2011年6月21日火曜日

JAFEE信用リスク理論研究部会第1回セミナー

JAFEE信用リスク理論研究部会の第1回セミナーを以下のように企画しました。

会場はそれほど大きくありません(収容人数30名程度)ので、参加希望される方は

 creditrisktheory-rg@jafee.gr.jp

まで事前にご連絡ください。


ただし、事前連絡をお願いしているのは、連絡いただいた方の席を確保するためではございません。
事前におおよその人数を把握して、希望者が多い場合には可能な会場レイアウトの変更を図るためですので、ご了承ください。

また、セミナーで使用した資料については、部会関係者がアクセスできるようにしたいと思っています。
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JAFEE信用リスク理論研究部会

第1回セミナー

日時:7月8日(金) 18:30~20:00(くらい)
場所:学術総合センター 4階 第5講義室
(学術総合センターへのアクセス方法は、例えばこちらをご参照ください)
参加費:無料

発表者:中川 秀敏(一橋大学大学院国際企業戦略研究科、当部会の主宰)
題目: Reduced-form モデルの数学的側面の整理
参考論文:
Coculescu, D., Nikeghbali, A., "Hazard Processes and Martingale Hazard Processes", forthcoming in Mathematical Finance.
(ここで情報が入手できますし、環境によっては pdf 版を入手できるはずです)

※なお、ホワイトボードを使いながらの説明になるかと思います。ご容赦ください。


概要:Reduced-form モデルに基づくデフォルト・リスクのモデル化について、停止時刻(stopping time)によるデフォルト時刻のモデル化が従来一般的であった。それに対して、Coculescu and Nikeghbali は「ハザード過程」と「マルチンゲール・ハザード過程」が一致するような確率時刻のクラスとして、ある条件を満たす擬停止時刻(pseudo-stopping time)による整理を与えている。
そこでは「Azéma 優マルチンゲール」およびその分解を通じて現れる確率過程の性質の重要性が示唆されている。

また、同論文では、ハザード過程とマルチンゲール・ハザード過程が本質的に一致しないような確率時刻のクラスとして honest time に注目して、その性質および例を示している。

そうした観点をふまえて、pseudo-stopping time や honest time によるデフォルト時刻の定義づけについて、structural モデルとの関連にも目を向けながら考えてみたい。

※セミナー後には、信用リスク理論研究部会の方向性について出席者の方と意見交換できれば幸いです。



講義「ファイナンシャル・リスク・マネジメント」の補講に関して

ファイナンシャル・リスク・マネジメントの補講については、以下のような内容で行いたいと思います。
なお、期末試験範囲は、7月19日までの授業分になります。

7月25日(月)1限:第3講義室 テーマ「カウンターパーティー信用リスク評価、特にCVAについて」
7月28日(木)1限:第3講義室 授業の総まとめ-期末試験前の総復習

2011年6月16日木曜日

6/21(火)「フィナンシャル・リスク・マネジメント」第9回:信用リスク(3)

第9回は構造型アプローチの続きです。予定では、

  • Merton モデルの応用(KMVモデルおよび1ファクターモデル)
  • 初到達時刻モデル(外生的な閾値設定と内生的な閾値設定)
を中心に解説し、時間があれば
  • 構造型アプローチ(+不完全情報)の概要と既存研究紹介
にも触れたいと思います。

2011年6月14日火曜日

「フィナンシャル・リスク・マネジメント」第8回フォロー

もろもろの資料をイントラネットにアップしておきました。

レポート課題はいちおう次回の授業時に提出してもらうことを想定していますが、慣れないと少し大変なので、多少提出が遅くなってもチェックして返却します。


きつそうであれば、授業で見せたExcelファイルを追加でアップします。


あと、紹介した森平先生の本はこちら。

2011年6月9日木曜日

6/14(火)「フィナンシャル・リスク・マネジメント」第8回:信用リスク(2)

