【授業の概要】(※ 2011 年度までと大きく授業内容・形態が変わります)
金融リスク(市場リスク・信用リスク)の計量に関するいくつかの論文の講究を通じて、モデルの理論的背景(特に数学的議論)の理解を深め、実際の金融リスク・マネジメントとの距離感や実用化の方法などについて議論する。
【履修のための条件】計量ファイナンス系のM2 向け科目という位置づけだが、意欲があれば誰でも受講可能。
【授業の目的・到達目標】
金融リスク計測に関連するモデルの理論的側面について、数学的議論を通じてきちんと理解することを目指す。くわえてモデルの実証方法を理解し、部分的に論文中の手法を再現できるようにリスク計測技術の向上も目指す。さらに、専門学術雑誌に掲載された学術論文をきちんと読む姿勢を身につけることも副次的に目指す。
【授業計画】(※ 2012 年1 月段階の構想のため変更の可能性あり。詳細は4 月初めに告知予定)
1. (4/3) Guidance & Introduction : 講義全般のオリエンテーション
2-3. (4/10, 4/17) 社債スプレッドと流動性:Chen et al.(2007)
4-6. (4/24, 5/1, 5/8) VaR の感応度分析:Gourieroux et al.(2000)
7-9. (5/15, 5/22, 5/29) デフォルト相関とコピュラ:Li (2000)
10-12. (6/5, 6/12, 6/19) リスク・ファクターモデル:Gordy (2003)
13-15. (6/26, 7/3, 7/10) 構造型モデルの原点:Merton (1974)
※海外出張などにより、スケジュール変更の可能性あり
【直接扱う論文】
[1] Chen, L., D. A. Lesmond, and J. Wei, “Corporate yield spreads and bond liquidity,” The Journal
of Finance, 62, 119-149 (2007)
[2] Gordy, M. B., “A risk-factor model foundation for ratings-based bank capital rules,” Journal of
Financial Intermediation, 12, 199-232 (2003)
[3] Gourieroux C., J. P. Laurent, and O. Scaillet, “Sensitivity analysis of Values at Risk,” Journal of Empirical Finance, 7, 225-245 (2000)
[4] Li, D., “On default correlation: a copula function approach,” Journal of Fixed Income, 9, 43-54
(2000)
[5] Merton, R. C., “On the pricing of corporate debt: the risk structure of interest rates,” The Journal of Finance, 29, 449-470 (1974)
【他の授業科目との関連】「金融数理の基礎」「金融数理」「金融データ分析の基礎」「統計科学の数理」などの授業を一通り履修しており、確率論・統計学の基本的な事項を修得していることを期待する。
【成績評価の方法】平常点(小レポートや課題への取組、発言内容など)。いわゆる筆記試験は行わない
【学生へのメッセージ】予習に相当時間をかけないと授業について来られないはずです。席に座って何かを教わりたいという姿勢の人は最後まで続かないでしょう。
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