学生の皆さんの授業評価コメントをまとめたものが共同研究室から送られてきました。
今年度も、おおむね好意的に評価していただきました。
以下、皆さんのコメント(お褒めの内容については割愛させていただきます)および、それに対する回答です。
また、コメントは原文そのままではなく、要点が分かるように私が適当に編集したものも含まれています。
「数学的な基礎部分の比重が想定よりも多かった。慣れていないのもあり、理解度半分だった」
「前半部分(測度論)はちゃんと理解できていない。かなり復習が必要だ」
「内容の密度が濃く、基礎科目レベルの授業ではない。やるなら、内容を前・後期に分割すべきである」
「前半は具体的な話題かと思っていたが、実際はかなり抽象的な議題が多く難しかった。理解度は低い。自分で使いこなすのは難しい」
「イメージしていたよりも難しかった。自分の努力が足りず、理解が進んでいない」
「…スピードが速く理解が追いつかないところもあった」
「…理解は前半は難しかったのでいまいちだったが後半はよくわかった」
「内容が抽象的すぎて、とっつきにくい。(財務系の学生には特に。)」
(回答)授業の難易度設定としては「難しかった」「分からなかった」「速すぎた」という評価もある程度あるくらいがちょうどよいかと(勝手ながら)思います。確かに内容として、前半は集合論・測度論・積分論という抽象数学を易しめのトピックに絞りつつも淡々とハイペースでこなしましたから、数学の授業から遠ざかっていた人が普通の量の勉強では内容を理解するのは大変だったとは思います。そうした状況を放置したままというのもよくないので、少しずつ変えていきますが、苦しくても勉強してもらうことでしか得られないこともあると思います。
ただ、試験では中間・期末のいずれにしても、自分でポイントを書き込んできたものを参照OKとしましたし、どんな問題を出すかについても授業中にだいぶヒントを出していました。その意味で数学の知識自体よりも、(私の独断ですけれども)定義を大事にして素朴な演繹が理解できる程度にロジカルに考える能力を、数学の試験という形で問うということを主眼にしたつもりです。
また授業でも知識の修得もできればしてほしいですが、それよりも数学的な思考というものはどういうものかについて、多少なりとも感じてもらうことが大事だと思います(実際は、いろいろと制約もあり、あいまいにしたりいい加減なままにしたりする部分も多くても申し訳ないのですが)
「前から分っていたことだが、実際の金融市場への応用部分がもう少しあればよかったと思う」
「後半のデリバティブの計算の時間がもっと多いとありがたかった」
(回答)正直、分かった気にさせたり、試験問題を作ったりするという視点からすれば、デリバティブをメインにした内容編成(シュリーブ1巻を教科書にしていた以前の授業スタイル)にした方が私もやりやすいのです。ただ、それよりもあえて集合論とか
測度論に触れてもらうことが、少なからず後々役に立つこともあるかなぁ、と思ったり。
今年度は少し純粋数学パートのボリュームを減らして金融市場モデルの方に時間を回す予定です。とはいえ、トータルでは数学ボリュームは変わらないと思いますが。
「先生は、教え方と板書の仕方が非常にうまいので、学生時代予備校の講師でもおやりになっていたのだろうかなと思ったりした」
(回答)メジャーな予備校で教えたことはないですけど、塾講師は通算8年くらいしてました。とはいえ、教え方がうまいと自分で思ったことはほとんどありません。まあ、もう少し広い黒板とかホワイトボードがあればいいと思います。
「いい授業なだけにハードルをもう少し下げれば、より学習の意欲が生まれたのでは、と思う」
「非常に役立ったので、来年もこのスタイルが良いと思う」
「社会人大学ではなかなかない授業内容だと思う。続けてほしい」
(回答)はい。そういう声に応えられるよう、できるだけ多くの学生の学習意欲を少しでも高められるように改善を図りたいと思います。もちろん譲れないところは譲らずに。
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