第8回は数理ファイナンスアプローチのうち、構造型アプローチについて概説する予定です。
具体的には

  • (前回やり残してしまった)デフォルト判別モデルの評価法
  • 構造型アプローチ(+完全情報)の概要
  • Merton モデル(とその応用としての1ファクターモデル)
を中心に解説したいと思います。
今年度は、Mertonモデルにおけるデフォルト確率の算出については、ホワイトボードで丁寧に解説したいと思っています。
準教科書では8.2節の部分に相当するところを扱いますが、私の方で別途「補足資料」(といっても過年度のもののマイナーチェンジ)を作成してあります。プレゼン資料と重複するところが多いですが、両者とも、イントラネットにアップしておきます。
これらは印刷物としての配付はしない予定です。
必要に応じてダウンロードして、そちらにも目を通しておいてください。

なお、今回のレジュメは第9回に扱う内容も含まれます。

第8回~第13回は、それなりに高度な数学を使った議論を含んでいますので、ご容赦ください。
ただし、必要以上に数式を記憶する必要はありませんが、どういう形でモデルが作られているかということにはぜひ注意してください。

2011年6月8日水曜日

第6回の課題レポートについて

第6回の課題についてのレポートを提出してくれた方は以下の通りです。


IM09F029, IM10F002, IM10F004, IM10F011, IM10F013, IM10F019,
IM10F022, IM10F025, IM10F034, IM10F038, IM11F011, IM11F012,
IM11F014, IM11F021, IK11F016,

提出したはずなのに、IDがここに挙がっていない人は早めに連絡ください。


一次チェックをしてのコメントです。
(問題2の解答例をイントラネットにアップしておきました)

問題1は、授業中に解説したので、プレゼン資料 or Excelファイルを
参照してください。

問題2についてですが、(1)(2)はともに同じ手続きでの解答になります。

授業の流れに従えば、コピュラの定義の3つの条件を地道に示すという作業が必要になります。

2つ目の
\[ M(u_1, 1) = u_1, M(1,u_2) = u_2 \]
という条件は特に問題ないですね。

1つ目の、$u_1, u_2$ それぞれについて単調非減少であることを示すところですが、$u_1 < u_2$ と $u_1 \ge u_2$ のような場合分けをしている人が多くいました。また、そういう場合分けをしている人の中には、示すべきことを勘違いしているような人がいました。

ここで示すべきことは、$u_1, u_2$ の一方を固定して、もう一方の変数について単調非減少を示すこと、すなわち
\[ \forall u_1, u_2, 0 \le \forall x < \forall y \le 1 \ \Rightarrow \ M(x, u_2) \le M(y, u_2), \ M(u_1, x) \le M(u_1, y) \]
を示すことです。
これだけであれば、特に$u_1, u_2$ の大小関係で場合分けをしなくても示すことはできると思います。

3つ目は、「単位正方形の周上または内部の任意の長方形領域に対応する確率が非負」という条件で
\[ a_1 \le b_1, \ a_2 \le b_2 \ \Rightarrow \ M(a_1,a_2) - M(a_1, b_2) - M(b_1, a_2) + M(b_1, b_2) \ge 0 \]
を示すことになりますが、$a_1$ と $a_2$ および $b_1$ と $b_2$ に大小関係が仮定されていないので、厳密には場合分けをする必要があります。
きちんと場合分けせずに示すのは難しいと思います。

グラフを持ち出している人もいましたが、説明が適切ではないのでもったいない感じがしました。

また、場合分けも上手にやらないと本当に全てのケースを調べ尽くしているか、判別しにくいので注意です。

そうした点から、きちんとできていると判断出来る人はごくわずかでした。


(3)は確率の言葉に翻訳すると、$A, B$ という2つの事象について
\[ \max\{P(A) + P(B) - 1, 0\} \le P(A \cap B) \le \min\{P(A), P(B)\} \]
を証明せよ、という話になります。
基本的な確率の性質をいくつか使って二つの不等号を示すことになります。

