2010年11月29日月曜日

「金融数理の基礎」中間試験答案の返却について

「金融数理の基礎」中間試験の採点答案とメモを本日返却するよう手配します。
(採点した答案・メモについてはコピーをとってあります)

1枚目の答案の氏名右のところに赤丸で囲まれた赤い数字が100点満点での今回の点数です。

共同研究室からメールで連絡があると思いますので、8階の共同研究室のドアのところ個人フォルダから受け取ってください。

中間試験の採点結果について質問・異議等があれば、12月10日(金)までに、直接中川に問い合わせてください。

2010年11月27日土曜日

12/3(金)「金融数理の基礎」第9回:確率論(確率空間、確率変数)

第9回から、確率論の話題に入っていきます。

準教科書の2.6節の2.6.2項までと3.5節の3.5.4項までの内容に触れます。
(予習用資料イントラネットおいておきます)

* 確率空間とその例
* 確率変数
* 確率分布
* 独立性について

という流れで進めたいと思います。

2010年11月26日金曜日

「金融数理の基礎」第8回:中間試験採点講評(速報版)

解答例はイントラネットにアップしておきました。

受験者数は23名。ガチンコ採点の段階ですが、
最高得点は98点(100点満点)。90点台がもう1名、80点台が3名、70点台が4名です。
返却前までに再チェックをするので、得点は変動すると思います。

以下、簡単なコメントです。

問題1。A の正体が全くつかめない人はいないようでしたが、Bが適切にとらえられたかどうかで差がついたと思います。
なお、集合を表す際に要素を { } で囲っていない場合は1点減点しました。
また(4)(6) は片方だけ正解の場合は3点与えました。
(5)は結論に対して2点。理由の説明で多少の表現の不備はおまけしていますが、「全射でない」ことの説明をしていない場合や、明らかに変な説明の場合は減点しています。

問題2。間違い一つにつき4点減点です。5つ以上間違いがあると0点になります。B∪C と書くべきところを B+C と書いている人が少なくありませんでした。こういう表記も無いわけではありませんが、私の授業で集合の和を「+」で表したことは無かったはずですので、今回の採点では×にしました。
「ド・モルガン」のところを「分配則」と書いた人がいましたが、問題の誘導からすると分配則の適用にはなっていません。

問題3。(1)(ア)と(2) は正解している人が比較的多かったです。数字はあっているけれど、端点が閉か開かというところが違っているときは3点だけ与えました。
証明は、10点配点で3点ずつの減点法なので、4つ以上間違いだと0点になり、そういう人が多かったです。

問題4。出来不出来がはっきりした問題でした。4割強の人が15点でした。

問題5。多少の説明不足はあっても、正解にたどり着いていれば10点与えました。10点の人は全体の3分の1でした。φを単関数と捉え直すところで計算ミスがある人が多かったですが、絶対値と平方根の処理の正確さや、積分の定義の本質を押さえた式が書けているかどうかを考慮して部分点を与えています。

問題6。(1)はリーマン積分可能な関数なので、ルベーグ積分もその値に一致することを使えばよい問題です。グラフを描けば積分の値は二等辺三角形の面積になることも分かります。前回の授業では、ルベーグ積分をリーマン積分や広義積分で計算する例を紹介してました。
(2) でも、いろいろ書いていた人がいますが、説明が適切でなければ点はあげられません。優収束定理の仮定が満たされていないことに言及していても、f(x)=0 であることを明示して等号不成立の理由に触れていない場合などは減点しています。

2010年11月23日火曜日

11/26(金)「金融数理の基礎」第8回:中間試験

シラバス等で予告はしていますが、第8回目の授業は中間試験となります。
重要な追加事項は、この記事を更新する形で伝えます。
(もちろん授業中に伝えますし、必要があれば学内メーリングリストでお伝えします)


日時:11月26日(金)20:10~21:25(正味75分)
場所:第3講義室(席順はこちらで指定)

遅刻は試験開始30分まで認める(すなわち 20:40まで)。
また、試験開始30分後から試験終了5分前(すなわち 20:40~21:20)の間は、早く終了した者の退室を認める。


