じの人が多いようでした。
(1)は高校数学で扱うレベルの独立性の問題なので計算ミスを除けば考え方含めて比較的よい出来でした。約分できるところを約分しないでいる人が数名いました。
(2)は解答例を参照してほしいのですが、未知数が2つなので方程式を2つ作ればよいという方針は変わりません。そのうち一つは確率の総和は1というところから得られるので、もう一つを独立性の条件から得られるようにすればよいわけです。
確率変数 $X,Y$ が独立であるということは $\mathcal{F}_X, \mathcal{F}_Y$ というそれぞれの確率変数で生成される $\sigma$-加法族を考えたとき
$$ \forall A \in \mathcal{F}_X, \forall B \in \mathcal{F}_Y, \quad P(A \cap B) = P(A)P(B) $$
が成り立つことが必要十分な条件になりなすが、適当な $A, B$ を1組選んできて $P(A \cap B) = P(A)P(B)$ に基づいて方程式を立てればそれで十分です。
(集合の選び方によらず、この場合は独立性からは、本質的に1つの方程式が導かれます。)
「金融数理の基礎」第10回フォロー(追記)
今回の配付資料と前回の問題の解答例をイントラネットにアップしておきました。
あと例題2の(3)の解答は
$$ \mathbf{E}[ X | \mathcal{F}_Y] = 3\cdot \mathbf{1}_{\{1,4\}} + 2\cdot \mathbf{1}_{\{2,6\}} + 2\cdot \mathbf{1}_{\{3,5\}} = 3\cdot \mathbf{1}_{\{1,4\}} + 2\cdot \mathbf{1}_{\{2,3,5,6\}} $$
(同じ2の値をとる集合はまとめた方がよいです)および
$$ \mathbf{E}[ Y | \mathcal{F}_X] = \frac{3}{2}\cdot \mathbf{1}_{\{1,3\}} - 2\cdot \mathbf{1}_{\{2,4,6\}} + 3\cdot \mathbf{1}_{\{5\}} $$
と表せます。
これに関連した追加問題を出しておきます。
次回の話とも関連するので予習問題としておきます…
追加問題1:条件付き期待値で与えられる次の4つの確率変数の期待値をそれぞれ求めよ。
$$\mathbf{E}[ X | \mathcal{G}], \mathbf{E}[ Y | \mathcal{G}], \mathbf{E}[ X | \mathcal{F}_Y], \mathbf{E}[ Y | \mathcal{F}_X] $$
追加問題2:以下を単関数表示で答えよ。
(a) $\mathbf{E}[ X^2 | \mathcal{F}_X]$
(b) $\mathbf{E}[ Y^2 | \mathcal{F}_Y]$
(c) $\mathbf{E}[ XY | \mathcal{F}_X]$
(d) $\mathbf{E}[ XY | \mathcal{F}_Y]$
あと例題2の(3)の解答は
$$ \mathbf{E}[ X | \mathcal{F}_Y] = 3\cdot \mathbf{1}_{\{1,4\}} + 2\cdot \mathbf{1}_{\{2,6\}} + 2\cdot \mathbf{1}_{\{3,5\}} = 3\cdot \mathbf{1}_{\{1,4\}} + 2\cdot \mathbf{1}_{\{2,3,5,6\}} $$
(同じ2の値をとる集合はまとめた方がよいです)および
$$ \mathbf{E}[ Y | \mathcal{F}_X] = \frac{3}{2}\cdot \mathbf{1}_{\{1,3\}} - 2\cdot \mathbf{1}_{\{2,4,6\}} + 3\cdot \mathbf{1}_{\{5\}} $$
と表せます。
これに関連した追加問題を出しておきます。
次回の話とも関連するので予習問題としておきます…
追加問題1:条件付き期待値で与えられる次の4つの確率変数の期待値をそれぞれ求めよ。
$$\mathbf{E}[ X | \mathcal{G}], \mathbf{E}[ Y | \mathcal{G}], \mathbf{E}[ X | \mathcal{F}_Y], \mathbf{E}[ Y | \mathcal{F}_X] $$
追加問題2:以下を単関数表示で答えよ。
(a) $\mathbf{E}[ X^2 | \mathcal{F}_X]$
(b) $\mathbf{E}[ Y^2 | \mathcal{F}_Y]$
(c) $\mathbf{E}[ XY | \mathcal{F}_X]$
(d) $\mathbf{E}[ XY | \mathcal{F}_Y]$
2011年12月6日火曜日
(受領確認)第9回レポート
「金融数理の基礎」第9回分レポートの提出者は以下の通りです。
提出したはずなのに自分のIDが
無いという人は、早めに中川に連絡ください。
IM11F004, IM11F005, IM11F006, IM11F014, IM11F021, IM11F037,
IM11F041, IK11F003, IK11F007, IK11F008, IK11F011, IK11F014
提出したはずなのに自分のIDが
無いという人は、早めに中川に連絡ください。
IM11F004, IM11F005, IM11F006, IM11F014, IM11F021, IM11F037,
IM11F041, IK11F003, IK11F007, IK11F008, IK11F011, IK11F014
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