2011年2月16日水曜日

「金融数理の基礎」:期末試験採点講評

解答例はイントラネットにアップしておきました。
(解答例の問題3(1)の(b)(e) はW_k^Δではなく、W_N^Δが正しいです。直しておきました)

受験者数は22名。一通りの採点は終了しましたが、問題冊子に示したとおりの配点でガチンコ採点すると、大変なことになってしまうので、問題冊子の配点は無視してできるだけ加点していくように見直しました。
今回の採点結果に多少下駄をはかせるような得点調整を行うかもしれません。
また、課題レポートの提出状況およびその出来具合を勘案して最終的な成績を決めるつもりです。しかし、一昨年度・昨年度に比べて出題範囲こそ少し変わっていますが、試験問題の難易度はあまり変えていないつもりですので、必要以上に救済するつもりはありません。


なお、期末試験だけの採点での最高点は93点(1名)です。
他に90点台が2名、80点台が2名でした。

また、大問別の平均点は以下の通りです。
問題1:23.5 (/32点)   問題2:5.9 (/18点)  問題3:15.2 (/30点)  問題4:14.2 (/20点) 



以下、簡単な講評です。

問題1:出来が悪かった問いとしては (5), (4), (3)のE[Y], (2) といった順になるかと思います。
32点満点中で30点台の人も6名います。例題や演習課題を復習しておけば8割くらいは対応できるはずと思って出題しましたが…

問題2:こういうタイプの出題は予想していなかった人が多かったのか、出来は悪かったです。
確かに唯一演習などで扱っていなかったタイプの問題ですが、条件付き期待値とマルチンゲールの性質を理解していれば部分点を稼げたと思います。

問題3:採点をだいぶ甘くしました。全体に出来は良くなかったです。(4) (a) はリスク中立評価式をメモしていれば点がとれる問題のつもりで出題しましたが、出来は良くなかったです。その代わり(4)(b)はけっこう出来ている人が多かったです。
(1)の命題の否定も出題予告した割に出来は良くなかったです。(3)のP(S_3=u^2dS_0) は9/64 という人が目立ちましたが、これを3倍しないといけません。また、この確率の答えが1を超えている人がいました…


問題4:満点(ほぼも含めて)は9名いました。一方で(1)が正解でも、(2)(3) の答えが間違っている人が目立ちました。ただ、全体的に部分点を奮発しています。


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