【試験範囲およびその他の注意事項】

  • 試験範囲は第7回目までの授業内容および配付資料。特に板書した内容およびレポート課題の問題については復習しておくこと。試験に関するポイントは授業中に口頭で伝える。
  • テキスト、参考書の参照は不可。ただし、第5回目の授業で配付した「中間試験について」の裏側の枠内部分に手書きでメモしたもののみ参照することを許可する。この、手書きメモは試験答案と一緒に提出してもらう(採点答案といっしょに返却する)。
  • 卓上計算機などの使用は不可とする。
なお、中間試験と期末試験はそれぞれ100点満点で採点するが、最終成績評価は
 max{中間試験の点数, 期末試験の点数} × 0.5 + 期末試験の点数 × 0.5
として100点満点に変換する(通称KH先生方式?)。

2010年11月20日土曜日

「金融数理の基礎」第7回フォロー(更新)

今回の配付資料および前回課題の解答例をイントラネットにアップしておきました。

解答例の問2の(2)は答えは正しいですが、同じ区間が出てくるところがあります。(コピペ部分を直し忘れていました。すみません。修正版をアップしました

2ページ目の下から5行目と3行目の式において、
 3項目の[1/2,3/4) は [3/4,7/8) が正しく、
 5項目の[7/8,15/16) は [15/16,31/32) が正しいです。
 
補足コメントは追って書きたいと思います。

なお、中間試験では、log の積分とか三角関数とかは出しません。
積分としては単関数の積分(これは必出)かせいぜい1次関数の積分ができれば
OKです。
扱う関数も、x^n とか√x とか絶対値とか、高校1年くらいで扱うはずのものです。
(Int という関数は使いますが、それについては授業でやりました)

第6回レポートの講評

第6回目の課題レポートを1次チェックしての講評です。

なお、解答例の問2の(2)は答えは正しいですが、同じ区間が出てくるところがあります。
(コピペ部分を直し忘れていました。すみません。修正版をアップしました
2ページ目の下から5行目と3行目の式において、
 3項目の[1/2,3/4) は [3/4,7/8) が正しく、
 5項目の[7/8,15/16) は [15/16,31/32) が正しいです。


問1のポイントは、与えられた関数φが[0,2π]上で負の値(-1)もとるために、有限個の値しかとらないにもかかわらず、この授業で定義した「単関数」にはならないことに注意することです。
よって、うるさいことを言うと積分は φ = φ^+ - φ^- という風に正部分と負部分(といっても実際には非負値をとるように定義します)に分けて、φ^+, φ^- それぞれを「単関数」と見なして積分するということです。
(なお、こちらに正誤表がありますが、テキストの76ページは∫φdm =∫ φ^+dm -∫ φ^-dm が正しく、
∫φdm =∫ φ^+dm +∫ φ^-dm は誤りです)

三角関数部分の処理はできている人が多かったですが、積分の計算についてはきちんと出来ている人は半分くらいでした。また、|φ| の積分と勘違いしている人もいました。

また、積分の線形性に注目した解法をとっていた人がいました。
それも悪くはないのですが、φの可積分性を先に認めたうえで議論することになるので、この段階での解の方針としては少し注意しないといけません。

問2については (2) は比較的正解者が多かったです。(3)はΣが残ったままの人も多かったですが、解答例のようにうまくΣを処理して正解できた人も私の予想よりは多かったです。
一方、(1)についてはきちんと過不足なく説明できていると思える人はあまり多くありませんでした。
特に、レポートの記述から判断するとf_n(x) の意味を勘違い(x ∈ A_k のときには、f_n(x) = (n-k+1)/n であるが、f_n(x) = Σ(n-k+1)/n のように k までの和をとったもの?だと思っているフシのあるもの)しているような人や、「有限個の非負値をとる」というところが押さえられていないように読み取れる人が多かったです。
((2)以降では適切にとらえられていたので、本質的な勘違いはなさそうですが…)

問3までチャレンジしていた人は半数くらいでした。
実は、準テキストにも載っている、広義積分は存在するが、Lebesgue可積分でない関数の例(88ページの例4.35)を少し表現を変えて出題しています。

(1)定義にしたがって可測性を示そうとしていた人が多く、解答例もその方針で書いてあります。
ただ、その方針で完全に答えられている人はほとんどいませんでした。
また、(可測であることがすぐに分かる)定義関数の定数倍や高々可算個の線形結合になっているので可測という説明の人もいました。

(2) は正解できていた人も数名いました。
これも f = f^+ - f^- と分けて考える方針で、そこまでは思い至った人でもいたのですが、その後の議論が不十分な人が目立ちました。 f^+, f^- は f の定義式からすぐに分かると思ったのですが、 f^+, f^- を見つけあぐねている感じの解答がありました。

