2009年4月30日木曜日

「フィナンシャル・リスク・マネジメント」第4回フォロー

配布プリント(課題付き)とプレゼン資料と関連するファイルをイントラネットにアップしておきました。

前回の宿題レポートの提出を確認できたのは、以下の12名です。
提出したはずなのに自分の id が載っていないという人は至急連絡ください。

IM05F023, IM08F007, IM08F010, IM08F013, IM08F014, IM08F020,
IM08F028, IM08F029, IM08F030, IM09F014, IM09F017, IK09F002

略解をイントラネットにアップしておきました。
簡単なコメントをしておきます。

(ii) で、線形近似が正規分布に従うことは分かっていながら、分散の計算の仕方が正しくない人が少しいました。間違えた人は復習しておいてください。
(iv) は準教科書の例2.18の式を知らないとできないと思います。式を正確に覚えなくてもよいですが、正規分布の場合は公式でESも計算できるということは記憶にとどめておいてください。

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「金融数理の基礎」第3回分宿題レポート【返却】

「金融数理の基礎」第3回分の宿題レポートを返却します。

共同研究室からメールで連絡があると思いますので、8階の共同研究室のドアのところ個人フォルダから受け取ってください。

採点内容やコメントについて質問・異議等ありましたら、直接中川まで。

2009年4月28日火曜日

「金融数理の基礎」第4回フォロー

宿題プリント(配布したもの)および前回の宿題の解答例(問3の解説が昨年度のままだったので修正しました)をイントラネットにアップしておきました。

前回の宿題レポートの提出を確認できたのは、以下の20名(順調に提出者が減少しています!)です。
提出したはずなのに自分の id が載っていないという人は至急連絡ください。

IM08F014, IM08F019, IM08F033, IM08F036, IM09F001, IM09F002,
IM09F006, IM09F007, IM09F012, IM09F014, IM09F016, IM09F017,
IM09F022, IM09F023, IM09F024, IM09F025, IM09F031, IM09F032,
IM09F037, IM09F041

以下、コメントです。

問1 は教科書の ωn+1=H の場合の証明を参考にすればできますが、どういう根拠を使って式変形しているのか説明不足に感じられるものにはコメントしています。
ほとんどの人が証明の内容を理解しているとは思いますが、式変形の際の根拠がレポートに中に触れられていないということは、よく分からないまま書き写している可能性を払拭できないので、評価上は少し減点することになります。

また、付け足しの計算問題を忘れていたのか解答していない人や、計算ミスの人が少なからずいました。

問2は(0) は皆さん正解でした。(i)(iii) は答え方がまだ分かっていない人が若干いました。あと、式はできるだけ整理した形で書くようにしてください(減点まではいきませんが)。
(i) の答えの中で、r=0.03 であることや u = 2.5 としていることを途中で忘れている人がいました。
(ii) は正解している人は半数くらいでしょうか?手計算派とコンピュータ派は今回も半々といったところでしょうか。
コンピュータ派の人も、試験対策として手計算の練習はしておいてください。

問3は、二項モデルと同様の複製戦略を考えようとして、未知数2つに対して、制約となる方程式が3つあり、解が求まらないという議論をしている人がいました。その考察自体は間違いではないのですが、では価格をどう与えるのか?をさらに一歩進めてほしかったと思います。
解答例で最初に紹介している方法は、すぐにはピンとこないかもしれませんが、自分で図を描いたりして説明の意味を考えてみてください。
同じような考え方は、アメリカン・デリバティブの価格付けのところで使います。

また、リスク中立確率が存在するとしてリスク中立価格評価式を持ち出して議論する人も多かったです。(複製の議論と併記している人もいました)
確率であるという要請があるので、3つの確率の和が1であるという条件には多くの人が気づいていました。
ただ、リスク中立ということから導かれる条件や、いすれの確率も正の値であるという不等式条件まで考慮している人はあまりいませんでした。

