2009年12月9日水曜日

2010年度の担当授業について

まだ最終確定しているわけではありませんが、これを書いている時点での2010年度の時間割案における私の修士向けの担当授業と開講時期・曜日時間は以下のように案になっています。

「ファイナンシャル・リスク・マネージメント」は春学期火曜2限に実施
(昨年度、今年度と「金融数理の基礎」をやっていた時間帯です。こちらは動かない可能性が高いです)

「金融数理の基礎」は秋学期火曜1限に実施
(こちらは学期は秋学期のままだと思いますが、曜日時間は動く可能性が残っています)。

「ファイナンシャル・リスク・マネージメント」については、昨年度、今年度とやってみて、それなりに内容としての落としどころが見えてきた気もするが、ある意味で金融リスク管理の話題は生ものの素材であることに留意したいとも思っている。基本的には今年度の内容をベースにしていくつもりではある。

「金融数理の基礎」は秋学期に移すこともあるし、過去2年の反省(?)をふまえて、内容を大きく変えるつもり。基本的には離散時間モデルの枠組みで、マルチンゲールという概念を通じてオプション価格評価法を理解するというコンセプトなので、これまでと主目的は変えないつもり。
しかし、これまでは比較的高度な概念を具体的な計算を通じて理解してもらうことに重きをおいていたつもりだったが、試験や宿題を採点していて、計算はそれなりにできているが、その意味についてどれほど理解しているのかについて疑問符がつくような解答も少なくなかった。

ということで、オプション理論としての深みはなくなっても、
きちんと数学的思考で最も基本的な結果に到達することの方が、この授業のコンセプトとしては重要であるという考えに傾いている。

ということで、来年度は「集合と位相」「測度論」「積分論」などについて関連する話題にも、むしろ積極的に踏み込んで、抽象的な議論にも慣れてもらうことを意図しようかと思っている。
もちろん、基礎科目であるということは忘れていないので、いたずらに難しいことを教えるつもりはない。この分野を厳密に理解するには、こういう数学が必要なのですよ、というツアーガイドとしての役割が果たせればよいというくらいの考えでいる。

とは言いながら、そういう授業をしたことがないので、資料を収集しているところ。
手始めに、30講シリーズを取り寄せたので、数学が専門でない人向けに、集合や測度をどのように導入すればよいかをじっくり考えていきたい。


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