2010年11月18日木曜日

(受領確認)第6回レポート

第6回の課題レポートを提出されたIDを確認のため掲示します。

適宜、この記事は更新していきますので、提出したはずなのに自分のIDが
無いという人は、早めに中川に連絡ください。

11/18 21:30 時点の提出者:

IM10F005, IM10F006, IM10F010, IM10F011, IM10F013, IM10F014,
IM10F016, IM10F019, IM10F022, IM10F025, IM10F029, IM10F030,
IM10F031, IM10F033, IM10F034, IM10F035, IM10F037, IM10F039,

2010年11月16日火曜日

「金融数理の基礎」の講義日程変更

当初は、14回目の授業を補講期間中の1/28(金)に行おうと考えていましたが、1/28(金)に優先的に補講を行うことになった授業があります。
その関係で、14回目の授業は2/4(金)に回します。

【今後の講義日程案】

7. (11/19) 積分論(積分の性質)
8. (11/26) 中間試験
9. (12/3) 確率論(確率空間、確率変数)
10. (12/10) 確率論(期待値、条件付き期待値)
11. (12/17) 確率論(条件付き期待値、マルチンゲール)
 ※1/7(金)は月曜授業実施日
12. (1/14) 離散時間モデル(金融市場モデルの定式化)
13. (1/21) 離散時間モデル(ヨーロピアン・デリバティブ評価)
 ※1/28(金)は補講期間のため、通常の授業は行わない
14. (2/4) 離散時間モデル(ヨーロピアン・デリバティブ評価)
15. (2/15) 学期末試験

2010年11月15日月曜日

11/19(金)「金融数理の基礎」第7回:積分論(収束定理)

中間試験の範囲に関係しますので、第7回目の授業予定についても先に示しておきます。
第7回はLebesgue積分の理論において非常に重要な3つの収束定理について説明し、応用例をいくつか見たいと思います。

準教科書の4.2節および4.4節の内容に触れます。
必要な人は予習用資料に目を通してきてください。

* Fatouの補題
* 単調収束定理
* 優収束定理

という流れで進めたいと思います。

2010年11月12日金曜日

「金融数理の基礎」第6回フォロー

今回の配付資料をイントラネットにアップしておきました。

補足コメントは追って書きたいと思います。

なお、中間試験に関して「逆像の問題が25%くらい」と言いました。それは間違いではないのですが、必ずしもf^{-1}(B') を答えよ、という問題が25%出るということではありません。
逆像を理解していなければ、きちんと解答できないタイプの問題が1/4くらいという意味ですのであしからず。
(今日の単関数の積分の練習問題も逆像を理解していないと、Int を単関数として明示できないわけですね)

授業後に、Th.3の証明中に示した
E = f^{-1}((0,∞)), E_n = f^{-1}([1/n,∞)) とおいたとき、
E = ∪E_n
が成り立つ理由についての質問です。

これも逆像の性質を使う大事なところなので、ここでも解説しておきます。
まず、(0,∞) = ∪[1/n,∞) (☆)が成り立つことに注意してください
(この辺は中間試験に向けてよく復習しておいてください)
そのうえで、
 E = f^{-1}((0,∞)) = f^{-1}([1/n,∞))  ∵ 上の(☆)
   = f^{-1}([1/n,∞))    ∵ 和集合についての逆像の性質
  = E_n         ∵ E_n の定義
となります。







(更新)11/12(金)「金融数理の基礎」第6回:積分論(積分の定義)

第6回目は、Lebesgue積分の定義と性質、可積分関数について説明します。
あと、Riemann積分との関係(4.5節)についても触れたいと思います。

準教科書の4.1節および4.3節の内容に触れます。
必要な人は、イントラネットに予習用資料をアップしておきましたので目を通してきてください。

* Lebesgue積分の定義(単関数の場合、一般の非負可測関数の場合)
* Lebesgue積分の基本的性質
* 可積分関数
* Riemann積分との関係(4.5節)

という流れで進めたいと思います。


なお、第5回(10/29分)の課題レポートの締切は11/5(金)です。11/12(金)の授業時には提出するものはないはずなので注意してください

2010年11月5日金曜日

第5回レポートの講評

前回問題の解答例をイントラネット(第5回目の講義のところ)にアップしておきました。

第5回目の課題レポートを1次チェックしての講評です。

そろそろ自分の記号の使い方が適切かどうかを判断できていてほしい頃です。
授業で導入していなかったり、テキストで使われていないオリジナルな記号の使い方をしている人が、まだ結構います。