無裁定という条件だけを使って数理ファイナンスで用意される答えは、公正価格は 0.6<V_0<1.2 を満たさないといけないというものですが、そこまでたどり着いている人は一人でした。
(計算ミスや条件を忘れていなければこの答えにたどりついたかもという人はあと二人くらいいました)

また、無裁定条件だけでなく、非完備市場で価格を一意に求めるために、元の確率測度とリスク中立確率の「距離」が最小になるとか、エントロピーが最小になるとか、別の条件を持ち出して一意に求めるということに言及している人が二人いました。
よく勉強されていると思います。ただし、どうしてそのような追加条件を求めることが適当であるかについて、ファイナンス的に説明できるようにしてほしいと思います。

2009年4月27日月曜日

4/30(木)「フィナンシャル・リスク・マネジメント」第4回:市場リスク(2)

第4回目は、VaRとES算出に関する話題の残りです。

準教科書でいうと、2.3.2, 2.3.3, 2.3.5 項の内容に触れます。3.1.4 項の内容にも少し触れます。

  • ヒストリカル法およびモンテカルロ法による VaRの計測の概要
  • 正規性および独立性の検定に関して
  • バックテストの考え方
準教科書が手もとにあれば、該当部分にざっと目を通しておいてください。

また、第1回レポート課題(成績評価に直結するもの)の説明も行います。

2009年4月24日金曜日

「フィナンシャル・リスク・マネジメント」第2回分課題レポート【返却】

「フィナンシャル・リスク・マネジメント」第2回分の課題レポートを返却します。

共同研究室からメールで連絡があると思いますので、8階の共同研究室の
ドアのところ個人フォルダから受け取ってください。

採点内容やコメントについて質問・異議等ありましたら、直接中川まで。

4/28(火)「金融数理の基礎」第4回:二項モデルの確率論的整理(1)

第4回目は、教科書の2.1節~2.3節の内容を扱います。また、準教科書の1.1節の内容にも言及します。特に「条件付き期待値」の定義は、準教科書に書かれているものを紹介する予定です。

前2回は「ファイナンス」が背景にあることを前提にした数学モデルの話をしましたが、第4回は純粋に「数学」の話が中心になります。

また、第2回の宿題(d<1+r<u が無裁定の十分条件であること)についても復習したいと思います。

予習時のポイント(授業において重点的に説明するところにもなります)として、以下の項目を挙げておきます。

  • 有限確率空間、確率変数、分布、期待値などの用語の確認(すでに授業の中で使っていますので、この辺はさらっと進める予定です)
  • 条件付き期待値の記法と何を表しているかのイメージ
  • 条件付き期待値の重要な性質

2009年4月23日木曜日

「フィナンシャル・リスク・マネジメント」第3回フォロー

配布プリント(課題付き)とプレゼン資料と第3回の演習用のデータをイントラネットにアップしておきました。

また、第1回目のレポートは授業前に返却しましたが、欠席した人の分は共同研究室のフォルダに入れてもらうようにしました。

※今回のレポート課題は「問2」だけです。

前回の宿題レポートの提出を確認できたのは、以下の14名です。
提出したはずなのに自分の id が載っていないという人は至急連絡ください。

IM05F023, IM08F007, IM08F010, IM08F013, IM08F014, IM08F020,
IM08F022, IM08F028, IM08F029, IM08F030, IM08F036, IM09F014,
IM09F017, IK09F002

なお、第2回目のレポート課題の問1は準教科書の例2.4と例2.5の内容をまとめてあるだけの場合は特にコメントしませんので、ご容赦ください。オリジナルなことを書いてある場合にはコメントをつけます。

問2 は全て正解していたのは3名でした。
何人かの人は(5) のLに対する99%ESを、約6280万円(6.28)と算出している人がいました。
これは Lの99%VaRが5と求めていたので、L≧5 としたときの条件付き平均をそのまま計算してしまったのでしょう。
授業でも説明したように、きっちり99%以上のところだけの平均をとる必要があるので注意が必要です。

