2011年9月27日火曜日

10/4(火)「金融数理の基礎」第1回:Guidance & Introduction

第1回目は、講義内容についてのガイダンスとオリエンテーションが主な内容です。
ただし、現在の高校数学Aで履修することになっている「論理と集合」と大学前期レベルの真偽表についての知識確認をexercise込みで行いたいと思います。

* 授業の到達目標の説明
* 準教科書・参考書について
* 高校数学A「論理と集合」および真偽表に関する知識確認

という流れで進めたいと思います。

また、イントラネットのこちらに「集合・写像」に関する基礎的内容の予習用資料をアップしておきました。
(この講義の第1回目のところにもアップしてありますが、履修登録しないと閲覧できないようなので、
一般のDocument/Others カテゴリの[FSコース向け]金融数理の基礎-予習用資料です。10/3までアップします)
※講義でもこの資料について部分的に触れます。受講予定者は事前に目を通しておいてください。

準教科書として挙げている
 M.ツァピンスキ, E.コップ(二宮 祥一, 原 啓介翻訳), 『測度と積分-入門から確率論へ』, 培風館(2008)
は、あいかわらず入手困難な状況で申し訳ありませんが、なくても授業で必要なことについてはカバーしますし、
別途フォローもします。

なお、原著はこちらになります。
Marek Capinski, Peter E. Kopp, Measure, Integral and Probability. 2nd ed. [Paperback], Springer(2004)

2011年9月15日木曜日

2011年度「金融数理の基礎」関連企画-ファイナンスへの関数解析

今年度の「金融数理の基礎」の授業も、集合論・測度論・積分論の必要最小限の講義をし、それらを基にして確率論の導入を図るという流れを予定しています。

一方で、例年授業アンケートで、もっと先の確率解析に関する授業も受けたいという意見もありながら、対応できていないのが現実です。

そこで、今年度は秋学期の火曜1限の「金融数理の基礎」に続く形で、隔週ペースではありますが、引き続き火曜2限に「ファイナンスのための関数解析」と称した連続レクチャーを企画しました。 講師は博士課程学生の足立さんにお願いすることにします(要は、足立さんの教育プログラムの一つとして位置づけてもいます)。私はプロデューサー(足立さんの指導教員)という立場で参加の予定です。
なお、ICSの正規の授業ではありません。どちらかというと「公開博士課程セミナー」です。従って単位はでません。

興味のある方は1限の授業に続き、ご参加ください。もちろん、都合3時間、ガチに近い数学のレクチャーを受けるというのは大変なことだと思いますが…
もちろん、「ファイナンスのための関数解析」だけに参加するという方も歓迎ですが、いちおう私に連絡をください。
(※大上先生の授業時間と重なってしまうために、参加できない方もいると思いますが、ご容赦ください)

詳細は、こちらのページをご覧ください。初回は10/4(火)の20:00~ で、だいたい2週に1回のペースになると思います(中間試験、期末試験の前の週は避けるとか、出張関係で変則的になることはあると思います)。


なお、参加希望者が多ければ、第3講義室を予約するようにしますし、それほど多くなければ8階セミナー室を考えていますが、初回は第3講義室にお集まりください。

2011年度の金融数理の基礎

2011年度の「金融数理の基礎」は、2010年度と同じように、離散時間モデルにおけるデリバティブの価格付け理論の理解を最終的な目的とする予定です。
ただし、そのために必要となる確率論の知識・考え方および、さらにその前提となる集合論・測度論などの基本的な知識・考え方まで立ち戻って理解してもらうことを目指します。

ただし、2011年度は、期末試験を除いて15週の授業を行うように学年暦が作られていますので、2010年度よりは若干後半のところを余裕をもって話せるかと思います。
(と言いつつ、コアの部分は14回分で完結できるように構成する予定です)


【授業の内容・計画】

1. (10/4) Guidance & Introduction : 講義全般のオリエンテーション(高校数学の『論理』の復習)
2. (10/11) 数学独特の記号、表現、論理、集合論(集合、写像)
3. (10/18) 集合論(集合、写像、集合族、濃度)
4. (10/25) 測度論(測度、外測度)
5. (11/1) 測度論(可測関数)
6. (11/8) 積分論(積分の定義)
7. (11/15) 積分論(積分の性質)
8. (11/22) 中間試験
9. (11/29) 確率論(確率空間、確率変数)
10. (12/6) 確率論(期待値、条件付き期待値)
11. (12/13) 確率論(条件付き期待値の性質、マルチンゲール)
12. (12/20) 確率論(マルチンゲールの性質)
13. (1/10) 離散時間モデル(金融市場モデルの定式化)
14. (1/17) 離散時間モデル(ヨーロピアン・デリバティブ評価)
15. (1/24) 離散時間モデル(ヨーロピアン・デリバティブ評価)
16. (2/7) 学期末試験


【テキスト・参考文献】

1. M. ツァピンスキ, E. コップ(二宮祥一, 原啓介翻訳), 『測度と積分-入門から確率論へ』, 培風館(2008) ※準教科書(ただし、邦訳は入手困難)。原著は、Marek Capinski, Peter E. Kopp,
Measure, Integral and Probability. 2nd ed. [Paperback], Springer(2004)

2. 今岡光範他『これだけは知っておきたい教員のための数学I -代数・幾何』, 培風館(2007) ※準教科書

3. S.E. シュリーヴ(長山いづみ他訳)『ファイナンスのための確率解析I -二項モデルによる資産価格評価』シュプリンガー・ジャパン(2006) ※参考書

※ 2~3 回目は[2]の第1 章の記述に沿って、4 回~14 回については[1]の第2章~第4章、第7章の記述に主に沿って解説する予定。[3] は13~15 回目で内容に少し言及したい。その他、授業中やブログで参考文献を紹介する。

※入手困難な文献については、適宜予習用資料を別に用意する。