授業で扱う予定はありませんが、FRM受講者向けに以下の書籍を紹介しておきます。
ICS図書室にもリクエストしてあります(まだ一橋大学図書室HERMESの検索では出てきません)。
Massimo Morini,
Understanding and Managing Model Risk: A Practical Guide for Quants, Traders and Validators,
The Wiley Finance Series (2011)
「モデルリスク」というとかなり限定的な話題のように思えますが、実際にはファイナンスの広範なモデルを取り上げられており、モデルリスクというものが、いろいろなところでいろいろな形で浮かび上がっている状況に気づかされます。
3章の途中までざっと読みましたが、ファイナンスのモデルの特徴と限界について、最近の金融危機をふまえつつ、実データや簡単な例をもって明らかにしていき、適正でないモデルを使うことの危険性と対処法についても言及しています。また、そうした議論を通じてファイナンスの知識やリスク概念を整理するという形式がところどころで使われており、ファイナンス理論のサブテキストとしても使えると思います。
ただし、入門書としては使いにくいと思われます。他のファイナンスやリスク計量のテキストを勉強したことがあれば、違った角度でファイナンス理論やリスクマネジメント理論を眺めることができて、きわめて有用だと思います。
※個人的に、このテキストの私的勉強会に何回か参加させていただく予定ですので、そこで得た知見なども授業でお伝えできるかもしれません。
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