また、説明なしに正規分布のときのVaRやESの計算式を持ち出している人がいましたが、この場合はそのままでは使えません。
二項分布を正規分布で近似するという文脈で、正規分布のときのVaRやESの計算式を使っている人がいましたが、今回の設定ではVaRもESも正確な値に比べてかなり低い数字が出てしまうようです。

あと「劣下方性」とか「劣化法性」とかの記述もありました・・・

今日の授業中に問1で演習したような離散分布に対する VaR と ES の計算は、期末試験でも必ず出題します。
VaR や ES になじみのない人には、今回の説明は不親切だったかもしれませんが、数式に振り回されず、VaR や ES の根本的な意味を考えれば、どう考えればよいかを自分自身の力で見いだせるはずです。良く考えてみてください。
そのうえでVaR や ES の定義の数式を見直すと、意味するところが理解できてくるようになると思います。

あと今回は市場リスクに対するVaR と ES 計算方法について概説したわけですが、「市場リスク」が何を指しているのか、という質問を受けました。
確かにそこは明確に定義していませんでした。

準教科書には「市場リスクとは、株や債券の価格、為替、商品価格など基礎的要素の価値の変化によって、それに依存する金融資産の価値が変化するリスク」(準教科書1.1.2項より引用)とあります。

「基礎的要素」という用語が多少あいまいですが、現実には、取引するための市場が存在していて、客観的な価格なり値(実際の取引値ではなく、bid と ask かもしれませんが)を少なくとも日次で取得できる金融商品や金融指標(あるいはそれらを変換したもの)のことを「基礎的要素」と考えればよいのでしょう。

蛇足ですが、「客観的な価格なり値」は、実際取引可能な価格を意味していませんし、流動性の低い資産であれば、両者はかなり乖離するはずで、「流動性リスク」を考慮する必要があることはいうまでもありません。

実務的な市場リスクおよび流動性リスクの対応については、こちらやこちらが非常に参考になると思います。

2009年4月22日水曜日

「金融数理の基礎」第2回分宿題レポート【返却】

「金融数理の基礎」第2回分の宿題レポートを返却します。

一度書いたコメントを消したり書き直したりして、レポート用紙を汚くしてしまっている人が今回もいます。すみません。

コメントを消しているのは、私が比較的最初の方でレポートをチェックしている場合や初見ではその人の解答ロジックが私にスッと入ってこない場合が多く、他の人のレポートをチェックしたり、じっくり読み直したりしているうちに、私が適当でない(あるいは的外れな)コメントを書いていることに気づくというパターンです。

私があまりコメントしていないレポートは、私から見て特に問題がなく(あるいは少々ミスしていても、私が理解しやすいロジックで説明してあって細かいところをスルーしている)良くできていることを意味しています。

共同研究室からメールで連絡があると思いますので、8階の共同研究室のドアのところ個人フォルダから受け取ってください。


採点内容やコメントについて質問・異議等ありましたら、直接中川まで。

2009年4月21日火曜日

「金融数理の基礎」第3回フォロー

※アンケートの「速すぎる」に2票(1票は少し速いから移動?)入りました!
授業はテキストの該当箇所を一度はしっかり読んでおいてもらうことを前提に組み立てていますので、真っ新で授業に臨まれると、さすがに速いと感じると思います。それに授業時間内に完全に理解できるというわけでもないと思いますので、復習も忘れずに。