問1については、正しく理解出来ている人は省略してもよいですが、この手の議論に不慣れな人は最低でもグラフを描くことでその意味を考えてほしかったです。
また、グラフを描いた上で、f^{-1}((a,∞)) をきちんととらえてほしかったところです。
例えば、f^{-1}((a,∞))=A(ある集合)というような答えを自分なりに出したら、
全ての x ∈ A に対して、f(x) (a,∞) となっているかを確認すれば、少なくとも A という答えがだいだい妥当かどうかは分かるはずだと思います。

しっかり正解できていた人は少数でした。
[1,∞), [0, ∞) とすべきところを(1,∞), (0, ∞)というように左側を「開」にしてしまった人が少しいました。
全体としては、逆像の理解がまだ不完全な人がたくさんいるという印象です。

また、f^{-1}((a,∞))の答えが正しくないことを棚上げしても、f が可測関数になる理由の説明があいまいな人が多かったです。a が何であれ、f^{-1}((a,∞))は区間になることに注意して、区間は可測であるという定理に基づいて答えてほしいところでしたが、とにかく可測であると言って途中をごまかしているものが少なからず見受けられました。当然、テストであれば点数にならないか、大幅減点になるところです。

問2については、正確なグラフが書けないことと、写像のイメージが正確にもてなかったことが原因でしょうが、きちんと答えられている人は少数でした。
f^{-1}((a,∞))が a<1 かa≧1で状況が異なるところまでは見通していた人はそれなりにいましたが、特に a<1 のときの逆像をきちんと表現していた人は少なかったです。

また、f が可測関数になる理由の説明が不十分な人が多かったです。a≧1のときの逆像が零集合になることを説明するのがポイントですが、そこを私が十分と判断できるような形で述べる人はあまりいませんでした。問1と同様に、根拠が正しくなければ、可測だと結論づけても評価されません。

逆像に注目しないでも f が可測関数であることを示すことができます。零集合であるQを除いて、f = 1 a.e. ということは言えます。定数関数で可測だということからfも可測だということも容易に言えます。
そうしたニュアンスの解答もありました。

問3については、根本的に問題を勘違いしている人が少しいました。問1,問2と違って、与えられたB'についてのみ逆像を求めればよいのですが、問1,問2のように場合分けを持ち出している人がいました。また、「B'=1」とかB'>1」といった集合と実数の等式・不等式関係を条件にしている人がたくさんいました。
言いたいことはわかりますが、集合と数字の間で、両者が等しいとかどちらが大きいとかいう表記は意味をもちません。

また、再三述べていますが、逆像 f^{-1}(B')の正体は、実数上の集合になります。外延的にせよ、内包的にせよ、あるいは区間の形やN, R にせよ、「集合」であることが明示的になるように答えてほしいところです。
{ } で囲まないで要素だけを並べたり、{(-1, -0.5],[0.5, 1)}といった表記は気持ちは分かりますが、集合という意識が欠けているという判断になります。また、(-1, -0.5],[0.5, 1)という答え方よりは、区間どうしの和集合として、(-1, -0.5]∪[0.5, 1)と和集合の形で書いてほしいです。

(3)(4)は答えの表現方法として不十分なものは目立ちましたが、考え方はあっている人がそれなりにいました。(2)はこちらの思惑通り、負の範囲の区間を忘れている人が若干いました。あと、意外と(1)の出来がよくありませんでした。

問4は、「引っかからないように」と言っておいたせいかどうか分かりませんが、正解者が多数いました。1往復目はたぶん問題ないのですが、2往復目の往路がポイントですね。


(受領確認)第5回レポート

第5回の課題レポートを提出されたIDを確認のため掲示します。

適宜、この記事は更新していきますので、提出したはずなのに自分のIDが
無いという人は、早めに中川に連絡ください。

11/5 20:30 時点の提出者:

IM10F001,
IM10F004, IM10F005, IM10F006, IM10F011, IM10F012,
IM10F013, IM10F014, IM10F016, IM10F019, IM10F022, IM10F024,
IM10F025, IM10F029, IM10F030, IM10F031, IM10F032, IM10F033,
IM10F034, IM10F035, IM10F037, IM10F038, IM10F039, IM09F008

2010年11月4日木曜日

11/5(金)オフィスアワー

11/5(金)は授業が無い日ですが、20:00~21:30(くらい)をオフィスアワーに設定します(20:00までは博士課程のゼミをしています)。
質問などがあれば、アポ無しで私のオフィス(805号室)に来ていただいてかまいません。

※誰も来なければ,レポートのチェックの仕事をしています。