上の性質に着目して解いた人もいましたし、コピュラのままで上手に定義の条件を使って証明してくれていた人もいましたが、手つかずの人も多かったです。

2011年6月7日火曜日

「フィナンシャル・リスク・マネジメント」第7回フォロー

もろもろの資料(大量)をイントラネットにアップしておきました。

なお、今回はレポート課題の対象はありません。

2011年6月2日木曜日

『巨大銀行はなぜ破綻したのか --- プロセスとその対策』

ダレル・ダフィー著, 本多俊毅訳 『巨大銀行はなぜ破綻したのか --- プロセスとその対策』

Darrell Duffie, "How Big Banks Fail and What to Do About It," Princeton Univ. Press (2010) を本多先生が翻訳されました。

カウンターパーティーリスクのマネジメントを考えるうえで参考になると思います。

6/7(火)「フィナンシャル・リスク・マネジメント」第7回:信用リスク(1)

第7回目は、財務データに基づくデフォルト判別モデルの話をします。
予習用資料をイントラネットにアップしておきました。

昨年度は、信用リスク編の初回には、信用リスク計量モデルの総論についてのまとめを話していたのですが、全体的に内容が古くなっている一方で、更新する内容もあまりないので、総論については補足資料ということで目を通してもらうことにして、授業では特に触れないことにします。

また、判別分析の理論的な側面や財務指標の意味の話もプレゼン資料には含めていますが、統計や会計財務の他の授業で聞いていると思いますので、財務指標を説明変数と したデフォルト判別モデルという応用面での注意点にフォーカスしたいと思います。

また、2つめのレポート課題をアナウンスしたいと思います。
予定では、以下の内容に触れるつもりです。準教科書には特に対応箇所がありません。

  • 会計知識の小テスト
  • Altman モデル
  • 財務指標の例と作成上の注意
  • 線形判別分析モデル作成時のポイント(データの内容および分析ツールの説明)
  • モデルの評価法

2011年6月1日水曜日

第5回の課題レポートについて

第5回の課題についてのレポートを提出してくれた方は以下の通りです。


IM09F023, IM09F029, IM10F002, IM10F004, IM10F006, IM10F011, 
IM10F013, IM10F014, IM10F019, IM10F022, IM10F023, IM10F029, 
IM10F033, IM10F034, IM10F038, IM11F003, IM11F011, IM11F014, 
IM11F021, IK11F012, IK11F016, 

提出したはずなのに、IDがここに挙がっていない人は早めに連絡ください。


一通りチェックしてのコメントです。
問題1,問題2も解答していた方がいましたが、授業で扱ったので割愛します。


問題3は、8割の方ができていましたが、もともとのポートフォリオのデルタが0だと勘違いしてしまったり、方程式が適切に立てられなかったり、符号の解釈を反対にしていたり、で間違えていた人が少しいました。
間違えた人は考え方を復習しておいてください。


問題4も、オプション価格は目標が分かっていたからということもありますが、だいたいできていました。ただ、私が計算で求めた値と微妙にずれている方が数名いました。入力数値の丸め方のせいなどもあるかもしれませんが、少し気になりました。


デルタ、ガンマ、ベガについては、値が水準的に明らかにおかしい人が少しいました。
あと、微妙に私の用意したものと答えの数値がずれている人がこちらでもいました。
(とある解答から、数値が微妙にずれている人は $d_1$ を計算する際に、$\sqrt{T-t}$ で割るべきところを掛けているのではないかと想像します。$/ (\sigma * \sqrt{T-t})$ と分母全体をカッコでくくるべきところを $/ \sigma * \sqrt{T-t}$ とすると後半はかけ算にされます)


いちおうイントラネットには解答のExcelファイルもアップしたので、確認してみてください。


具体的なヘッジ方法の提案については、客観的な正解があるわけではないのですが、気になった部分などにはコメントをつけました。