最後にやってもらったプット・オプションの計算練習は是非自分なりに完結するようにしてください。

あと、年を重ねてくると実行に移しにくいとは思いますが、授業中に「少し待ってください!」と言うのも学生の権利です。

宿題プリント(配布したもの)および前回の宿題の解答例をイントラネットにアップしておきました。

前回の宿題レポートの提出を確認できたのは、以下の22名です。

提出したはずなのに自分の id が載っていないという人は至急連絡ください。

IM06F023, IM08F014, IM08F019, IM08F022, IM08F032, IM08F033,
IM09F001, IM09F002, IM09F006, IM09F007, IM09F010, IM09F012,
IM09F014, IM09F016, IM09F017, IM09F022, IM09F023, IM09F025,
IM09F031, IM09F032, IM09F037, IM09F041

以下、コメントです。

問1はしっかり解けている人もいましたが、全体的に出来が良いとは言えませんでしたので、次回の授業で解説します。

問題文のエッセンスは、(X_0 = 0 として)
(★)「0<d<1+r<u ⇒全ての実数Δ_0 に対して 『P(X_1<0)>0でない ⇒ P(X_1>0)>0でない』」
を証明せよということです。

否定で条件付けられると分かりにくいので、『』内の命題を対偶で表します。
(元の命題(A ⇒ B)とその対偶(「Bでない」 ⇒「Aでない」)は真偽が必ず同じになるというのは、誰もがどこかで習っていると思いますが・・・)

上の『』内の命題の対偶は
『P(X_1>0)>0 ⇒ P(X_1<0)>0』
になります。

ここで、(A ⇒ B)というのは、(「A でない」または B)と同値だと話したと思いますので、 ⇒ を使わずに表すと
『P(X_1>0)=0 または P(X_1<0)>0』
となります。
これを別の表現にすると『P(X_1≦0)=1 または P(X_1<0)>0』と表せます。これは授業でも説明した形のはずです)

ということで、
「0<d<1+r<u ⇒全ての実数Δ_0 に対して 『P(X_1≦0)=1 または P(X_1<0)>0』」
を示すという問題になりました。「または」なので、どんな実数Δ_0に対しても、必ず X_1≦0 になるか、 P(X_1<0)>0 となることのどちらか一方でも成り立つことを示せばOKです。

他に議論が不十分な点として、以下のようなケースが見受けられます。昨年度も同じ課題を出しましたが、そのときのコメントとも重複します。

  • 株の購入単位Δが正の場合でしか成り立たない議論をしている(Δ=0, Δ<0では様子が変わります)
  • (★)の対偶を示そうとした人もいましたが、「d<1+r<u」の否定を考えようとした人に、「1+r<d」「u<1+r」としている人が多く見られました。厳密には、「d<1+r<u」の否定は「1+r≦d または≦1+r」となり、等号も入れる必要があります。
  • 数式の記法が若干変な人もいました。
問2コール・オプションと勘違いしていた人が何人かいました。テスト本番では注意してください。(2) は本質的に問1と同じことを尋ねている問題だということに注意してください。
ポイントは、X_1(H)とX_1(T)のどちらかが正だと、もう一方は必ず負になるということを数式で明確にすることです。

なお、この問題の(隠れた?)メッセージとしては、「株式現物とマネーマーケットで No Arbitrage が成立していれば、株のオプションをポートフォリオに加えてみたところで arbitrage を見出すことはできない」ということです。
完備市場になっているので、どんなデリバティブも複製できるので当然なのですが、要するに完備市場では、デリバティブを導入しても本質的に資産数を増やすことにつながらない、ということですね。

問3は(1)は出来が良かったですが、(2) は K=1 の場合にS_1(T) も In the money になって (2^2 - 1^1)^+ = 3 を考慮しないといけないことを忘れている人が若干いました(計算ミスの人も)。また、K=9 のところも 0 でない数値を答えている人が少しいました。
ほとんどが routine な作業でも、少しだけ irregular なことが混ざっていて、注意しなくてはいけないよ、という教訓だと思ってください。
まあ、これは手計算を少なからず行って、計算効率をあげよう?と思った人について言えることで、機械的にプログラムしてしまうと、 irregular な要素はなくなってしまうのですが。

手計算派とコンピュータ(Excel?)派は半々といったところでした。